更新日: 2022.12.30 その他資産運用
FIRE卒業が話題! 新トレンドは「サバティカルタイム」? 1年近い休暇も可能なの?
ここ数年、耳にするようになったFIREですが、最近は「FIRE卒業」という言葉も聞かれるようになりました。
FIRE卒業が意味するところはなんなのか、またFIREに代わる新しいトレンド「サバティカルタイム」についてご紹介します。
執筆者:守屋鮎美(もりや あゆみ)
2級ファイナンシャルプランナー
「FIRE卒業」とは
ここ数か月で聞かれるようになった「FIRE卒業」の意味するところはなんなのでしょうか。実はこの「FIRE卒業」には2つのパターンがあります。
1つは比較的ポジティブなもので、FIRE生活に飽きて、楽しみを得るために仕事を再開するパターン。
もう1つは比較的ネガティブなもので、円安や株安の影響でFIREを続けるための資金が足りなくなり、仕方なく仕事に戻るパターン。
まったく違った2つのパターンがある「FIRE卒業」。比較的ネガティブな仕方なく仕事に戻るパターンの「FIRE卒業」は「FIRE失敗」と言い換えられることもあるようですね。
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FIREに代わる概念「サバティカルタイム」
FIREは「早期リタイア」を前提としているので、もう一度仕事を再開したりすると、こうした「FIRE卒業」や「FIRE失敗」といった言葉が出てきます。
それに対して今回ご紹介する「サバティカルタイム」では、「リタイア」を目的にしたものではなくなるため、もっと気軽に考えることができるかもしれません。
サバティカルタイムとは? サバティカル休暇との違い
サバティカル休暇とは、もともとヨーロッパの企業でワークライフバランスの考えから提唱されたもので、長期勤続者に対して与えられる、理由を問わない長期休暇のことを指します。
海外で一般的なサバティカル休暇は、短くとも1ヶ月以上、長いと1年近く取得することができます。日本でもこのサバティカル休暇を取り入れる企業が多くなっています。
そして、2022年5月に尾石晴氏が上梓した『サバティカルタイム 「40歳の壁」を越える戦略的休暇のすすめ: ~FIREではなく働き続ける生き方~』では、会社からもらう休暇というだけでなく、自身の意思のもと戦略的に取得する「使途用途を決めない休暇」「第二の職業人生を模索するためのモラトリアム期間」としてサバティカルタイムが提唱されています。
尾石氏自身は、サバティカルタイムを取得するために会社を退職しており、会社から与えられる休暇でなくても、長い仕事人生の中で、次の仕事を始めるまでの「休暇」であれば、サバティカルタイムであると定義しています。
サバティカルタイムとFIREの違い
サバティカルタイムは、仮に仕事を辞めて取得したとしても、のちのちはまた何かしらの仕事を再開する予定で、あくまで「休暇である」ということが、FIREのリタイアを前提とした考え方とは一線を画しています。
また、FIREを目的にすると、残りの人生分の資金を確保する必要があり、それなりの準備期間が必要です。対して、サバティカルタイムであれば、自身が取得したいサバティカルタイム数ヶ月~数年分の資金だけ確保できればよいので、比較的早期に実現することができます。
何より、最初に紹介した「FIRE卒業」「FIRE失敗」の概念からすると、FIREが本当に自分に合っているのかどうかを検討するためにも「サバティカルタイム」は有効です。
FIREを目指すのも良いですが、まずは「サバティカルタイム」を取得して、FIREが自分に合っているのか、実現可能なのか、を確認してみてもよいのではないでしょうか。
出典
働き方・休み方改善ポータルサイト 特別な休暇制度-資料 特別休暇制度導入事例集2020(令和2年度)
執筆者:守屋鮎美
2級ファイナンシャルプランナー