更新日: 2022.10.31 その他資産運用
高値が続く金相場 金の価値を示す純度とは?
現に昨今、新型コロナウイルスの感染拡大やロシアによるウクライナ侵攻を背景として、金相場は依然として上昇傾向にあり、安定した高値を維持しています。
ここでは金に関する基礎知識として、金の純度について確認してみたいと思います。
執筆者:高橋庸夫(たかはし つねお)
ファイナンシャル・プランナー
住宅ローンアドバイザー ,宅地建物取引士, マンション管理士, 防災士
サラリーマン生活24年、その間10回以上の転勤を経験し、全国各所に居住。早期退職後は、新たな知識習得に貪欲に努めるとともに、自らが経験した「サラリーマンの退職、住宅ローン、子育て教育、資産運用」などの実体験をベースとして、個別相談、セミナー講師など精力的に活動。また、マンション管理士として管理組合運営や役員やマンション居住者への支援を実施。妻と長女と犬1匹。
金の純度とは
金の純度とは、金塊やジュエリーなどの中にどれだけの金が含まれているか、その含有率を示すものです。日本での表記には、一般的に「K」(Karat:カラット)という単位が使用されます。同じような響きに聞こえますが、ダイヤモンドなどの宝石の場合は質量を示す「Carat:キャラット」を使用しています。
例えば、「K24」という表記は「24金」とも呼ばれ、Kの後の数字が大きいほど金の純度が高いことを表しています。金の純度は24分率という特殊な基準で示されるため、「K24」は最高の数値となる24であり、純度99.9%以上の純金と呼ばれるものとなります。つまり、ほぼ100%の純金製であることを示しています。
日頃、私たちがよく耳にする「K18(18金)」や「K14(14金)」なども、もちろん金の純度を示すものですが、「K18」とは純度が75%の金であることを表し、計算方法は「18÷24=0.75」となります。また、「K14」の純度は58.5%です。
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なぜ金の純度を下げるのか
なぜ「K24」の純金ではなく、純度を下げた「K18」や「K14」といったものがジュエリーなどとして使用されるのでしょうか?その理由には、純金の硬度の低さが挙げられます。
純金は金属の中でも素材として柔らかく、さらに熱にも弱いため、日常生活の中で使用する上では傷つきやすいというデメリットがあります。こうした点を補うため、別の金属を混ぜ合わせて合金として金の純度を下げ、日常的に使用しやすいジュエリーなどに仕上げているのです。
よく聞く「ピンクゴールド」や「イエローゴールド」などは、独特の色合いの金製品として人気があるようですが、これらも一定の配合で銀や銅などを混ぜることで作り出されています。
例えば、K18のピンクゴールドの一般的な配合割合は、「金75%、銀5%、銅18%、パラジウム2%」が多くなっています。
「アトK」には注意?
前述したように日本での金の純度の表記は「K○○」と、「K」の後ろに数値が入りますが、逆に「○○K」という表記の場合には、海外生産であることを意味しています。
Kが後ろとなるので「アトK」とも呼ばれるようですが、一般的には品質が悪いものや金の含有量が表記より低いものもあり、価値が下がってしまう可能性もあるとのことです。もちろん「アトK」だからといって、すべてが劣悪ということではありませんが、より慎重な製品ごとの見極めが必要といえるでしょう。
金の純度を調べる方法
金の純度を調べる上で誰でもできる方法の1つは、刻印を確認することです。前述の「K18」などの文字が金製品に彫られていることを確認する際、刻印自体が疑わしいと感じる場合もあるかもしれません。そのようなときは、数字の横に日本国旗の刻印が入っているかがポイントとなります。
日本国旗がある刻印はホールマークとも呼ばれており、日本の基準に合格した製品であることの証明です。
また、本物の金か確かめるには磁石を当てるのも簡易な調査方法の1つです。本物の金は磁石にはくっつきません。たとえK18やK14のジュエリーなどであっても、含有する金属には磁石に反応しないものが使用されることが多いため、これは本物の金であるかの判別に使われる方法です。
さらに、エックス線検査や破壊検査、非破壊検査など、さまざまな調査方法がありますが、自身で調べることに不安を感じる場合には、貴金属買い取り専門店や質屋などでプロの鑑定士による査定を受けることをお勧めします。
まとめ
金の純度を知る上でもう1つ大切なのは、実際に手に持ったときの感触と言われています。
純金は貴金属の中でも比重が高く、最も重い素材であるとされています。また、温度によって変化しやすい性質を持っており、手に持って一定時間が経過した際の感覚の変化も、本物を判別するための重要な要素となっています。
私自身、投資対象の1つとして金積み立てを少額ながら実践しています。金インゴットなどの塊を手に取ったことはありませんが、実際に手にして本物を知ることで、投資に対する姿勢や意欲も変わるのかもしれません。
執筆者:高橋庸夫
ファイナンシャル・プランナー