更新日: 2023.03.19 NISA
つみたてNISAが2024年に改正。今投資しているつみたてNISAにも影響ある?
具体的には、2014年から開始したNISA制度について、2024年から、非課税枠の拡充と制度の恒久化などが計画されています。その中で、つみたてNISAも改正されますので、その内容と改正による影響について確認してみましょう。
>>> 【動画で見る】つみたてNISAが2024年に改正。今投資しているつみたてNISAにも影響ある?
執筆者:堀江佳久(ほりえ よしひさ)
ファイナンシャル・プランナー
中小企業診断士
早稲田大学理工学部卒業。副業OKの会社に勤務する現役の理科系サラリーマン部長。趣味が貯金であり、株・FX・仮想通貨を運用し、毎年利益を上げている。サラリーマンの立場でお金に関することをアドバイスすることをライフワークにしている。
現行NISAと新NISA制度
まず、2022年11月28日に発表された、2024年1月から始まる新NISA制度のポイントを確認してみましょう。
(1)現行制度では、一般NISA(年間投資枠120万円)とつみたてNISA(年間投資枠40万円)の2つがありますが、それが成長投資枠(年間投資枠240万円)とつみたて投資枠(年間投資枠120万円)へ変更となります。
(2)成長投資枠とつみたて投資枠の併用が可能になります(従来は、どちらか一方を選択)。
(3)年間投資上限額が最大360万円に拡大されます。
(4)生涯非課税限度額が最大1800万円となります。
(5)非課税保有期間が無期限になります。
(6)制度が恒久化されます。
つみたてNISAの改定ポイント
そういった改定の中で現行のつみたてNISAは、つみたて投資枠へと変更になり、図表1のように改定されます。
図表1:現行つみたてNISAと改定後のつみたて投資枠の比較表
現行のつみたてNISA | 改正後のつみたて投資枠 | |
---|---|---|
年間投資枠 | 40万円 | 120万円 |
非課税保有期間 | 20年間 | 無期限化 |
非課税投資限度額 | 800万円 | 1800万円 |
口座開設期間 | 20年間(2018年〜2042年) | 恒久化 |
投資対象商品 | 投資信託 | 投資信託 |
対象年齢 | 20歳以上 | 18歳以上 |
(出典:金融庁「新しいNISA」、金融庁「つみたてNISA」を参考に筆者作成)
年間投資枠が40万円から120万円と3倍に拡大され、非課税保有期間が20年間から無期限となります。非課税保有限度額が1800万円となりますが、これは成長投資枠と合わせての金額となり、そのうち成長投資枠は、1200万円が限度額なっています。
口座開設期間は、20年であったものが恒久化されます。これまで、つみたてNISAは2042年まで(新規買い付けは2023年まで)と期間が決められていましたが、その期間が恒久化されます。
対象商品は、これまで同様に指定された投資信託の中から選択しますが、対象年齢が20歳から18歳に引き下げられました。
【PR】SBI証券のNISA(ニーサ)
今投資しているつみたてNISAへの影響
2023年末までに現行のつみたてNISA制度において投資した商品は、新しい制度(つみたて投資枠)の外枠で、現行制度における非課税措置は適用されます。
すなわち、現行のつみたてNISAで投資した商品は、現行の非課税保有期間の20年間が継続適用されることになります。
ただし、現行のつみたてNISA制度の商品を、新しい制度(つみたて投資枠)の商品へロールオーバーすることはできません。つまり、現行保有している商品を、新しい制度(つみたて投資枠)の投資枠に移行できません。
したがって、2023年末までに、現行の一般NISAおよびつみたてNISAで運用していた商品は、新制度の外枠で、現行制度の非課税措置の適用を受けることになります。
以上のことに留意し、つみたてNISAを上手に活用して資産運用をしていきましょう。
出典
金融庁 新しいNISA
金融庁 つみたてNISAの概要
執筆者:堀江佳久
ファイナンシャル・プランナー