初心者必見!IPO株の正しい買い方とは
配信日: 2018.06.14 更新日: 2019.03.26
執筆者:マネラボ(まねらぼ)
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IPO株で一儲け?IPOの魅力
「IPOで一攫千金」「IPO株の割当で一儲け」という言葉を聞いたことがある人は多いでしょう。
「IPO」とはInitial Public Offering(新規株式公開)の頭文字の略称で、未上場会社が新たに証券取引所に株式を上場し、証券会社を通じて一般投資家が株式売買が出来るようになることです。
当然ですが、上場していない会社の株式は一般投資家は売買できません。
IPO時の株式投資は、証券会社へのIPO株の申し込みで抽選に当選し、「公開価格」で株式を購入することが出来れば、うまくいけば投資額の数倍という大きなリターンを得られる可能性もあります。
もっとも、抽選に当選することがなかなか難しいのですが・・。
「公開価格」とは何かについては知っておいた方がいいでしょう。
IPO株の大きな特徴は、これまで市場での売買実績がないためIPO時には市場価格がありません。IPOする会社は、主幹事証券会社によって「公開価格」という価格設定がされます。
証券会社がプロの目線から会社の株価を決定するのです。IPOする会社から見ると公募増資の増資価額や既存株主の売り出し価格となります。
投資家は、上場前に証券会社での抽選を通じて「公開価格」でIPO株を取得することが出来ます。
IPO株でよく注目されるのは、「初値」という、上場後に最初に取引価格が決まった株価です。「初値」は「公開価格」を上回ることが多く、2017年では90社のIPOがありましたが、うち82社が「初値」が「公開価格」を上回りました。
「初値」と「公開価格」の比率を初値騰落率と言いますが、2017年の初値騰落率のトップ3はトレードワークスの6.2倍、ヴィスコ・テクノロジーズの3.1倍、ユーザーローカルの4.2倍でした。
「公開価格」で買ったIPO株を初値で売ると何倍にもなったということです。
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IPO株の申込の方法
IPO株は、どこの証券会社でも買えるわけではありません。IPOする会社には株式を引き受ける「幹事証券会社」がおり、「幹事証券会社」に口座開設し、申し込む必要があります。
幹事証券会社以外からの証券会社からはIPO株は買えません。どこが幹事証券会社で、どの証券会社が何株の配分があるか、公開時の放出株数は、目論見書やIPO情報サイト等で分かりますので確認しましょう。
IPOする会社には、メイン担当の「主幹事証券」という証券会社が付いており、「主幹事証券」がIPO株の割り当ての大半を受けていることが多いです。
「主幹事証券」は主に対面の大手証券会社(野村、大和、日興、みずほ)が多く、近年はネット証券であるSBI証券も主幹事業務に力を入れており件数を増やしています。
IPO株の申込は、ブックビルディングという手続きで申込に応募し、抽選で当選した場合には当選後に購入手続きをする必要があります。
ネット証券でしたらネットのクリックで手続き出来ますので、スケジュールを確認しておきましょう。IPO株の抽選は高倍率なのに、運良く当選しても購入手続きをしないと購入が出来なくなってしまいます。
ブックビルディングの申込では仮条件というのがあり、株価が上限から下限の仮レンジで示されています。
仮レンジのいくらで申込をすべきかですが、IPO株の入手が最大の目的の場合は、上限で申し込みましょう。
決定した公開価格より下の価格で申込をしていると抽選から外れてしまいますし、優良なIPO株はまず間違いなく上限で価格決定がされます。
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やりがちな失敗や勘違い
IPO株は対面の大手証券会社では重要な顧客獲得ツールでもありますから、IPO株の投資家への配分ルールは公平ではなく、優良顧客ほど割り当てがされやすくなります。
なので、証券会社へ預け入れている資産が多かったり、取引実績がたくさんあって、担当の営業員から繋ぎ止めておきたい顧客だと認識されているほどIPO株の配分がもらえやすいでしょう。
ネット証券の方が抽選の比率が多いですが、応募が多いので、なかなか当選はしません。幹事証券会社の多くに口座開設して、根気よくブックビルディングへ参加する必要があります。
また、初値騰落率で多くの場合に初値が公開価格を上回ることが多いのは事実ですが、中には初値が公開価格を下回ることも当然ありますし、その後も公開価格を上回ることがないケースもあります。
IPO情報を個別に調べておく必要があります。闇雲にIPO株への申込をして、当選したと思って喜んでいたら、実はみんながあまり良いIPOだと思っていなくて当選倍率が低かったためで上場後に公開価格を上回ることがなかった、ということになって後悔しないよう注意が必要でしょう。
公開直後の株価は安定性に欠け価格変動が非常に大きいので、IPO後に市場で株を買おうとして、見誤ると思わぬ高値掴みになってしまったりすることもあるかもしれません。
一方、長期的には成長企業の絶好の買い時だったということもあるでしょう。
IPOでは新しいビジネスモデルやテクノロジーのある会社も多いので、今後の世の中のトレンドを勉強しながら良い会社を発掘していくと妙味があるのではないかと思います。
TEXT:マネラボ お金と投資の知っトク研究所
伊藤英佑(いとう えいすけ)
伊藤会計事務所代表/早稲田大学政治経済学部卒。早稲田大学大学院ファイナンス研究科修了、AFP(ファイナンシャルプランナー)保有