更新日: 2019.01.10 NISA

NISAとつみたてNISAは何が違う?選ぶときのポイントとは

執筆者 : 高橋庸夫

NISAとつみたてNISAは何が違う?選ぶときのポイントとは
NISA(少額投資非課税制度)が2014年にスタートしてから早4年半が過ぎました。
 
今まで投資経験がなくても、NISA(ニーサ)という言葉を耳にしたことがある方は多いのではないでしょうか。
 

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高橋庸夫

Text:高橋庸夫(たかはし つねお)

ファイナンシャル・プランナー

住宅ローンアドバイザー ,宅地建物取引士, マンション管理士, 防災士
サラリーマン生活24年、その間10回以上の転勤を経験し、全国各所に居住。早期退職後は、新たな知識習得に貪欲に努めるとともに、自らが経験した「サラリーマンの退職、住宅ローン、子育て教育、資産運用」などの実体験をベースとして、個別相談、セミナー講師など精力的に活動。また、マンション管理士として管理組合運営や役員やマンション居住者への支援を実施。妻と長女と犬1匹。

40歳代以下はつみたてNISA 、50歳代以上は一般NISAが多い

利用したことがない方に簡単にご説明しますと、NISAとは株式や投資信託などの金融商品への投資によって得られる収益が非課税となる制度です。
 
金融庁は「貯蓄から資産形成へ」というスローガンのもと、NISAを家計の安定的な資産形成を支援する制度として位置づけています。
 
つみたてNISAは、少額からの長期・積立・分散投資を支援するための非課税制度として、2018年1月にスタートしています。
 
このとき、つみたてNISAとの区別を明確にするため、従来からのNISAは、「一般NISA」と呼ばれるようになりました。
 
こうして非課税で投資できる制度が拡充されましたが、一般NISAとつみたてNISAはいずれかの選択となり、両者を併用することはできません。したがって、2017年までに一般NISAの口座を開設していた人がつみたてNISAを利用する場合は、口座の切替えが必要になります。
 
金融庁が世代別に比較した調査によると、一般NISAは50歳代以上が約7割、つみたてNISAは20歳代~40歳代が約7割と、利用する年代の差が明確に表れています。その要因の1つとして、非課税期間の長さの違いが考えられます。
 
一般NISAとつみたてNISAは、非課税で投資できる点は共通していますが、非課税枠と期間が異なります。非課税枠は、一般NISAでは年120万円、つみたてNISAでは年40万円と年間では3倍もの差があります。
 
ただし、一般NISAを利用できるのは2014年から2023年で、非課税期間は5年間で最大600万円、つみたてNISAを利用できるのは2018年から2037年の20年間であるため、最大で800万円です。トータルではつみたてNISAの方が多くなります。
 

大きな違いは運用商品と購入のタイミング

非課税枠と期間は制度そのもの、いわばハコの違いですが、大きく異なるのは運用商品という中身です。
 
一般NISAでは、個別の上場株式に投資できますし、投資信託も多くのファンドの中から選んで購入することができますが、つみたてNISAでは、投資信託等のうち金融庁が提示する次の要件を満たしたものしか購入することができません。
 

長期の積立・分散投資に適した一定の投資信託
○例えば公募株式投資信託の場合、以下の要件をすべて満たすもの
・販売手数料はゼロ(ノーロード)
・信託報酬は一定水準以下(例:国内株のインデックス投信の場合0.5%以下)に限定
・顧客一人ひとりに対して、その顧客が過去1年間に負担した信託報酬の概算金額を通知すること
・信託契約期間が無期限または20年以上であること
・分配頻度が毎月でないこと
・ヘッジ目的の場合等を除き、デリバティブ取引による運用を行っていないこと
※金融庁ホームページ『つみたてNISAの概要』より抜粋

 
さらに、一般NISAの場合は、年間120万円以内であればいつでも自由に購入できるので、安い時期を見計らってまとめて買うことも、何回かに分けて買うことも可能です。
 
一方、つみたてNISAの場合は、基本的に毎月一定の日(制度上は年1回、半年に1回、ボーナス月に増額なども可能)に一定の金額で購入することになるため、買うタイミングを計ることはできません。
 

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つみたてNISAは金融機関選びが重要

一般NISAとつみたてNISAのどちらを選べばよいかは、投資対象先、投資資金の性格、投資経験で考えるとよいでしょう。まず、つみたてNISAは株式投資に利用できないので、投資信託で利用する場合は、それぞれの使い勝手の違いがポイントとなります。
 
投資信託については、2018年6月末現在、公募株式投資信託の数が6037本あり、ほかにETFも180本ありますが、このうち、つみたてNISAの対象商品は、2018年7月20日現在で155本(内、ETF3本)と厳選されています。
 
しかも、日経平均株価や東証株価指数(TOPIX)など同種の株価指数に連動するタイプのインデックス型が多くあり、一般NISAに比べて選択の幅が狭くなります。
 
一般NISAも金融機関ごとに取り扱う投資信託に違いはありますが、つみたてNISAの場合、そもそも金融機関によって取り扱う姿勢に温度差がありますので、一般NISAよりも金融機関選びが重要になってきます。
 
また、ETFは投資信託に分類されますが、いろいろなタイプのものが取引所に上場されています。基本的にどの証券会社でも購入できますので、ETFを主体に運用したい場合は、一般NISAが向いています。
 

フレキシブルな一般NISAか、コツコツとつみたてNISAか

一般NISAもつみたてNISAも、長期的な資産形成が目的であることに変わりはありませんが、そのプロセスが異なります。
 
一般NISAは投資対象が広く運用の自由度も高いため、ある程度の投資経験があって市場環境の変動にフレキシブルな対応ができる人に向いています。
 
購入した投資信託の価値(基準価額)が予想以上に上がり、利益を確定したい場合や、逆に下がってしまい当面は回復の見込みがないと判断した場合は、非課税枠内であれば他の投資信託への乗換えも可能です。
 
一方、つみたてNISAはコツコツ資産形成をしたい人に向いています。つみたてNISAは、一定の金額で買える口数だけ買うという「定額買付」による方法なので、積立を始めた投資信託の基準価額が下がった場合は口数が多く買えます。
 
したがって、20年という長い非課税期間を味方につけ、低迷している間に積み上がった口数で回復を待てばよいわけです。逆に、予想以上に価値が上がった場合は、買付を止めて新たに他の投資信託で積立を始めることもできます。
 
このように、一般NISAとつみたてNISAは特徴が異なり、どちらを選べばよいか迷うこともあることでしょう。
 
投資信託であっても投資対象先や投資時期を自分のタイミングで決めて運用したい人には、一般NISAをおすすめします。一方、投資経験が浅い人や長期的にコツコツと資産を形成したい人には、つみたてNISAをおすすめします。
 
どちらを選んでも、途中から年単位で変更することは可能です。まずは始めてみてはいかがでしょうか。
 
Text:高橋 庸夫(たかはし つねお)
ファイナンシャル・プランナー,住宅ローンアドバイザー ,宅地建物取引士, マンション管理士, 防災士