2024年から始まる「新NISA」!現役FPはどのように利用する?
配信日: 2023.06.23
執筆者:柘植輝(つげ ひかる)
行政書士
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。
目次
簡単な新NISAの概要
2024年から始まる新NISAは、従来のつみたてNISAと一般NISAが併用できるようになり、非課税で投資できる上限額が大きくなったものです。
具体的には、従来のつみたてNISAに相当するつみたて投資枠では、投資信託を中心に一定の安全性の高い金融商品に年間120万円まで投資できます。一般NISAに相当する成長投資枠では、つみたてNISAで選択できる投資信託以外に加えて株式やETFなど幅広い金融商品に年間240万円まで投資できます。
年間の投資上限額は、上記2枠を合わせて360万円までです。非課税の限度額は累計で1800万円となっており、最短5年で非課税枠を埋めることができます。
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上限額まで一括投資を繰り返して最短で非課税投資枠を使い切るのが理想
先に結論から述べてしまえば、FPである筆者が運用するとしたら、毎年可能な限り一括投資を繰り返して1800万円の非課税累計額を最短で埋めます。理想としては毎年360万円ずつ、5年間で1800万円の枠組みを使い切る感じです。
そして、途中で売却せず10年、20年、30年と長期保有をします。そうすることで20年後、30年後は高い確率で投資時よりも高い金額に資産が膨れ上がっているはずです。
投資する銘柄は、手数料などが安く、日本を除く全世界の株式に満遍なく投資ができる「eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)」または「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」です。
投資信託を通じた投資は、短期的に見れば上がり下がりはありますが、資本主義社会が成長するとともに、長期的には右肩上がりで資産を増やすことができます。有史以来、リーマンショックやITバブル崩壊、さまざまな恐慌が世界を襲いましたが、どんなケースでも数年程度で株価は回復します。
実際、近年人気の米国市場はここ30年で数々の恐慌を乗り越え、13倍にまで株価は上がっています。(NYダウの場合)
また、投資信託へ投資をすると、そこから配当を得ることができます。配当をさらに投資に回すことでその配当が元本となり、いわば利息が利息を生むような感覚で雪だるま式に資産を増やすことができます。
右肩上がりに株式市場が成長している点や複利効果を考えると、一時的な株価の下落や上昇を気にするより、投資のタイミングは常に今だと考えて、思い切って一括投資をしてしまってもいいのです。
どのみち、15年、20年とたてば今より株価は上がるのですから、その間配当を得て複利の効果で資産を増やすためにも、できるだけ早く投資した方が資産を増やすことができます。
参考までに、360万円のお金を一括投資し年5%で10年運用すると資産の額は586万4000円になります。一方で、360万円のお金を毎月3万円ずつ、年5%で積み立てする形で10年運用して360万円を運用すると、資産の額は463万1000円となります(野村証券/マネーシミュレーター「みらい電卓」~積立編を利用)。
なお、近年は米国株への投資がはやっています。米国株投資における代表的な銘柄「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」に投資するのも悪い選択肢ではありませんが、筆者としては、米国一国集中によるリスクを避けるため、全世界株式を推しています。
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つみたてNISAのようにコツコツ投資していくのもあり
株価の推移に一喜一憂してしまうという方は無理に一括投資せず、毎月少額ずつコツコツ投資していくのも悪くはありません。そうすることで、無理なく、かつ、株式市場の成長に合わせて資産を増やすことができます。
分かっていたとしても、株価が下がると「本当に大丈夫か」とソワソワしてしまい、下がったタイミングで売却してしまい、結果的に損をしてしまう方は一定数、存在しています。それを防げるのであれば一括ではなく、つみたて投資も悪い方法ではありません。
新NISAは自分が無理なく安心して続けられる投資法を選ぶべき
新NISAは、一括投資か、分割してつみたて投資か、意見が分かれるところです。効率よく資産形成をするという観点からは一括投資が望ましいでしょう。
しかし、投資には元本割れのリスクが伴います。恐慌などで株価下落時の元本割れに耐えきれず売却してしまうという心理的リスクも踏まえると、コツコツ投資していくのも悪い手ではありません。
もし、迷っているのであれば長期保有を前提に一括投資を基本にしつつも、不安があれば少額ずつコツコツ投資をしていってください。そうすることで新NISAを活用して効率よく資産形成ができるはずです。
出典
野村証券のマネーシミュレーター 「みらい電卓」~積立編を利用
執筆者:柘植輝
行政書士