「個人向け国債」と「定期預金」はどちらがお得?
配信日: 2022.12.06
国債のほうが銀行よりも信用度が高いという意見もありますが、1000万円以下の定期預金なら銀行が破綻しても保護されるため、大差ありません。
本記事では、個人向け国債と定期預金についてどちらがお得なのか解説します。
執筆者:北川真大(きたがわ まさひろ)
2級ファイナンシャルプランニング技能士・証券外務員一種
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目次
ネットバンクの定期預金のほうが金利は高い場合がある
個人向け国債には「3年債」、「5年債」、「10年債」の3種類ありますが、いずれも利率は低いです。2022年11月募集の個人向け国債をみると、3年債と5年債は固定金利で年率0.05%、10年債は変動金利で当初金利は年率0.17%しかありません。
一方で、「ネットバンクの定期預金」では年率0.2%以上のものもあります。将来の金利が上がれば10年債の金利は上がっていく可能性はありますが、現状の金利だけをみれば定期預金に負けています。
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満期前に解約する場合のデメリットは個人向け国債のほうが大きい
銀行の定期預金と個人向け国債を比較するときに注目すべき点は、「解約した場合の扱い」です。銀行の定期預金を途中で解約した場合、普通預金の金利はもらえるのが通例です。
個人向け国債は購入して1年たてば解約できますが、直近1年分の利子が差し引かれて換金されます。「1年分の金利を放棄」することになり、途中解約した場合のデメリットは個人向け国債のほうが大きいといえます。
10年債の場合はどれくらいのリターンになるか想定しづらい
3年債や5年債は年率0.05%しかなく、この金利ならネットバンクの定期預金のほうがよいでしょう。金利を重視するなら、個人向け国債は10年債以外に検討の余地はありません。
ただし、10年債は半年ごとに利率が変わるため、将来の金利によってリターンは上下します。ネットバンクの定期預金のように、別の銀行の金利が高いから満期後に乗り換えるといった柔軟な対応はできません。
今の日本は低金利なので将来的に上がる可能性は考えられるものの、絶対とはいえないでしょう。
金利が高いネットバンクが見つからない人は個人向け国債もあり
個人向け国債の金利は低いといっても、メガバンクの定期預金金利より高いのは事実です。金利が高いネットバンクが見つからない場合は、個人向け国債を選択する余地もあるでしょう。金利上昇局面なら、1年満期の定期預金より半年ごとに金利が変わる10年債のほうがよい場面もあるかもしれません。
ただし、金利上昇のタイミングがいつ来るかは誰にも分かりません。
2022年現在、定期預金の金利をランキング形式でまとめたサイトが複数存在します。一つひとつ調べなくても、金利の高い銀行はすぐ見つかるでしょう。新たに銀行口座の開設手続きが必要ですが、ネットバンクならいつでも開設できます。
一度開設して定期預金を設定してしまえば、あとは「満期までほったらかし」で問題ありません。満期後の扱いを自動継続にすれば、解約するとき以外は完全にほったらかしです。
客観的に考えて金利の高い銀行を探すのは誰でもできる上に、そこまで手間もかかりません。定期預金を選ばずに個人向け国債を選ぶメリットは、金利や解約時の扱いを比較すればあまりないといえるでしょう。
出典
財務省 現在募集中の個人向け国債・新窓販国債
執筆者:北川真大
2級ファイナンシャルプランニング技能士・証券外務員一種