更新日: 2024.02.20 株・株式・FX投資
【買い方】株の購入方法を初心者でもわかるように丁寧に解説!
しかし、株の取引は難しいイメージもあり、これまで株に興味のなかった人が、いざ株を買おうと思っても、何から始めればいいのか、また実際にどのように購入するのかわかりづらいものです。
そこで本記事では、株の初歩的な知識から株を買うために必要な準備、実際の買い方、初めて買うときの注意点までを解説します。「株を買ってみたいけど、まずは買うまでの流れを知りたい」という人は、ぜひ参考にしてください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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株を買う前に知っておくべきこと
まず、株のしくみと、いつどこで買うのか、買う目的など株取引の概要を説明します。株は株式会社の資金調達手段であり、株を買うことを通じて会社に出資した株主は、その会社の経営活動を通じて株の恩恵を受けることが可能です。実際に株を買う前に、基本的な知識や流れを理解しておきましょう。
株のしくみ
そもそも株は、株式会社が経営に必要な資金を調達する手段の1つです。株式会社は株券を発行し資金の出資者を募り、その会社に投資したい人は株券を購入して株主となります。
会社の資金調達には他にも銀行借り入れなどがありますが、株に関しては金銭の貸し借りではなく出資であるため、返済の義務はないのが特徴です。そのかわりに出資者は、株主として会社のオーナーの1人になり、株主総会での議決権を通じて経営に参画し、株を自由に売却できるほか、企業から配当金などの還元を受けられます。
株はいつどこで買うのか
株は証券会社への注文を通じて購入します。実際の株取引は、日本では全国に4つある証券取引所などでおこなわれています。証券会社への注文はインターネットを利用した注文が一般的で、ネット証券以外では店舗窓口や電話でも注文可能です。
証券取引所での取引は、平日の午前9時から11時30分、午後12時30分から3時までですが、ネット証券などでのインターネット上の注文は24時間可能です。
株を買うにはいくら必要か
株を買うのに必要な金額は、購入したい株の価格次第ですが、取引可能な株の単位は「単元株」と呼ばれ、通常は100株単位となっています。
そのため、株価1000円の銘柄であれば、100株で10万円+購入手数料が必要です。ただ、株価は日本の上場企業でいえば、1株あたり数十円程度の銘柄から数万円程度まで違いがあり、必要な資金も購入したい銘柄次第で大きく変わります。
また、最近は1株単位(単元未満株)で購入可能なサービスを提供する証券会社が増えており、そのサービスを利用すれば、かなり安い金額から株の購入が可能となっています。
なぜ株に投資するのか
株を買うメリットには、以下のとおり主なものが3つあります。
●売却益(キャピタルゲイン)
●配当金(インカムゲイン)
●株主優待
株価は毎日変動しており、購入した後に株価が値上がりすれば、売却によって値上がり分の売却益(キャピタルゲイン)を得られます。
例えば、1株2000円の株を購入して、2500円に値上がりした後に売却すれば、1株あたり2500円-2000円=500円の売却益を得ることが可能です。売買手数料や税金がかかりますので、差し引いて考える必要はありますが、このように売却益を得られることが株式投資の最大の魅力となります。
また、1株ごとに得られる「配当金」も大きな魅力の1つです。配当金とは、株を発行している企業が経営で得た利益を、1年や半年、四半期ごとに株主に還元するしくみです。配当金は企業ごとに「1株あたり〇円」となるため、例えば1株30円の配当金があれば100株保有で、30円×100株=年間3000円から税金を差し引いた配当金を得られます。
配当金の決め方には統一ルールがなく、配当金をどれくらい株主に還元するかは、企業の判断次第です。ただ、最近は配当金を通じて株主還元を進める企業が増えています。
株を保有するもう1つの楽しみが「株主優待」です。株主優待とは、企業が自社商品やクーポン券などを株主に送付する形でおこなう株主還元の1つで、配当金と同じく特別な統一ルールはなく、どのような株主還元をおこなうかは企業によって違います。
他にも議決権を通じて、会社経営に参画可能ですが、一般の人が株を買うメリットはこの3つに集約されるのではないでしょうか。
