更新日: 2019.01.10 その他資産運用

預貯金よりもお得に旅行資金が貯められる?「旅行積立」の仕組みと留意点

預貯金よりもお得に旅行資金が貯められる?「旅行積立」の仕組みと留意点
マイナス金利の中、旅行資金を計画的に貯める方法として「旅行積立」が人気です。使途は限定されますが、実質的な年利が3%の商品があるなど、利息がほとんどつかない預貯金に比べ魅力的です。
 
旅行を計画しているのであれば、銀行にお金を預けておくよりも旅行積立のほうがお得です。
 
ただし、預貯金と違い、旅行にしか利用できないなどのデメリットもありますので、十分理解したうえで旅行積立を利用しましょう。
新美昌也

Text:新美昌也(にいみ まさや)

ファイナンシャル・プランナー。

ライフプラン・キャッシュフロー分析に基づいた家計相談を得意とする。法人営業をしていた経験から経営者からの相談が多い。教育資金、住宅購入、年金、資産運用、保険、離婚のお金などをテーマとしたセミナーや個別相談も多数実施している。教育資金をテーマにした講演は延べ800校以上の高校で実施。
また、保険や介護のお金に詳しいファイナンシャル・プランナーとしてテレビや新聞、雑誌の取材にも多数協力している。共著に「これで安心!入院・介護のお金」(技術評論社)がある。
http://fp-trc.com/

旅行資金をためる商品は安全性を重視

皆さんが保有する資金は、資金の性格によって4つのタイプに分けることができます。
 
1.準備資金・・・病気、けが、冠婚葬祭などの支出への備え、納税準備資金など
2.短期資金・・・旅行・レジャー資金、住宅取得のための頭金など
3.中長期資金・・・教育資金や老後資金など
4.利殖資金・・・余裕資金でリスクをとってお金を殖やすための資金
 
短期資金は、数年以内に起こる旅行・レジャー資金、住宅取得のための頭金などのライフイベントなどに備える資金です。
 
数年内に利用するので、ハイリスクの金融商品で運用すると、利用するときに大きく元本割れする可能性がありますので、短期資金は安全性を重視して金融商品を選ぶ必要があります。
 

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「旅行積立」は旅行資金の準備に最適

安全性が高い金融商品としては預貯金があります。しかし、マイナス金利下では利息がほとんど付きません。そこで人気が高まっているのが、旅行会社などの「旅行積立」です。
 
この商品は、満期時に「積立額+ボーナス(サービス額)」がもらえますが、旅行にしか利用できないという制限をしている分、高いボーナスが付きます。
 
実質的な利回りで換算すると3%の商品もあります。預金の利息には税金がかかりますが、ボーナス部分には税金がかからないのもお得なポイントです。
 
また、「旅行積立」は少額から口座引き落としでコツコツ積み立てることができるので、貯蓄が苦手な人でも無理なく旅行資金を準備することができます。基本的に、旅行に使途が限定されていますので、確実に旅行資金を準備できます。
 

「旅行積立」の仕組み

毎月決まった金額を積み立てていくと、6カ月~5年後の満期時に一定の金額が上乗せされて、旅行券を受け取ることができるのが基本です。
 
支払い方は、毎月一定額支払っていく方法のほか、ボーナス併用払いや一括払いもあります。満期に関しては満期日を設定しない商品もあります。
 
「JTBたびたびバンク定期プラン」を例にとって説明します。
 
積立方法は、「毎月払いコース」と「一時払いコース」の2つがあります。
 
毎月払いの場合、積立期間は12~60回、積立金額は5000円以上、支払いは指定口座からの毎月定額自動振替(振込手数料不要)となります。
 
一括払いの場合、積立期間は12~60カ月間、積立金額は3万円以上2000万円まで、支払いはJTBグループ各販売店での預かりとなります。いずれの積立方法でも、サービス額の年利換算 1.75%(単利月数計算)です。
 
・「毎月払いコース」例
毎月2万円を2年間積み立てる場合、満期時に48万8750円分受け取ることができます。預入総額は48万円ですので、8750円お得です。
 
・「一時払いコース」例
満期時100万円分を、5年後に受け取る場合の一時払金は91万9541円と、8万459円のお得です。
 
JTBにはお金の使途を「ハワイ旅行」に限定した「たびたびバンクJTBハワイ積立」やクルーズ旅行に限定した「たびたびバンクJTBクルーズ積立」があり、使途が限定されている分、サービス額の年利換算は3%(単利月数計算)となっています。同商品は人気なので期間限定で販売されています。
 
JTBのほかにも近畿日本ツーリスト、日本旅行、エイチ・アイ・エス、ANA、日本航空などにも旅行積立サービスがありますので調べてみましょう。
 

「旅行積立」の留意点

積み立てたお金は、基本的に旅行券にしか使えません(一部の会社ではJR券や航空券として利用可能な場合があります)。利用できる旅行商品の範囲については会社により異なるので、確認しておきましょう。
 
積立金は現金では受け取れないので、預金のように急な出費には利用できません。先に説明した準備資金を確保したうえで利用しましょう。
 
中途解約の場合、積立期間変更(短縮)の取り扱いとなり旅行券などで戻ってきます。現金での払い戻しはありません。積立金が最低支払回数に満たない場合、ボーナス(サービス額)は付きませんので注意してください。旅行券が積立額を下回る場合もあります。
 
旅行券には一般的に有効期限があります。有効期限がある場合、有効期限を超えると利用できなくなります。
 
なお、万一旅行会社等が倒産した場合、積立金が戻ってこない可能性があります。
 
Text:新美 昌也(にいみ まさや)
ファイナンシャル・プランナー。

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