複利効果と72の法則 その1 若い人ほど複利効果を考えた資産運用をすべきです
配信日: 2022.10.30 更新日: 2022.10.31
複利運用には、収益が収益を生むことにより、単利運用と比べて元本が大きく増加する効果があり、運用が長期にわたるほど複利効果はその威力を発揮します。複利運用は、効果的に資産運用をするための手段といってもいいでしょう。
執筆者:浦上登(うらかみ のぼる)
サマーアロー・コンサルティング代表 CFP ファイナンシャルプランナー
東京の築地生まれ。魚市場や築地本願寺のある下町で育つ。
現在、サマーアロー・コンサルティングの代表。
ファイナンシャル・プランナーの上位資格であるCFP(日本FP協会認定)を最速で取得。証券外務員第一種(日本証券業協会認定)。
FPとしてのアドバイスの範囲は、住宅購入、子供の教育費などのライフプラン全般、定年後の働き方や年金・資産運用・相続などの老後対策等、幅広い分野をカバーし、これから人生の礎を築いていく若い人とともに、同年代の高齢者層から絶大な信頼を集めている。
2023年7月PHP研究所より「70歳の現役FPが教える60歳からの「働き方」と「お金」の正解」を出版し、好評販売中。
現在、出版を記念して、サマーアロー・コンサルティングHPで無料FP相談を受け付け中。
早稲田大学卒業後、大手重工業メーカーに勤務、海外向けプラント輸出ビジネスに携わる。今までに訪れた国は35か国を超え、海外の話題にも明るい。
サマーアロー・コンサルティングHPアドレス:https://briansummer.wixsite.com/summerarrow
複利効果の大きさ ― 資産を複利運用した場合、運用年数に従って元本はどのくらい増えるか?
複利効果といっても、日本の銀行預金では複利で利息が付く商品はほとんどありません。資産運用で複利効果という場合、株式や投資信託の配当金を元本に組み入れ、配当が配当を生む効果を指すことが一般的です。
この場合は銀行預金の利息とは違い、毎年一定の利息が付くわけではなく、株式市場や企業の財政状態によって配当は異なるため、元本に組み入れることができる配当は常に一定ではありません。
それを理解していただいた上で、この記事では、配当などの収益が元本に対して一定の比率で続いた場合の複利効果を計算してみたいと思います。
以下の表は、元本を年5%の利回りで継続的に運用した場合の運用年数ごとの複利運用、および単利運用の元利合計を比較したものです。
※筆者作成
複利運用と単利運用を比較した場合、運用年数が5年から10年くらいでは、それほど大きな差はありませんが、15年では約1.2倍、40年では2倍を超え、50年では3倍を上回るようになります。
複利計算では年数の経過に従い、元利合計が指数関数的に増加することになります。これが資産運用における複利効果です。
元本が複利運用により、どのくらい増加するかというと次のとおりです。
例えば、25歳の時に100万円を年利5%で運用したら、40歳では208万円、45歳では265万円、55歳では432万円、引退年齢の65歳では704万円と、40年間で7倍以上に増えていることになります。すなわち、若い人ほど複利効果を意識した資産運用を考えるべきといえます。
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資産を複利運用したら、元本が倍になるまで何年かかるか?
今度は視点を変えて、元本を複利運用および単利運用した場合、2倍になるまで何年かかるか見ていきましょう。以下の表は、1年当たり利回りを1%から72%と仮定した場合、元本が2倍になるまでの年数を複利運用と単利運用で比較したものです。
※筆者作成
ここでも複利効果を実感することができます。1年当たり利回りを1%とした場合、元本が倍になる年数は複利運用で70年、単利運用では100年かかりますが、利回り5%の場合では複利運用で14.2年、単利運用で20年となり、複利運用の方が約6年も早く目標を達成できることになります。
25歳の時に利回り5%で100万円の複利運用を開始すると、39.2歳で元本が2倍の200万円になり、もちろん25歳時点で1000万円を投資できれば、39.2歳では2000万円を手にすることができるというわけです。
なお、利率が高くなればなるほど目標を達成するまでの年数は短くなり、例えば年利8%で複利運用すると9年、年利12%なら6.1年で元本は倍になるという計算です。
まとめ
「その1」で説明した内容を要約すると、以下のとおりとなります。
1. 複利効果とは元本がもたらす収益を元本に組み入れて、収益が収益を生む形で運用することで得られる効果である。
2. 複利効果は運用年数が長くなればなるほど、増加率は大きくなる(指数関数的に増大する)ので、若い人ほど複利効果を考えた資産運用をすべきである。
3. 実際に複利効果を享受できるのは、株式の配当金、または投資信託の分配金などの収益を元本に組み入れて運用した場合であり、毎年一定の利回りが保証されるわけではない。その場合の運用利回りは、実績に基づいた平均値などの仮定による計算で行われる。
次回「その2」では、複利効果を簡単に計算するためのツールとして「72の法則」と、複利効果の応用方法について説明したいと思います。
執筆者:浦上登
サマーアロー・コンサルティング代表 CFP ファイナンシャルプランナー