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初めて株を買うために必要な準備
これまで株を買ったことのない人が、株を買うために必要となる最も重要なステップが「証券口座」の開設です。
証券口座を開設すれば、株だけでなく、投資信託や債券といった株以外の金融商品の売買、資産保有時の管理まで幅広い機能が利用できるようになります。ここでは証券口座開設に必要な手続きから購入資金の入金までの流れを解説します。
証券口座とは
証券口座とは、証券会社を通して株を取引する口座で、株の購入に必要な資金もこの口座に預けます。また、購入だけでなく、購入した株などの有価証券もこの口座で管理します。
口座開設に費用はかからず、維持管理費用も無料の証券会社が多くなっています。ただ、あくまでも証券会社の口座であり、銀行で証券口座を開くことはできませんので、注意が必要です。
証券会社を選ぶ
証券口座を開設するにあたって証券会社を選ぶ必要がありますが、証券会社には「ネット証券」と「店舗型証券」があります。
楽天証券やSBI証券に代表されるネット証券は、証券口座の開設手続きから株の売買や、口座の管理まで、すべてインターネット上で完結し、売買手数料も店舗型に比べて安くなっており利便性は抜群です。そのため、現在は若い年齢層を中心に、ネット証券の利用が多くなっています。
一方、店舗型証券は、インターネット上での取引に加え、店舗があるため証券会社の担当者に対面でアドバイスをもらえるのが最大の利点です。直接話を聞かないと心配という人や、ネット上での取引が不安、運用内容に専門家のアドバイスが欲しい人などは、店舗型証券も有力な選択肢になります。
ネット証券と店舗型証券を簡単に比較すると図表1のようになりますが、どちらが優れているということではなく、それぞれの特徴をよく理解して、ご自分の好みに合わせて証券会社を選ぶことが大切です。また、証券口座は複数の証券会社に無料で開設できますので、あまり証券会社選びで迷わず、まずは開設することを優先して進めましょう。
図表1
ネット証券 | 店舗型証券 | |
---|---|---|
店舗の有無 | 無し | 有り |
手数料の高低 | 安い | 高い |
担当者の有無 | 無し | 有り |
インターネット上での取引 | インターネット取引のみ | 電話や店頭で注文 インターネット取引も可能 |
利用する人の年齢層 | 比較的低い | 比較的高い |
筆者作成
証券口座開設の手続き
口座の開設手続きはネット証券も店舗型証券も大きな差はなく、必要な書類をネット上でアップロードして提出するパターンと郵送でやり取りするパターンがあります。
証券会社によって多少違いがありますが、大まかな流れは以下のとおりです。
●ネット上で申し込み入力、必要書類はアップロードして提出
●証券会社が審査。問題なければ、ID・パスワードなどを発行
●証券会社に対して、インターネット上や電話、店舗で口座開設申込書を請求
●申込書に必要事項を記載、署名・押印し、必要書類とともにID・パスワードなどを返送
※証券会社によって、申込書のみ郵送、必要書類のみ郵送、口座開設完了通知は郵送受取などネット申し込みとの組み合わせが可能です。
必要な書類や準備するものは以下のとおりです。
●マイナンバー(個人番号)確認書類
●本人確認書類(運転免許証、各種健康保険証、各種年金手帳、パスポートなど)
●ご自身のメールアドレス(ネット申込時に登録が必要)
●印鑑(申込書を郵送する場合)
●証券口座へ入金したり、送金を受領(じゅりょう)したりする金融機関口座
口座開設にかかる期間は証券会社によって異なりますが、インターネット上での申し込みであれば、即日から3日程度、郵送での手続きでも1週間から10日程度で取引が可能となります。
口座の種類(一般・特定)を選ぶ
証券口座を開設する際には、口座の種類を選ぶ必要があります。種類は「一般口座」と「特定口座」があり、さらに特定口座には「源泉徴収あり」と「源泉徴収なし」に分かれるため、選択肢は実質3つです。
特定口座では「年間取引報告書」と呼ばれる年間の取引損益をまとめた書類を証券会社が作成してくれるため、収益計算が簡単になります。とくに「源泉徴収あり」を選択すると確定申告が原則不要です。
