更新日: 2024.02.20 株・株式・FX投資
株とFXの違いとは? 投資初心者でもわかる基礎知識
株とFXには大きな違いがあるため、投資する前に違いを理解しておかなければなりません。
本記事では、株とFXの違いや、メリット・デメリットの違い、株に向いている人・FXに向いている人などについて解説します。投資対象を決めようとしている人にとって参考となる内容になっていますので、ぜひ最後までご覧ください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
目次
【初心者向け】株とFXとの違いとは?
株とFXとは、投資対象や投資可能時間など、異なる部分が多くあります。投資対象を決めるときには、まず株とFXとの違いを理解しておくことが大切です。
株とFXとの主な違いは、図表1のとおりです。
図表1
株式投資 | FX | |
---|---|---|
投資対象 | 上場株式 | 法定通貨 |
投資対象の数 | 約3900社 ※2024年1月19日現在 |
約180種類 |
キャピタルゲイン | 売買差益(譲渡益) | 為替差益損 |
インカムゲイン | 配当金 | スワップポイント |
取引できる時間 | 平日9時~15時 ※昼休みを除く |
平日24時間 |
変動する要因 | 企業の業績 | 景気 金融政策 世界情勢 |
レバレッジ | 現物取引:なし 信用取引:最大約3.3倍 |
最大25倍 |
必要な最小資金の目安 | 数十万以上 | 数円~数万円 |
筆者作成
図表1のように株とFXは同じ投資ではあるものの、内容に大きな違いがあります。内容の違いはメリットとデメリットの違いにもつながっていくため、内容の違いを理解して自分にあった投資方法はどちらなのか判断しなければなりません。
それでは、違いを比較した項目の詳細を解説していきます。
株とFXとの違い1:投資対象と投資対象の数
株とFXでは、投資対象が異なります。
株の投資対象は上場している企業の株式であり、FXの投資対象は法定通貨です。
上場している株式は2024年1月11日現在「約3900社」であり、法定通貨は「約180種類」です。ただし、すべてが投資対象となるわけではなく、証券会社が取り扱っている通貨しか取引できません。
取引する通貨にこだわりがある場合は、取り扱いをしている証券会社で取引する必要があります。株式に関しては基本的にどの証券会社でも取り扱っているため、それぞれの証券会社のサービス内容を重視して比較するようにしましょう。
株とFXとで同じ:キャピタルゲイン
株とFXの「キャピタルゲイン」は同じです。
両方とも購入時の価値と売却時の価値の違いを利用して、差額を利益として得られます。なお、キャピタルゲインとは、保有している資産を売却したときの譲渡益(売却差益)です。
株もFXもキャピタルゲインを得られるように取引をします。他にも稼ぐ方法はありますが、基本的にはキャピタルゲインをどう得ていくのか考慮し、取引していくことになります。
株とFXとの違い2:インカムゲイン
株にもFXにもインカムゲインがあるものの、利益が出る仕組みは大きく異なります。
インカムゲインとは、資産を保有中に得られる利益です。株のインカムゲインは配当金であり、FXのインカムゲインはスワップポイントです。
配当金とは、株式会社が株主から得た資金を元に利益を得て、利益に応じて株主に還元する金銭のことをいいます。配当金があるかどうかは企業によって異なり、配当金の出る回数や割合も異なります。配当金を目的に投資するときには、企業がどのような配当をしているのか確認しなければなりません。
一方、FXのスワップポイントとは、通貨ペアの金利差によって得られるポイントであり、ポイントに応じた金銭を得られます。スワップポイントは金利差が大きくなるほど獲得できるポイントも増え、金利差がマイナスになるとトレーダーがスワップポイントを支払わなければならなくなります。
株とFXとの違い3:取引できる時間
株とFXは取引できる時間が異なります。
株の取引ができる時間は日本の証券取引所が開催されている時間だけであり、原則平日の9時~11時30分と12時30分~15時です。
一方、FXが取引できる時間は平日であれば24時間です。為替は各国の市場が開いている時間であれば取引が可能であるため、24時間取引できます。例えば、ニューヨーク市場の取引時間は、日本時間23時~翌日7時(サマータイム実施時期は22時~翌日6時)です。また、ロンドン市場は、日本時間18時~翌日4時(サマータイム実施時期は17時~翌日3時)です。
株の場合は取引時間が大きく制限されるものの、FXの場合は長い時間取引できます。
株とFXとの違い4:変動する要因
株式と通貨の価値は、変動する要因が異なります。
株式は企業の業績によって変動し、通貨は景気・金融政策・世界情勢などにより変動します。
