デリバティブ取引ってどんな取引?

配信日: 2022.10.25

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デリバティブ取引ってどんな取引?
2022年9月23日から大阪取引所と東京商品取引所では、日経225先物やプラッツドバイ原油先物等の祝日取引を開始しました。
 
この祝日取引で扱われる商品はデリバティブ商品ですが、このデリバティブ商品とはどのようなものなのか見ていきましょう。
田久保誠

執筆者:田久保誠(たくぼ まこと)

田久保誠行政書士事務所代表

CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、特定行政書士、認定経営革新等支援機関、宅地建物取引士、2級知的財産管理技能士、著作権相談員

行政書士生活相談センター等の相談員として、相続などの相談業務や会社設立、許認可・補助金申請業務を中心に活動している。「クライアントと同じ目線で一歩先を行く提案」をモットーにしている。

そもそもデリバティブ商品とは?

金融商品には、株式、債券、金利、外国為替などがありますが、これら金融商品のリスクを低下させたり、リスクを積極的に取って高い収益性を追求したりする手法として考案されたのがデリバティブです。日本語としては主に「金融派生商品」とか「派生商品」などといわれています。
 
取引の種類としては、

(1) 先物取引
(2) オプション取引
(3) スワップ取引

の3つの取引があります。
 

(1) 先物取引

先物取引とは、ある原資産(元の金融商品)を将来のある期日までに、あらかじめ決められた価格で売買することを約束する取引のことです。あらかじめ売買の価格を決めるので「価格変動リスク」を回避・軽減できます。
 
例えば、「半年後に5万円で株式を購入する先物取引」をした場合、

・半年後にその株式の株価が7万円だと→2万円の利益
・半年後にその株式の株価が4万円だと→1万円の損失

となります。
 

(2) オプション取引

オプション取引とは、将来のある期日までに原資産を一定の価格で購入(または売却)する「権利を取引」することで、買う権利を「コールオプション」、売る権利を「プットオプション」といいます。
 
コールオプションを買った場合、将来のある期日までに原資産を一定の価格で購入する権利を持つため、その価格以上に値上がりすれば、利益は大きくなります。しかし、コールオプションを売った場合は安く売らなければならないため、値上がり分がすべて損失になります。
 
一方、プットオプションを買った場合、将来のある期日までに原資産を一定の価格で売却する権利を持つため、その価格以下に値下がりすれば、利益は大きくなります。しかし、プットオプションを売った場合は高く買わなければならないため、値下がり分がすべて損失になります。
 
先物取引とオプション取引は、「将来の売買」の取引という点でよく似ていますが、先物取引は将来売買することを「約束」する取引であるのに対して、オプション取引は売買できる「権利の取引」です。よって先物取引は、将来必ず売買が発生しますが、オプション取引は、将来売買が発生するかもしれないし、しないかもしれない、という違いがあります。
 

(3) スワップ取引

スワップ取引とは、価格が等しいものの「交換(=スワップ)」することをいいます。同じ通貨で異なるタイプの金利を交換することを「金利スワップ」といい、中でも変動金利と固定金利の交換がもっとも典型的なスワップです。
 
異なる通貨の金利を交換するのが「通貨スワップ」で、例えば、ドル金利を受け取って円金利を支払うといったように、異なる通貨間で将来の金利と元本を交換するものです。
 

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祝日取引の対象日は? 対象商品は?

2022年~2023年上期の祝日取引の対象日は以下のとおりです。
 


 
原則、土曜日、日曜日および1月1日を除くすべての現休業日を祝日取引の対象日とします。よって、2023年は2月11日と4月29日は土曜日のため実施されません。また、2月に翌年1年間の実施予定日を公表し、6月と12月にそれぞれ翌年の上半期、下半期の実施日(確定)を公表します。
 
対象商品は、指数先物取引・指数オプション取引・商品先物取引・商品先物オプション取引ですが、国債証券先物取引、国債証券先物オプション取引、および有価証券オプション取引は対象外です。
 

仕組みが複雑で難易度高め

デリバティブ取引は、現物取引に比べて仕組みが複雑で難易度が高めです。実際に、証券会社で口座を開設する際も、通常の株式口座ではなく、デリバティブ専用の口座を開かなければならないほどで、投資経験だけでなく一定以上の知識が必要となります。
 
投資は自己責任ですので、もし取引を始めるのであれば、商品の仕組みなどをきちんと理解して始めるようにしましょう。
 

出典

日本取引所グループ ホームページ/祝日取引
金融広報中央委員会 しるぽると やさしいデリバティブ
 
執筆者:田久保誠
田久保誠行政書士事務所代表

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