更新日: 2019.08.07 その他資産運用

インデクス積立投信。教科書通りに「日本株、外国株、外国債券、日本債券を25%ずつ配分」のままでいい?

インデクス積立投信。教科書通りに「日本株、外国株、外国債券、日本債券を25%ずつ配分」のままでいい?
はじめて投資をされる方には、筆者は「個別株よりもインデクス投資」をお勧めしています。米国で著名な投資家ウォーレンバフェット氏が、自分がいなくなったら、自分の資産の90%はインデクス運用で回すように、と妻に語ったというエピソードが日本の新聞にも取り上げられていましたが、料理で言えば「幕の内弁当」に相当する「インデクス投信」は筆者もベストチョイスだと思っています。今回はそこを少し確認したいと思います。
柴沼直美

執筆者:柴沼直美(しばぬま なおみ)

CFP(R)認定者

大学を卒業後、保険営業に従事したのち渡米。MBAを修得後、外資系金融機関にて企業分析・運用に従事。出産・介護を機に現職。3人の子育てから教育費の捻出・方法・留学まで助言経験豊富。老後問題では、成年後見人・介護施設選び・相続発生時の手続きについてもアドバイス経験多数。現在は、FP業務と教育機関での講師業を行う。2017年6月より2018年5月まで日本FP協会広報スタッフ
http://www.caripri.com

積立投信で投資の基本原則「分散投資」が簡単に実現できる

一番の理由は、投資の基本原則である「分散投資」を自動的に実行できる点です。投資は何より「資産・通貨・時間」を分散させて、1つの資産や1通貨に何かが起こっても、あるいは、ある特定の時期に「大きな相場変動を伴うイベント」が起こっても、大きく損失を被ることなく収益を積み上げていくものです。
 
そのためにこの3方向での分散を鉄則として行動しなければなりませんが、これをすべて1つずつ皆さんが行うことは現実的ではありません。みなさんが投資に割ける時間は限られていますし、仮に朝から晩まで時間を使うことができたとしても、その何種類もの資産の値動きを追いかけるための情報源などの確保も難しいです。
 
そのために、専門家の力を借りて分散投資を行うわけです。投資信託は購入時の手数料と同様、保有している限り少しずつ差し引かれていきます。一方、皆さんが自分で株式や債券を購入する場合、かかる費用というのは購入時或いは売却時の手数料だけで保有中の手数料はかかりません。
 
さらに最近はネットで取引をすると購入時や売却時手数料もかからない、または窓口であってもキャッシュバックキャンペーンという名のもと実質無料というケースも見られます。
 

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日々控除される手数料(信託報酬)

こういった例を目にすると、どうしても「自分でやったほうが得だ」と思われるかもしれませんが、柔軟に調整を行っていくことはとても難しいですし、ちょっと目を離したすきに思わぬ値動きが皆さんの資産全体を棄損することも起こりえます。
 
これに対して、実際日々控除される手数料(信託報酬)は具体的にどのくらいか金額でご紹介しましょう。例えば、年間の信託報酬が2%だったとします。この場合、1日あたり0.0055%、100万円だとすれば55円が天引きされるとお考え下さい。
 
その手数料を払って幕の内弁当にするか、55円でも天引きされるのがいやだから、自分でやるのかは最終的に皆さんのお考え次第ですが、実際に運用を経験した筆者の立場から言わせてもらえば、迷わず手数料を払ってでもプロに任せる方を選択します。その理由はズバリ、自分ですべてをコントロールするのがいかに難しいか、をさんざん経験したからです。
 

杓子定規に4分の1ずつ保有しても自動的にウエイトは動く

教科書的に、国内株:外国株:国内債券:外国債券を4分の1ずつというのがまさに「分散投資第1章」ということになりますが、当然このような杓子定規な保有の仕方に疑問を持たれることでしょう。ですが、実は心配する必要はなく、放っておいてもウエイトは動いていきます。
 
例えば、相場環境が非常にいい時、企業は儲かっていきますので、そこを期待して株価は上昇基調になります。そういう場面では、最初に25万円ずつ投資していたとすると、国内株や外国株は26万円、27万円と上昇していきます。
 
一方で、同じ25万円投資していた債券は売られていくことによって債券価額は24万、23万という風に下落していきます。1か月たったころには、何もしなくても結果的に比率は国内株:外国株:国内債券:外国債券=26万円:27万円:24万円:23万円という感じで変化していきます。
 
したがってそれをそのまま放っておくと、いつかは「株が割高」という状況になって相場の動きが反転することになりますから、皆さんの意思とは反対に「まだ株は上昇するかもしれない」と思いつつ、ウエイトを落とすという調整をしてその時(相場の反転期)に備えればいいのです。
 
これをリバランスといいますが、このちょっとした調整を行えば、安定的にストレスなく収益を積み上げていくことができます。
 

運用にとって一番の障害である人間の欲をインデクスファンドで排除する

このような機械的なリバランスを繰り返すことが、理想のインデクス運用でそれほど手数料もかからないし、頭を悩ませる必要はありません。
 
「でも、もっと上がるかもしれない」「まだ収益の上乗せが期待できるかもしれない」と感じると思います。投資の世界の格言に「まだはもうなり」「もうはまだなり」というのがありますが、おいしいラーメンのスープの最後の1滴まで飲み干すのではなく、「もうちょっと食べたい」と思うところで制御できない、人間の欲というのが実は運用にとって一番の障害だと筆者の経験から言わせていただきたいと思います。
 

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