ただし、企業の業績は景気や世界情勢にも左右されます。複合的な要因で変動することが多くあるため、変動する要因には大きな差はないと考えておくとよいでしょう。
株もFXも多角的な視点から分析を進めて、相場の変動を予測していくことが大切です。
株とFXとの違い5:レバレッジ
株とFXではレバレッジに違いがあります。
レバレッジとは、借入金などを利用することで、少額の自己資金で大きな取引ができるようになる制度です。
例えば、10万円を証券会社に預け入れ、20万円分の取引をすることもできます。お金を証券会社に預け入れることで、証券会社から自己資金以上のお金を借りて取引できるということです。
株式の現物取引ではレバレッジをかけることはできませんが、信用取引なら最大で3.3倍のレバレッジがかけられます。
FXの場合は、国内の個人口座のFX取引に限り、最大で25倍のレバレッジをかけることが可能です。
10万円の自己資金を利用する場合、株の現物取引は10万円の取引、信用取引は最大で33万円の取引、FXは最大で250万円の取引ができます。
株とFXとの違い6:必要な最小資金の目安
株とFXでは必要な最小資金の目安が異なります。
株は購入する株式によって最小資金の目安が変わります。株式は100株を売買単位としており、購入するだけで数十万円必要になることも珍しくありません。
一方、FXも取引単位が1000通貨など証券会社による決まりごとはあるものの、1通貨あたりの金額は安いため、1000通貨単位になったとしても自己資金1万円程度で取引が可能です。
【PR】資料請求_好立地×駅近のマンション投資
【PR】J.P.Returns
おすすめポイント
・東京23区や神奈川(横浜市・川崎市)、関西(大阪、京都、神戸)の都心高稼働エリアが中心
・入居率は99.95%となっており、マンション投資初心者でも安心
・スマホで読めるオリジナルeBookが資料請求でもらえる
株とFXのメリットの違いを比較
株とFXとは内容が異なるため、メリットとデメリットも異なります。どちらを投資対象とするのかは、メリットとデメリットの違いを理解しておくことが重要です。
それでは、まず株とFXのメリットの違いについてみていきましょう。
株のメリット
株のメリットは、次のとおりです。
●株主優待が受けられる
●値動きが大きいため大きな利益を得られる
●特定口座の場合は確定申告しなくてもよくなる
それでは株のメリットをみていきましょう。
株のメリット(1)株主優待が受けられる
株独自のメリットとして、株主優待を受けられる点が挙げられます。
株主優待とは、一定以上の株式を保有している株主に対し、株式を発行する企業が商品やサービスを提供する制度です。
株主優待の一例は、次のとおりです。
●イオン株式会社:買い物の3・4・5・7%のキャッシュバックが受けられる株主優待カード
●KDDI株式会社:3000円~1万円相当の全国グルメカタログギフト
●株式会社吉野家ホールディングス:2000~1万2000円分の株主優待券 など
上記のように株式会社はさまざまな株主優待をおこなっています。ただし、企業によっては株主優待を実施していない場合もあるため、株主優待が投資の目的である場合は優待の内容まで確認しておくことが大切です。
株のメリット(2)値動きが大きいため大きな利益を得られる
株式の値動きは大きく、1年間で株価が100%上昇した株もあります。
一方、FXは1日で1%前後、年間でも最大で30%程度の価格変動しかしません。これは為替の値動きが異常な値になると、通貨を発行している政府が為替に介入し安定化を図るからです。
自己資金の金額やレバレッジによって異なりますが、値上がりで得られる利益は株のほうが大きいといえます。
ただし、値上がり幅の大きさはメリットであると同時に、リスクでもあることには注意しなければなりません。
株は値下がり幅も激しく、株式を発行している会社が倒産したり、倒産リスクが高まったりすると一気に値を落とすため注意しなければなりません。
株のメリット(3)特定口座の場合は確定申告しなくてもよくなる
株の場合、特定口座(源泉徴収あり)で取引をすると、確定申告が不要となります。
特定口座とは、分離課税である株の譲渡益を管理できる口座です。特定口座は税金申告の負担を軽減するために制度化された口座であるため、確定申告をする必要がなくなります。
しかし、特定口座を利用して確定申告をしない場合、損益通算がおこなえません。
損益通算とは、利益から損失を差し引くことで節税できる制度です。例えば、他の特定口座で出た利子所得や配当所得の利益から損失を差し引くことができます。
また、利益よりも損失が大きかった場合には、損失を最大3年間繰り越しすることも可能です。損失を出したからといって完全にマイナスになるということはないため、確定申告をする場合は、うまく節税制度を利用して損失を抑えていきましょう。
FXのメリット
FXのメリットは、次のとおりです。
●少額の自己資金で大きな取引ができる
