【初めての方向け】信用取引から口座開設まで仕組みを徹底解説

配信日: 2024.01.24 更新日: 2024.01.30

この記事は約 15 分で読めます。
【初めての方向け】信用取引から口座開設まで仕組みを徹底解説
「信用取引を初心者がおこなうには何をしたらいいの?」、「信用取引とはどのような取引なの?」といったように、信用取引をおこないたいと思う人は多くいるものの、信用取引が何なのか、どのように信用取引を開始したらよいのかわからない人も多くいることでしょう。
 
しかし、信用取引の内容や開始する方法は、簡単に理解することが可能です。
 
本記事では、信用取引とは何か、信用取引口座の開設方法、メリット・デメリットを解説していきますので、信用取引を始めようとしている人はぜひ参考にしてください。
 

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信用取引とは?

信用取引とは、現金や株式を証券会社に預けることにより、証券会社からお金を借りて株式を購入したり、株式を借りて売却したりできる取引です。
 
信用取引では預ける現金の額や株式の評価額よりも大きな額を借りられるため、少ない資金で大きな取引をおこなえます。
 
借りた現金や株式は売却してもよいですし、同じ銘柄の株式を購入して増やしても構いません。利益を上げるための最良だと思われる方法で株式を売買し、利益を上げていくことが可能です。
 

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信用取引における売買の仕組み

信用取引における売買の仕組みは、次の2つです。
 
・買建(信用買い)
・売建(信用売り)
 
信用取引を開始するにあたり、信用取引における売買の仕組みは基礎知識として理解しておく必要があります。売買の仕組みを理解すれば、信用取引で利益を上げる方法、損失を抑える方法も把握できます。
 

買建(信用買い)

買建(信用買い)とは、「保証金を担保にして証券会社からお金を借り、株式を購入すること」です。
 
株式を証券会社から借りたお金で購入し、購入したときの価格よりも高い値段になったときに株式を売却します。株式を購入したときと、売却したときの金額差を利用して利益を上げます。
 
例えば、証券会社から借りた100万円で株式を購入し、その株式が110万円まで値上がりしたときに売却すれば10万円の差益が生まれるわけです。そして、売却で得た110万円から証券会社より借りた100万円を差し引きします。残った10万円が収益となり、10万円から手数料や貸し付けの金利分、諸費用などを差し引いた金額が手元に残る金額となります。
 

売建(信用売り)

売建(信用売り)とは、「保証金を担保として証券会社から株式を借り、借りた株式を売却すること」です。
 
例えば、証券会社から100万円の評価額の株式を借りて売却した後、その株式が90万円まで値下がりしたとします。手元には株式を売却して得た100万円があるため、その100万円で値下がりした株式を90万円で購入します。
 
証券会社へは借りた株式と同銘柄を同数返済すればよいため、手元に10万円残るわけです。そして、残った10万円から手数料や貸し付けの金利分、諸費用などを差し引いた金額が手元に残る金額となります。
 

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信用取引口座の開設から取引開始までの3ステップ

信用取引の基礎知識がわかったところで、次は信用取引を始めるために必要な口座開設までの流れを解説していきます。
 
信用取引口座を開設するには、次の3ステップをおこなう必要があります。

●STEP1.信用取引口座開設の申し込みをする
 
●STEP2.信用取引口座開設の審査がおこなわれる
 
●STEP3.信用取引口座が開設されたら保証金を入金する

信用取引をおこなうにはまず口座を開設しなければなりません。信用取引口座を開設する手続きは3つしかありませんが、開設の審査もあるためどのような内容が調査されるのか理解しておきましょう。
 

STEP1.信用取引口座開設の申し込みをする

信用取引をおこなうには、まず信用取引口座開設の申し込みをします。
 
信用取引口座開設の申し込み自体は、証券会社のホームページから簡単に手続きできます。しかし、信用取引口座を開設するときには、証券会社を選択しなければなりません。
 
選択する証券会社によって信用取引で選択できる銘柄、取引の手数料が変わるため慎重に選択する必要があります。
 
また、信用取引の初心者の場合、信用取引に関する分析・情報ツールが整っている証券会社を選ぶことも大切です。信用取引で利益を上げるには市場の分析が必要になるものの、初心者にはなかなか判断できないため、さまざまなツールを用意している証券会社を選びましょう。
 

