更新日: 2023.01.11 その他資産運用
投資を始めるときは特定口座と一般口座のどちらがいい? 違いをFPが解説
しかし投資初心者にとっては、どちらの口座を選択すればよいか、判断が難しい場合もあります。選択する口座によっては確定申告の手間や納税額が異なるので、各口座の特徴を押さえておくことが大切です。
本記事では、特定口座と一般口座の違いを詳しく紹介します。これから株式投資を始めたいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
執筆者:東本隼之(ひがしもと としゆき)
AFP認定者、2級ファイナンシャルプランニング技能士
金融系ライター・編集者 | SEO記事を中心に200記事以上の執筆・編集を担当 | 得意分野:税金・社会保険・資産運用・生命保険・不動産・相続 など | 難しい金融知識を初心者にわかりやすく伝えるのを得意としている。
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特定口座と一般口座の違い
特定口座と一般口座の違いは「年間取引報告書」の交付の有無です。年間取引報告書とは、1月1日から12月31日までの株式投資による利益を計算した書類のことで、証券会社から特定口座開設者に交付されます。
年間取引報告書が交付されない一般口座で取引をしていた場合は、1年間の利益を自身で計算し、確定申告をしなければなりません。
一方、特定口座の取引は証券会社が利益を計算してくれるため、よりスムーズに確定申告が行えるでしょう。
特定口座は源泉徴収の有無が選択できる
特定口座は源泉徴収の有無を選択でき、特定口座(源泉徴収あり)と特定口座(源泉徴収なし)の2種類に分類されます。源泉徴収とは、所得税や住民税を証券会社が投資家に代わって納税する仕組みをいい、「源泉徴収あり」を選択することで確定申告が不要となります。
税金計算や確定申告の手間を減らしたいと考えている方は、特定口座(源泉徴収あり)を選択するとよいでしょう。
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特定口座(源泉徴収あり)を選択するメリット
先述した通り、特定口座(源泉徴収あり)を選択すれば、確定申告が不要となります。ほかにも、確定申告によって社会保険料が上がったり、配偶者控除が適用されなくなったりするリスクを軽減させるメリットもあります。
株式投資の利益を確定申告すると、所得金額が大きくなったと見なされます。そのため、社会保険料の増額や配偶者控除の適用範囲から除外されてしまう心配がある方は、確定申告を必要としない特定口座(源泉徴収あり)を選ぶことをおすすめします。
特定口座(源泉徴収あり)を選択するデメリット
確定申告が不要となる特定口座(源泉徴収あり)ですが、納税額が大きくなってしまう可能性があります。
一般口座や特定口座(源泉徴収なし)は、株式投資の利益と本業以外の合計所得が20万円未満であれば、確定申告する必要がありません。一方、特定口座(源泉徴収あり)は株式投資の利益が確定した時点で納税されます。
つまり、20万円未満の利益のときに特定口座(源泉徴収あり)を選択すると、納税額が大きくなることになります。少しでも納税額を抑えたいと考えている方は、特定口座(源泉徴収なし)を選択するのも手段の1つです。
特定口座(源泉徴収あり)を選択して確定申告の手間を減らそう
特定口座と一般口座の違いは、株式投資による1年間の利益が計算された「年間取引報告書」の交付の有無です。なるべく手間をかけずに株式投資をしたいのであれば、特定口座(源泉徴収あり)を選択しましょう。
なお、確定申告の手間をかけてでも納税額を抑えたいという方は、特定口座(源泉徴収なし)を選択するのも1つの方法です。証券口座を開設する際は、各口座の特徴を押さえた上で手続きを進めましょう。
出典
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問)より No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人
執筆者:東本隼之
AFP認定者、2級ファイナンシャルプランニング技能士