●24時間いつでも取引ができる
●為替相場が上昇局面になっても下落局面になっても利益が出る
上記のようにFXのメリットは株とは異なります。どのような違いがあるのか理解し、投資対象を決定していきましょう。
FXのメリット(1)少額の自己資金で大きな取引ができる
FXは少額の自己資金で大きな取引ができます。
FXでは最大で25倍のレバレッジがかけられます。例えば、10万円の取引がしたいと考えた場合、株であれば10万円の自己資金が必要です。しかし、FXでは10万円÷25(レバレッジ)=4000円(自己資金)で取引できます。
このように少額の自己資金で大きな取引ができるため、FXは自己資金をあまり用意できない人でも取引を開始できます。
FXのメリット(2)24時間いつでも取引ができる
FXは平日であれば、24時間取引ができます。
株の場合、日本の証券取引所の取引時間にしか取引できないため、日中に時間が取れない人は取引が難しいです。しかし、FXは24時間取引できるため、早朝や深夜しか時間がない人でも取引が可能です。
FXのメリット(3)為替相場が上昇局面になっても下落局面になっても利益が出る
FXは為替相場が上昇局面でも下落局面でも利益を得られます。
FXは買いポジション、売りポジションのどちらからでも取引を開始することが可能です。
買いポジションとは買ったまま未決済の約定のことで、売りポジションとは売ったままで未決済の約定のことです。買いポジションで為替相場が上昇局面になれば利益を得られ、売りポジションで下落局面になっても利益が得られます。
例えば、100円で購入した通貨が110円で売却できれば10円の為替差益が得られます。そして、100円で売却した通貨が90円に値下がりすれば、売った100円で90円になった通貨を買い戻し、証券会社に返還すれば10円の利益となるわけです。
【PR】SBI証券
株とFXのデメリットの違いを比較
株とFXにはそれぞれデメリットもあり、メリットと同様に内容が異なります。
投資はデメリットを理解しリスク回避することが大切であるため、デメリットの内容をきちんと理解してから投資対象を決定していきましょう。
株のデメリット
株のデメリットは、次のとおりです。
●初期費用が高い
●株式によっては流動性リスクが高い
●投資先の選択肢が多い
それでは株のデメリットをみていきましょう。
株のデメリット(1)初期費用が高い
株式投資は株式の購入費用が高いため、初期費用に多くの自己資金が必要です。
株式の価格は高いものだと数十万円~数百万円もしてしまいます。2024年1月19日現在、一番高い株式だと取引値8万2880円の株式があります。売買するには100株購入しなければならないため、約828万円もの自己資金が必要となります。
これは極端な例ですが、それほど株式投資をおこなうには自己資金が必要ということです。
また、株式の中には株価の安いものもありますが、安い株は倒産リスクが高いなどの理由がある場合も多いです。安いのにはそれなりの理由があるため、株を購入するときには企業の経営状態などを確認しておく必要があります。
株のデメリット(2)株式によっては流動性リスクが高い
株式の中には流動性リスクが高いものもあるため、注意しなければなりません。
流動性リスクとは、取引が低調となり売りたいときに売れないリスクです。株の場合は上場廃止のニュースや、倒産リスクの高まりのニュースなどが流れると、対象の企業の株式を購入する人が激減してしまい、売りたいときに株が売れなくなってしまいます。
当然ながら株が売れない間、売値がどんどんと下がってしまうこともあるため、流動性リスクが高い株は取引しないよう気をつけなければなりません。
安定性の高い株はどれなのか調査しておき、流動性リスクが発生しにくい株を購入していきましょう。
株のデメリット(3)投資先の選択肢が多い
株式は投資先の選択肢が多すぎて、どの株に投資すればよいのか絞り込むのが難しいという点がデメリットです。
株はそれぞれの企業の経営状態や経営方針など、さまざまな要因で価格が変動します。株を購入するときには企業の内容を分析し購入していきますが、選択肢が多すぎるとどの企業の株を分析したらよいのか見当がつかなくなってくるケースもあります。
株取引初心者のうちは自分のよく知っている企業や、よく利用している企業の分析から始めてみるとよいかもしれません。投資先の選択肢をできる限り絞り、分析ができるような状態にしてから株を購入していきましょう。
FXのデメリット
FXのデメリットは、次のとおりです。
●レバレッジのかけすぎで大きな損失が出る
●スワップポイントで支払いが発生するケースもある
●取引のやめどきがわからず負担になる
FXのデメリットも、メリットと同じく株とは違います。どのような違いがあるのか理解し、取引のリスクを抑えていきましょう。
FXのデメリット(1)レバレッジのかけすぎで大きな損失が出る