STEP2.信用取引口座開設の審査がおこなわれる

信用取引口座開設の申し込みをすると、口座開設のための審査がおこなわれます。
 
審査項目は証券会社により異なりますが、例えば、楽天証券では次の項目が審査されます。
 
図表1

●楽天証券の総合取引口座または法人口座を開設している
 
●インターネットを利用できる環境にある(仲介業者経由の方を除く)
 
●自身のメールアドレスをもっている
 
●登録の電話番号に間違いがなく、常時連絡をとることができる
 
●他社を含め、信用取引あるいは一定の現物株式取引の投資経験がある
 
●金融資産が100万円以上ある
 
●年齢が80歳未満である

楽天証券「信用取引をはじめるには」を基に作成
 
上記のように信用取引口座を開設するには、多くの項目が審査されます。審査の過程で電話の聞き取り調査が必要と判断されるケースもあります。
 
信用取引口座の開設には時間がかかり、おおよそ申し込みから1営業日~3営業日程度必要です。申し込み当日に取引を開始できないケースが多いため、早めに口座だけでも開設しておくとよいでしょう。
 

STEP3.信用取引口座が開設されたら保証金を入金する

信用取引口座が開設されたら、口座に保証金を振り替えます。
 
信用取引をするには現金を保証金として証券会社に預け入れするか、株式を証券会社に預け入れしなければなりません。そのため、現金を保証金として取引を開始する場合、信用取引口座に保証金としての現金を入金します。
 
なお、証券会社によっては保証金の最低金額を設定しているケースがあります。例えば、楽天証券では口座に30万円以上入金されていないと、信用取引をおこなうことはできません。
 

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口座開設して信用取引するメリット

口座を開設して信用取引することには、次のようなメリットがあります。

●レバレッジ効果を生かせる
 
●同じ銘柄を何度でも取引できる
 
●株価が下落する局面からでも利益を出せる
 
●優待クロス取引でリスクを抑えられる
 
●ヘッジ売りで損失を回避できる

信用取引には多くのメリットがあるため、どのようなメリットがあるのか理解し利益を最大化できるようにしておきましょう。
 

レバレッジ効果を生かせる

信用取引では、レバレッジ効果を生かした取引をおこなえます。
 
レバレッジとは「てこの原理」のことです。信用取引では、最大で保証金の約3.3倍までの現金や株式を借りられますが、この少ない自己資本で大きな取引ができることをレバレッジといいます。
 
例えば、100万円の保証金を証券会社に預け入れた場合、最大で約330万円分の現金か株式を借りることが可能です。現物取引である場合は自己資金に応じた金額までしか購入できませんが、信用取引では自己資金よりも高い株式だとしても購入できるため、チャンスを逃すことなく取引できます。
 

同じ銘柄を何度でも取引できる

信用取引は現物取引と違い、同じ銘柄を1日に何度でも取引できます。
 
同じ銘柄を1日に何度も取引できるのは、差金決済することが可能だからです。差金決済とは、現物の株式の受け渡しをおこなわず、売買した差額のみを決済することです。現物取引の場合は一度、現物の受け渡しをおこなわなければならないため、差額だけの決済はおこなえません。
 
差額決済ができることにより、1日の株価の増減に対応でき、利益を上げやすくなります。
 

株価が下落する局面からでも利益を出せる

信用取引では、株価が下落する局面からでも利益を上げることが可能です。
 
株式を保有していなくても、証券会社から株を借りて株価を売り、売却したときよりも安く株価が購入できるようになったら買い戻しをします。このような取引をすれば、売却したときと買い戻したときの差額が利益になります。
 
