更新日: 2024.01.13 その他資産運用
iDeCoやつみたてNISAなどは「ほったらかし投資」だと聞きますが、本当に放っておいていいのでしょうか?
手間や時間をかけずに、長期で運用することを最近では「ほったらかし投資」などともいいますが、こうした運用をするのに有効な制度であると考えられます。しかも、税制面で優遇が受けられることもあり有利に運用できます。
今回は、この2つの制度を確認し、「ほったらかし投資」をするための留意点について解説したいと思います。
執筆者:堀江佳久(ほりえ よしひさ)
ファイナンシャル・プランナー
中小企業診断士
早稲田大学理工学部卒業。副業OKの会社に勤務する現役の理科系サラリーマン部長。趣味が貯金であり、株・FX・仮想通貨を運用し、毎年利益を上げている。サラリーマンの立場でお金に関することをアドバイスすることをライフワークにしている。
iDeCoとは?
自分で決めた掛け金を積み立て、運営管理機関が選定・提示する運用商品(投資信託、保険商品、預貯金等)の中から、自分で選んで運用し、60歳以降に受け取ることができる私的年金制度です。
したがって60歳になるまで、原則として資産を引き出すことはできないので留意が必要です。
年金額は、掛け金とその運用益の合計額をベースに決まりますが、税制面での優遇としては、掛け金が全額所得控除となり、運用益も全額非課税となることがあげられます。
さらに、年金として受給する場合には、公的年金等控除を受けることができ、一時金として受給する場合は、退職所得控除を受けることができます。
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つみたてNISAとは?
「つみたてNISAとは、特に少額からの長期・積立・分散投資を支援するための非課税制度です」と金融庁のホームページに記載されているとおり、運用の王道である「長期・積立・分散」投資を日本政府が後押しする制度であるといえます。
2024年1月から制度が改正となり、年間投資枠が、40万円から120万円に3倍に拡大され、非課税保有期間が20年間から無期限となります。
つまり、本制度を利用して各年に購入した投資信託から、保有している間に得た分配金と、値上がりした後に売却して得た利益(譲渡益)については、非課税保有限度額内(成長枠投資と合算で1800万円、成長投資枠は1200万円を上限とします)であれば無期限に課税されることがなくなります。
ただし、従来のつみたてNISA制度で保有していた商品は、ロールオーバーができません。つまり、新NISA制度に移管ができないので留意が必要です。
「ほったらかし投資」のための留意点
iDeCoとつみたてNISAは、いずれも積立であり、投資信託というリスク分散された商品を対象に投資するものです。
そして、長期保有して「ほったらかし投資」とするためには、投資する商品である投資信託(ファンド)の運用方針を理解しておくことが重要です。
その運用方針には大きく市場全体の動きを表す代表的な指数に連動した成果を目指す投資信託である「インデックスファンド」と、あらかじめ決められた運用方針のもとで、運用担当者(ファンド・マネージャー)が、投資する企業やその投資割合などを決定し運用する「アクティブファンド」へ投資する2つの方法があります。
(1)インデックスファンド
インデックスファンドは、株や債券などの指標(インデックス)と同じような値動きを目指す投資信託です。
たとえば、TOPIX(東証株価指数)に連動する投資信託や米国のS&P500に連動した投資信託、そして全世界の株式指数に連動した世界株式インデックスなどがあり、これらに投資すれば、十分にリスクを分散できます。
(2)アクティブファンド
アクティブファンドは、指標を上回ることを目指す投資信託です。TOPIXを指標としている投資信託であれば、TOPIX以上の利益を得ることを目指して投資を行います。
したがって、インデックスファンドに比べてハイリスク・ハイリターンになる傾向があります。また、インデックスファンドに比べて、ファンド・マネージャーと呼ばれるプロが運用するので手数料が高くなります。
これまで見てきたように、ほったらかし投資をするためには、自分のリスク許容度等を考えて、インデックスファンドとアクティブファンドの違いを十分理解して、投資する商品を選定することが重要です。そして、その違いを理解したら、値動きの変動に一喜一憂しないようにしましょう。
出典
厚生労働省 iDeCoの概要/1.iDeCo(個人型確定拠出年金)とは
金融庁 新しいNISA
金融庁 つみたてNISAの概要
執筆者:堀江佳久
ファイナンシャル・プランナー