チャート テクニカル分析
配信日: 2023.10.18
この記事では、テクニカル分析の手法の内容と機能について説明したいと思います。
執筆者:浦上登(うらかみ のぼる)
サマーアロー・コンサルティング代表 CFP ファイナンシャルプランナー
東京の築地生まれ。魚市場や築地本願寺のある下町で育つ。
現在、サマーアロー・コンサルティングの代表。
ファイナンシャル・プランナーの上位資格であるCFP(日本FP協会認定)を最速で取得。証券外務員第一種(日本証券業協会認定)。
FPとしてのアドバイスの範囲は、住宅購入、子供の教育費などのライフプラン全般、定年後の働き方や年金・資産運用・相続などの老後対策等、幅広い分野をカバーし、これから人生の礎を築いていく若い人とともに、同年代の高齢者層から絶大な信頼を集めている。
2023年7月PHP研究所より「70歳の現役FPが教える60歳からの「働き方」と「お金」の正解」を出版し、好評販売中。
現在、出版を記念して、サマーアロー・コンサルティングHPで無料FP相談を受け付け中。
早稲田大学卒業後、大手重工業メーカーに勤務、海外向けプラント輸出ビジネスに携わる。今までに訪れた国は35か国を超え、海外の話題にも明るい。
サマーアロー・コンサルティングHPアドレス:https://briansummer.wixsite.com/summerarrow
テクニカル分析の種類とその内容
それぞれの手法のイメージが分かる図を後掲していますので、ご参照ください。
(1)トレンドライン
トレンドラインは価格の方向性を示すために使用される線です。
トレンドラインは、価格の上昇傾向(上昇トレンド)や下降傾向(下降トレンド)を示すために、価格チャート上の高値や安値を結ぶ直線です。上昇トレンドでは、トレンドラインは価格の下降に対するサポート(下値支持線)として機能することがあります。一方、下降トレンドでは、トレンドラインは価格の上昇に対するレジスタンス(上値抵抗線)となることがあります。
図1では上昇傾向の場合のトレンドラインを表示しています。
高値と安値を結ぶ2つのトレンドラインがちょうど帯のようになり、チャート上の価格の動きがほぼ2つのトレンドラインの内側に入っていることが分かります。
図1 チャート分析に使うテクニカル指標
※筆者作成
(2)サポート・レジスタンスレベル
サポート・レジスタンスレベルは、価格が上昇または下降する際に特定のレベルで価格が停止する傾向がある水準をいいます。サポートレベルは価格下落が停止して反発する水準を指し、レジスタンスレベルは価格上昇が停止して下降する水準を指します。
これらのレベルは過去の価格データから見つけられ、トレーダーはこれらを使用して投資開始時点や利益確定ポイントを特定することがあります。
図1の上の直線がレジスタンスレベルを示し、下の直線がサポートレベルを示しています。チャート上の価格はしばらくそのレベルにとどまりますが、レジスタンスレベルを超えて上昇した時点が上昇トレンドの始まりで、投資開始時点となります。
(3)ヘッドアンドショルダー
ヘッドアンドショルダーは、トレンドの反転パターンとして知られているチャートの形状です。ヘッドアンドショルダーパターンは、上昇トレンドの終わりや下降トレンドの反転を示すことがあります。このパターンは、頭(ヘッド)と両側の肩(ショルダー)の形状から名前がついています。
上昇トレンドの場合、価格は最初に上昇し、その後一時的に下落して左の肩を形成します。その後、価格は再び上昇・下落し、頭(ヘッド)を形成します。最後に、価格が再び上昇・下落し、右の肩を形成します。このパターンの確認後、価格がネックライン(左肩と頭部の間の水平ライン)を下回ることで、トレンドの反転が示唆されます。
図1で示したヘッドアンドショルダーは上昇トレンドの終わりを示すものです。右側の肩から下落したときが下降トレンドの始まりで、価格は急落しました。
(4)移動平均線(Moving Average line)
移動平均線(Moving Average line)は、一定期間の価格の平均値を表示するために使用されるテクニカル指標です。価格の変動を滑らかに表示し、トレンドの方向性やサポート・レジスタンスレベルを判断するのに役立ちます。
例えば、単純移動平均線(SMA)は、一定期間の価格を合計し、期間で割ることで算出されます。指数移動平均線(EMA)は、最近の価格により高い重みを与え、より早く反応する傾向があります。
移動平均線は価格の上昇、下落の傾向を曲線で示すため、上昇・下降の際のサポート・レジスタンスレベルの判定に役立ちます。
図1で見られるように、移動平均線は価格の上昇・下落の傾向をより滑らかに表していることが分かります。
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まとめ
上記のようなテクニカル分析の指標は、チャート上の価格変動の可能性を判断するために役立ちますが、絶対的な指標ではないことを念頭に置いて活用すべきものともいえます。
執筆者:浦上登
サマーアロー・コンサルティング代表 CFP ファイナンシャルプランナー