相場の環境が悪化したときにも利益が上げられるため、信用取引はいつ取引を開始しても利益を上げるチャンスがある取引です。
 

優待クロス取引でリスクを抑えられる

優待クロス取引とは株主優待を目的とした取引で、同じ銘柄を同じ株数で、現物株式の買いと信用取引の売建を同時におこなう取引です。
 
同じ銘柄を同じ株数で現物株式の買いと、信用取引の売建を同時におこなうと株価変動によるリスクが抑えられます。
株価変動によるリスクが抑えられる仕組みは、図表2を見ればわかります。
 
図表2

  株価10万円 株価が11万円に上昇 株価が9万円に下落
現物買 10万円 1万円の利益 1万円の損失
信用売 10万円 1万円の損失 1万円の利益
損益額 0円 0円

筆者作成
 
図表2のように優待クロス取引をおこなうと、損益額が出にくくなります。優待クロス取引で取得した株式を権利付最終日まで保有していれば、株主優待を受けることが可能です。
 

ヘッジ売りで損失を回避できる

現物の株式を保有している場合は、ヘッジ売りで損失を回避することが可能です。
 
ヘッジ売りとは、株価が下落局面にある場合、現物株式の株価下落を信用取引の売建で補う方法です。
 
例えば、現物の株式が100万円から80万円に下落した場合、20万円の損失を負ってしまいます。しかし、信用取引で100万円の株式を売却し、80万円で買い戻せば20万円の利益を得ることができ、現物株式の株価下落を補うことが可能です。
 
仮に予想に反して株価が上昇してしまった場合でも、現物の株式、信用取引で得た株式を品渡しすることで利益を得られます。
 

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口座開設して信用取引するデメリット・リスク

口座を開設して信用取引するメリットは多いものの、デメリットもあります。
 
信用取引するときのデメリットは、次のとおりです。

●レバレッジにより大きな損失が出る恐れもある
 
●追証が発生するケースもある
 
●保証金を用意する必要がある

信用取引するときにはメリットだけでなくデメリットにも目を向け、取引のリスクを抑えるように努めていきましょう。
 

レバレッジにより大きな損失が出る恐れもある

信用取引ではレバレッジにより、大きな損失が出てしまう恐れもあります。
 
レバレッジは少ない自己資金で多額の取引ができるため、大きな利益を上げられるメリットがあります。しかし、レバレッジは大きな利益だけでなく、大きな損失も生むため注意しなければなりません。
 
現物の株式を取引する場合、仮に株価が半額になったとしても損失は株価が下がった分だけで済み、負債ができることはありません。しかし、自己資金50万円で信用取引にて150万円の株式を購入後、半額の75万円になった場合、自己資金を超える損失を負うことになってしまいます。
 
レバレッジによるリスクを減らすには、レバレッジのかけ方を調整して取引するのがよいでしょう。
 

追証が発生するケースもある

信用取引での損失が大きくなってくると、追証をしなければいけなくなります。
 
追証とは、証券会社ごとに決められた保証金維持率を割り込んだときに、追加で保証金を差し入れなければならなくなることです。追証ができない場合は、取引を強制的に終わらせられたり、発生した負債を返済しなければならなくなったりします。
 
追証が発生する前にロスカット(損切り)するラインを決めておき、証券会社の設定する保証金維持率を割り込む前に取引を中止することが大切です。
 

保証金を用意する必要がある

信用取引をおこなうときには、保証金を用意しなければなりません。
 
保証金がなければ信用取引をおこなうことはできず、取引金額に応じた自己資金を用意する必要があります。また、証券会社によっては信用取引ができる最低限の保証金が決められているケースもあり、最低限の保証金を用意できなければ信用取引自体できません。
 
信用取引のリスクを抑えるには余裕をもった保証金が必要になるため、最低限の保証金くらいしか用意できない場合は、信用取引するのはやめておいたほうがよいと考えておきましょう。
 

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口座開設から信用取引するのにかかるコスト

口座開設から信用取引をするには、次のようなコストがかかります。

●信用取引金利
 
●貸株料
 
●名義書換料
 
●品貸料
 
●信用管理費

信用取引をおこなうときにはさまざまなコストがかかるため、どの費用がいくらかかるのか理解しておきましょう。
 

信用取引金利

信用取引金利とは、証券会社からお金を借りたときに発生する金利です。
 
金利は証券会社によって異なりますが、信用買いの場合はお金を借りるときに2%~3%程度の金利がかかります。また、証券会社によってはお金などを借りても金利がかからないコースを用意しているケースもあります。 

