更新日: 2023.02.08 その他資産運用
個人向け国債。どのような投資商品なの?
執筆者:田久保誠(たくぼ まこと)
田久保誠行政書士事務所代表
CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、特定行政書士、認定経営革新等支援機関、宅地建物取引士、2級知的財産管理技能士、著作権相談員
行政書士生活相談センター等の相談員として、相続などの相談業務や会社設立、許認可・補助金申請業務を中心に活動している。「クライアントと同じ目線で一歩先を行く提案」をモットーにしている。
債券とは
国債、つまり債券とは、国や地方公共団体、企業、団体が資金の借入時に発行する借用証書の1つです。一般的に債券を発行した発行体(国や企業等)は、その債券の購入者に当初決めていた利払日に定期的に利息を支払い、償還日(いわゆる満期日)に額面金額の償還(支払い)を行います。
購入者は、購入した債券はいつでも売買できますが、債券の価格は変動しますので、償還日前に売却すると元本割れのリスクはあります。また、発行体の経営状況によっては、利払いの滞りや償還されない場合もありますので、格付けで発行体の安全性を確認する必要もあります。
さらに、外貨建ての債券の場合は為替のリスクもありますので、仮にその債券の金利が5%でも、それ以上に円高になれば元本割れを起こすことになりますので注意が必要です。
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個人向け国債とは
個人向け国債とは、日本政府が個人向けに販売している国債です。銀行、証券会社等の金融機関で購入できます。利払いは、原則毎年の発行月および発行月の半年後の15日で、利払日が銀行休業日の場合はその翌営業日に支払われます。
個人向け国債は1万円から購入できます。また、発行後1年を経過した時点から1万円単位で途中換金も可能です。最低金利が保証されており、経済環境等によって実勢金利が下落しても年率0.05%が保証されます。
また、
「変動10年」=半年ごとに利率が変わる変動金利型
「固定5年」「固定3年」=満期まで発行時の利率が変わらない固定金利型
以上の3タイプが、毎月発行されています。
上記の3種類の特徴は表1のとおりです。
【表1】
他の投資商品より敷居が低い
個人向け国債は、ローリスクローリターンの商品で、上記のように1万円から購入もでき、元本割れの可能性もありますが中途換金も可能です。また、金利も最低でも0.05%が保証されていますので、初めて投資する方でも比較的安心して購入することができる商品ではないでしょうか。
また、金利の上昇によって令和5年1月10日から1月31日にかけて募集される、個人向け国債の変動金利型10年満期の利子が0.33%で約8年ぶりの高水準、固定金利型5年満期の利子も0.18%で前回を0.07%も上回っています(利率は税引前)。
専用口座を開く際の注意点は
個人向け国債は、他の投資商品より敷居は低い商品といえます。特に少ない金額で、多くの金融機関で購入でき、購入金額も少なくて良いという点も魅力的でしょう。
ただし、個人向け国債を購入する場合は国債専用の口座を開設する必要があり、その際に口座維持手数料が必要となるケースもありますので、購入前に確認することをおすすめします。
出典
財務省 報道発表 個人向け国債の発行条件等(令和5年1月6日)
財務省 教えて!コクサイ先生
財務省 教えて!コクサイ先生 1時限「知る」 個人向け国債ってどんなもの?
執筆者:田久保誠
田久保誠行政書士事務所代表