更新日: 2022.12.01 株・株式・FX投資

S&P500の現在地はどこ? 相場循環を眺めながら確認する方法を解説

S&P500の現在地はどこ? 相場循環を眺めながら確認する方法を解説
※この記事は2022年10月15日時点の情報を基に執筆しています。
 
前回の記事「株式投資の重要局面! 9月のCPIが映し出す金利水準の考え方」では、アメリカの2022年9月の消費者物価指数(CPI)を起点に、金利水準がどのように予測されているかを確認しました。
 
金利水準の予測は投資シナリオの作成に必要不可欠ですが、予測の次は相場循環を眺めながら、株式相場の現在地を確認します。
重定賢治

執筆者:重定賢治(しげさだ けんじ)

ファイナンシャル・プランナー(CFP)

明治大学法学部法律学科を卒業後、金融機関にて資産運用業務に従事。
ファイナンシャル・プランナー(FP)の上級資格である「CFP®資格」を取得後、2007年に開業。

子育て世帯や退職準備世帯を中心に「暮らしとお金」の相談業務を行う。
また、全国商工会連合会の「エキスパートバンク」にCFP®資格保持者として登録。
法人向け福利厚生制度「ワーク・ライフ・バランス相談室」を提案し、企業にお勤めの役員・従業員が抱えている「暮らしとお金」についてのお悩み相談も行う。

2017年、独立行政法人日本学生支援機構の「スカラシップ・アドバイザー」に認定され、高等学校やPTA向けに奨学金のセミナー・相談会を通じ、国の事業として教育の格差など社会問題の解決にも取り組む。
https://fpofficekaientai.wixsite.com/fp-office-kaientai

相場循環の段階

以前の記事で金融相場と業績相場という、株式投資を行う際に必要な相場循環の考え方についてお伝えしました。株式投資に当たっては基本中の基本といえますが、特に長期投資の場合、相場循環を理解せずに株式投資を行うのは、初めて行く海外の国で地図も見ずに旅をするのと同じぐらい危険な行為といえます。そのため、金利水準の予測を確認した後は、必ず相場循環を確認する必要があります。
 
相場循環には、次のような段階があります。金融緩和政策(例えば中央銀行による利下げ)が始まる前後で、まず金融相場が訪れます。その後、金融緩和政策が終わりに近づいていくと、それまで続いてきた株式の上昇相場がいったん終了し、株価は反落します。
 
反落が止まると、次は企業の業績に着目した業績相場が訪れますが、景気が過熱して物価が上がっていくと、金融政策が金融引き締め政策(例えば利上げ)に転換されるため、このタイミングで株価は天井をつけ、株式市場は下降局面に入っていきます。
 
下降局面には3段階あり、初めにくるのが逆金融相場による株価の下落、次が逆金融相場で下がった株価の持ち直しとして転じる反騰局面、そして株価の上昇が止まると次に来るのが逆業績相場とよばれる、株価の大きな下落です。
 

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株式相場の現在地

このような株式相場の循環をチャートで確認すると、以下のように考えることができるかもしれません。以下で、アメリカの代表的な株価指数であるS&P500のチャートで相場循環を確認します。
 
【図表1】
〇S&P500(日足)
 


 
出典:TradingView Inc. TradingView
※解説を目的に使用
 
あくまでも個人的な相場観によるものですが、金融政策の変化や金利水準を参考にして、便宜上、相場循環をS&P500に当てはめて考えています。
 
S&P500は、2020年3月にコロナショックの底値をつけ、アメリカの中央銀行に当たる米連邦準備制度理事会(FRB)が金融緩和政策を実施したことを受け、株価は上昇していきました。その後、景気が急激に回復し、金融緩和政策解除の動きに舵を切ったため、S&P500は図表1のチャートで示した調整期間で株価が反落しました。
 
そして、上昇相場の最終局面に当たる業績相場が訪れるわけですが、2022年からいよいよ金融政策が金融引き締め政策に転換されるということでS&P500は天井をつけ、2022年に入り、年初から株価が下落し始めました。このタイミングが逆金融相場の始まりですが、6月の下値まで逆金融相場が続きました。
 
なぜ株価が下げ止まったかというと、市場参加者が予測していたFRBの利上げ水準が、思っていたほど高くならないだろうといった思惑が広がったからです。
 
この調整局面におけるS&P500の反騰は2022年8月に終わりを迎え、このタイミング以降、逆業績相場が訪れているという見立てです。なぜ、このタイミングで逆業績相場が始まっているのかというと、アメリカの国内総生産(GDP)成長率が2四半期連続でマイナスとなり、リセッション(景気後退)入りする可能性が出てきたからです。
 
そして現在、S&P500は2022年6月につけた下値を下回り、逆業績相場がどこまで進むか、つまり、どこで株価が底値をつけるかに注目が集まっています。
 

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まとめ


 
株式相場の現在地の確認は、前述のように相場循環に基づき行っていきますが、特に長期投資を行う際はこの視点が必要です。なぜなら、株式市場では金利を軸に株価が上下しやすいからです。
 
金利の水準を決めているのは、中央銀行による金融政策によるところが大きいですが、金融政策は景気循環に基づいて決定されます。この景気循環を確認するための経済指標のひとつが、前回の記事「株式投資の重要局面! 9月のCPIが映し出す金利水準の考え方」でお伝えしたCPI(消費者物価指数)の推移です。そのため、株式投資を行う際はファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)を確認する必要があります。
 
そして、ファンダメンタルズに基づいて金利の動向を探り、相場循環を確認していきますが、本記事で説明した相場循環の確認作業をしたうえで、次にチャートによるテクニカル分析を行っていきます。次回は、前回と今回の記事での説明を踏まえたうえで、S&P500のチャート分析をしてみたいと思います。
 

出典

TradingView Inc. TradingView
 
執筆者:重定賢治
ファイナンシャル・プランナー(CFP)

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