貸株料

貸株料とは、証券会社から株式を借りたときに発生する金利です。
 
信用取引金利と同じく、証券会社によって金利は異なります。制度信用取引と一般信用取引の無制限の場合の金利目安は1%程度で、一般信用取引の短期の場合は4%前後かかってきます。
 
また、証券会社のコースによって金利がかからないのも、信用取引金利と同じです。
 

名義書換料

名義書換料とは、買い建玉が権利確定日をまたいで建てられているときに必要な費用です。
 
名義書換料は、売買単位ごとに50円程度かかります。ただし、ETF(上場投資信託)やETN(債券)については、1売買単位あたり5円程度かかります。
 

品貸料

品貸料は、逆日歩とも呼ばれ、売り方が負担する費用です。
 
品貸料は、市場の信用取引で貸し借りされる株式が不足すると発生します。品貸料は市場の状況に応じて証券会社が利率を設定します。
 

信用管理費

信用管理費とは、信用取引の新規建て約定日から1ヶ月を経過する建玉にかかる費用です。
 
1株あたり1ヶ月11銭程度かかり、単元株制度の適用を受けない銘柄には1ヶ月あたり110円程度かかります。
 

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信用取引口座の開設についてよくある質問

信用取引の口座を開設しようと考えている人は多くいるものの、同時に信用取引を開始することに対して疑問や悩みをもっている人も多くいます。

●信用取引は誰でもできるのですか?
 
●信用取引はなぜ必要なのですか?
 
●信用取引は何万円からおこなえますか?

信用取引を始めるときに悩みや疑問が出ないよう、どのような質問があるか確認しておきましょう。
 

信用取引は誰でもできるのですか?

信用取引は誰でもできるということはありません。
 
信用取引をするには専用の口座を開設しなければなりませんが、口座開設には審査があります。審査の内容はそこまで厳しくありませんが、一定の預貯金があることなどが求められます。
 
なお、審査の内容については記事内の「信用取引口座開設の審査がおこなわれる」にて詳しく解説していますので、そちらをぜひ参考にしてください。
 

信用取引はなぜ必要なのですか?

信用取引が必要な理由は、現物取引だけだと株式市場が活発に動かないからです。
 
株式の中には相当高額なものもあるため、現物取引は自己資金内の取引しかおこなえず、株式市場に参入できる人が限られてしまいます。少ない株式売買で市場が決まってしまうと、株式市場の安定性も欠けてしまいます。このことから、株式市場の参入者の増加を目的としたのが信用取引です。
 
信用取引は自己資金が少なくても取引できるため、多くの人が株式市場に参入し市場が活発化します。市場が活発になると株式の乱高下が防げるため、株式市場も安定してきます。
 

信用取引は何万円からおこなえますか?

信用取引が何万円からおこなえるかどうかは、証券会社が定める最低限の保証金によります。
 
信用取引は最低限の保証金を入金しなければ取引が開始できません。最低限の保証金は30万円と設定されているケースがほとんどです。また、口座を開設するときには一定の預貯金があることも要求されるため、最低限の保証金では足らないこともあります。
 

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信用取引口座まとめ

信用取引を始めるには、まず証券会社で口座を開設しなければなりません。
 
口座開設の手続きは簡単ですが、審査が必要です。審査には一定以上の預貯金があることなどが要件となります。誰でも信用取引ができるわけではないため、取引ができる要件を理解しておく必要があります。
 
また、口座を開設し取引を開始する前には、信用取引の基礎知識を学んでおくようにしましょう。信用取引は少ない自己資金で大きな収益を得られる反面、リスクも大きいため、知識を得てリスクを抑えておく必要があるからです。
 
信用取引では、リスクを抑えながら取引を進めていくことが大切です。
 

出典

楽天証券 信用取引をはじめるには
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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