一方、一般口座では「年間取引報告書」の作成はなく、源泉徴収もないため確定申告が必要となり、ご自身で損益を計算する必要があります。それぞれにメリット・デメリットはありますが、初めて株を購入する人や時間の制約が大きい人は、確定申告の必要がない「特定口座(源泉徴収あり)」を選択しておけば、大きな問題はありません。
株の購入資金を証券口座に振り込む
証券口座の準備ができたら、証券口座に購入に必要な資金を入金します。入金の方法としては、証券会社の窓口やATMでも可能ですが、手数料も無料でリアルタイムに入金が可能な、ネットバンキングの利用が圧倒的に便利です。
また、楽天銀行と楽天証券、住信SBIネット銀行とSBI証券など系列が同じ金融機関と連動している証券会社ではその組み合わせを利用すれば、より利便性が向上します。
入金する金額は最低でも「買いたい銘柄の株価×購入株数+手数料」ですが、株価は毎日変動しますので、多少余裕を持たせた金額が必要です。
いずれにしても、初めて株を買う人はまずは少額で始めることを前提に、生活に無理のない範囲で入金しましょう。
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【初心者向け】株の買い方
担当者にサポートしてもらいながら株を購入したいのであれば、店舗型証券会社の窓口や電話で買いたい銘柄と株数、希望価格などを伝えて注文します。一方でネット証券などほとんどの証券会社で対応しているインターネット上での注文は、スマホやパソコンで簡単に株の購入を注文できます。
そのため利便性は高くなりますが、1人で注文することになるため、買う銘柄や株数を間違えないよう注意が必要です。ここでは担当者のサポートがない一般的なインターネット上での注文の流れを説明します。
株を買うときの流れ
証券会社によって、注文画面には多少の違いはありますが、株を購入する際の大まかな流れは以下のとおりです。
1.買いを選択
2.銘柄を指定
3.株数を指定
4.購入価格を指定(指値注文時)
5.その他の条件を確認
1.買いを選択する
株の売買には、「売り」と「買い」がありますので、まずは「買い」を選択しましょう。
2.銘柄を指定する
買いたい銘柄は会社名である銘柄名か銘柄コードと呼ばれる4桁の数字で検索して選べます。例えば、NTT(日本電信電話)は銘柄コードが9432、トヨタ自動車なら7203です。
3.株数を指定する
買いたい銘柄を検索したら、現在の株価を確認し購入したい株数を指定します。通常は100株単位でしか購入できませんので、1株単位で購入したい人は事前に単元未満株で購入可能な証券会社を選びましょう。
4.購入価格を指定する
さらに株の購入価格を指定する指値(さしね)注文か、価格を指定しない成行(なりゆき)注文かを選択します。指値注文の場合は、希望する株の価格を入力します。
5.その他の要件を確認する
一般口座と特定口座など口座の選択もありますが、特定口座を開設している人は特定口座を選択しましょう。また、注文の有効期限は「当日中」だけでなく「今週中」、「期間指定」などを選べますので、とくに指値注文の場合は注意して選択しましょう。
指値(さしね)注文と成行(なりゆき)注文の違い
株の購入には「指値」と「成行」の2通りの注文方法があるため、株を初めて買う人が迷いやすくなってしまいます。まず指値注文とは、株の買いたい値段を指定して購入する手法です。
例えば、現在1株1000円の株に対し900円の株価を指定すると「1000円の株価が900円に値下がりしたら買います」という注文をしたことになります。そのため、注文期間内に指定した株価まで下がらなかったら、売買が成立しないのが大きな特徴です。
一方で、成行注文は、そのときの需要と供給で株価が決まり、現時点で一番安く売り注文している人から株を購入することになります。つまり、指値注文は購入する人が希望する株価を重視した注文方法、成行注文は取引の成立を重視した注文です。初めて株を買う人にとって、どちらがいいかは難しいところですが、最初は少額で両方試してみてもいいかもしれません。
購入結果の確認
実際の購入結果は取引履歴あるいは約定(やくじょう)履歴などの画面で確認可能です。
また保有する株などは一覧画面で、日々変動する株価の値動きや損益をチェックできます。
株を買うべきタイミング
株の買い時を見極めるためには、株価の動きを表すチャートや企業から発表される決算情報などを確認する必要があります。具体的な買い時の目安としては、以下の4つが挙げられます。
●株の上昇トレンドが見込めるとき
●移動平均線と株価が大きく離れたとき
●出来高が急に増えたとき
●将来性が見込める決算が出たとき
ただし、株を買うタイミングは専門家でも見誤ることが多く、ましてや初心者が最適な購入のタイミングを見極めるのは相当に困難です。そのため、あまりタイミングを気にしすぎると、いつまでたっても株を買えなくなります。初めて株を買う際は、あまりタイミングや損得にこだわらず、少額から「株の購入を経験してみる」といった気持ちが大切です。
初心者が買う株を選ぶコツ
どのような株を買うかは「これから株価が上がる銘柄」、「配当金を多くもらえる銘柄」、「株主優待が魅力的な銘柄」など、投資の目的によって銘柄選びや購入金額が変わってきます。しかし、専門家など株の値動きに精通した人でも、今後の株価の予想は簡単なものではありません。
そのため、身近でよく知っている会社や、応援したい会社、配当金が多い会社、好みの株主優待がある会社などから、少ない投資額で購入して投資を体験し、知識を得ることをおすすめします。
初めて株を買うときの注意点
株式投資は魅力たっぷりである反面、注意点も多く存在します。そのため、株を購入する際はこのような注意点を十分に理解して、購入する金額を検討しましょう。
株式投資のリスクを理解する
株式投資の主なリスクは、以下のとおり3つあります。
●価格変動リスク
●信用リスク
●為替変動リスク
「価格変動リスク」は、その名のとおり株価の変動に伴うものです。株価は企業業績以外にも、政治状況や国の経済状況などさまざまな要素に左右されて変動します。実際に株価が上がるか下がるかは誰にもわかりませんが、株価が下がって売却すれば、売却益ではなく売却損が生じます。
「信用リスク」は投資した企業の破綻や倒産です。企業が倒産してしまうと、株の価値がゼロになってしまうこともあります。
さらに、外国の株を購入した際に生じるのが「為替リスク」です。購入時よりも円高になってしまうと、株価が一定でも円高に振れた分、損失が生じてしまいます。
細かく挙げれば、これ以外にもリスクはありますが、とくに株をこれから初めて購入しようとする人は、株取引には魅力と裏返しのリスクがあることを十分認識しておきましょう。
少額から分散して始める
魅力とリスク両方が存在するのが株の取引です。そのため、経験のない人が、最初から多額の資金で株を取引することはおすすめできません。株などの投資や運用は余剰資金でおこなうことが鉄則ですが、取れるリスクにも個人で差がありますので、ご自身が取れるリスクを考え安全な運用を心がけましょう。
また、投資には分散も必要です。最初から1つの銘柄に多くの資金をつぎ込むのではなく、複数の銘柄に分散して、最初はそれぞれが少額となることを心がけましょう。
株の売買手数料には注意しよう
株価ばかりに目を奪われがちで見落としがちなのが、売買に手数料がかかることです。最近、SBI証券や楽天証券が国内株式手数料無料という画期的なサービスを打ち出していますが、売買時には手数料がかかるのが一般的です。手数料は証券会社ごとに異なり、1約定ごとや1日単位で定額など、さまざまなパターンがありますので、注意して証券会社を選びましょう。
利益には税金がかかる
株の売却で利益が出たり、配当金があったりした場合には、所得税・住民税がかかります。特定口座の「源泉徴収あり」を選択している人は、確定申告の必要はありませんが、売却益や配当金がそのまま利益になるわけではありませんので注意が必要です。
株の買い方まとめ
株の買い方まとめ
株は証券口座を開設し、必要な金額を入金すれば、インターネット上で手軽にいつでも買えます。また、株取引では保有した株の株価が上がると売却益が得られ、それ以外にも配当金や株主優待などさまざまなメリットを享受することが可能です。
しかし、株を買うタイミングや値上がりする銘柄を初心者が見極めるのは困難です。また、メリットがある反面で、株価の下落による売却損などリスクも数多く存在します。
そのため、初めて株を買うときは、あまり損得にこだわらず、よく知っている有名な会社や、配当金、株主優待といった視点で銘柄を選ぶ楽しみ方もあります。まずは証券口座を開設し、株の購入を経験してみることが大切ですが、購入を進める上では、ご自身のリスク許容範囲を十分認識し、余剰資金の範囲で少額から分散して購入することをおすすめします。
出典
日本証券業協会 投資の時間 金融商品の特徴「株式投資の仕組みを知る」
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部