FXの魅力の1つであるレバレッジには大きなメリットがある反面、大きなデメリットも持ち合わせています。
レバレッジは少額の自己資金で大きな利益を得られる仕組みですが、大きな損失を生んでしまう恐れもあります。
有効証拠金20万円、必要証拠金10万円で100円の通貨を購入して買いポジションを建てた後、90円に値下がりしてしまったとして、レバレッジ1倍と20倍で取引したときの損失がどのようになるのか計算してみましょう。
【レバレッジ1倍】
10万円(取引額)×0.1(通貨の値下がり割合)=1万円(損失)
20万円(有効証拠金)-1万円(損失)=19万円(口座に残る金額)
【レバレッジ20倍】
10万円×20倍(取引額)×0.1(通貨の値下がり割合)= 20万円(損失)
20万円(有効証拠金)-20万円(損失)=0円(口座に残る金額)
計算してみてわかるとおり、レバレッジのかけ方によって、同じ自己資金でも損失の額が大きく変わります。
FX初心者のうちはレバレッジを極力かけないようにし、高くても3倍に抑えるような取引を心掛けましょう。
FXのデメリット(2)スワップポイントで支払いが発生するケースもある
スワップポイントは金利差がマイナスになると、トレーダーがスワップポイントを払う立場になってしまいます。
スワップポイントとは、通貨ペアの金利差があるときに獲得できるポイントです。獲得したスワップポイントは原則ポジション決済時の現金に振り替えることが可能です。
スワップポイントはポジション決済せずに増えていくため、インカムゲインとして投資目的にする人がいます。
しかし、スワップポイントは通貨ペアの金利差がマイナスになると、トレーダーがポイントを払わなければなりません。
金利差がマイナスになることを承知で取引しているのであれば問題ありませんが、金利差の近い通貨ペアを扱って取引している場合、金利差が逆転してマイナスとなり、ポジションを保有している間コストが増えてしまうことには注意しなければなりません。
FXのデメリット(3)取引のやめどきがわからず負担になる
FXは取引のやめどきがわからず、ついつい取引を続けて負担になってしまうケースもあります。
FXは、平日であれば24時間取引が可能な投資です。取引時間が長いのはメリットであるものの、人によってはデメリットとなってしまいます。
取引で損失を出してしまった場合、誰もが利益を得られるまでポジションを建てたくなるものです。
そのようなときに株であれば取引時間が決まっており、取引を中断しなければならない時間が来ます。しかし、FXの場合、時間があれば際限なく取引できてしまい、続けた結果損失が膨らんでしまうことも珍しくありません。
FXを始めたばかりの人はやめどきがわからなくなりやすいため、自分で設定した時間が来たら取引を中断するなどのマイルールを作っておいたほうがよいでしょう。感情的になり続けると、損失がどんどん大きくなってしまう可能性もあります。
株がおすすめな人とFXがおすすめな人の特徴
株とFXの内容は異なるため、取引に向いている人の特徴も異なります。
自分が株とFX、どちらに向いているのか理解しておくことも大切です。ここからは、株がおすすめな人の特徴や、FXがおすすめな人の特徴を解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
株がおすすめな人の特徴
株がおすすめな人の特徴は、次のとおりです。
●株主優待を受けたい人
●知っている企業を応援したい人
●分析が好きな人
株式は自己資金が多く必要であるため、すぐに始められる投資ではありませんが、株主優待が受けられるなどメリットは多くあります。知っている企業を応援できるのも株式投資の面白みであり、投資というものが生活や自分の思いにも直結します。
また、株式を購入するときには、企業の状態などを分析しなければなりません。株は何千種類もあるため、分析が好きな人に向いている投資です。
FXがおすすめな人の特徴
FXがおすすめな人の特徴は、次のとおりです。
●少額の自己資金で投資を始めたい人
●日中に取引できない人
●手軽に投資を始めたい人
FXは少額の自己資金でも取引できる投資であるため、投資初心者でも始めやすいといえます。
ハイリスクハイリターンといわれることもありますが、レバレッジを低くすればローリスクローリターンの取引もできるため、リスク面から見ても初心者に向いている投資です。
また、FXは平日24時間取引できるため、日中取引ができない人でも投資できるのが魅力です。少額で好きな時間に始められる投資であるため、手軽に投資をしたいという人に向いています。
初心者でもわかる株とFXの始め方
株とFXは、すぐに取引開始できるわけではなく手続きが必要です。
株とFXの始め方は、次のとおりです。
(1)どの証券会社で口座を開設するか検討する
(2)取引口座を開設する
(3)取引口座に入金する
(4)取引を開始する
株とFXの始め方はほとんど同じであるため、どちらを選んだとしても手続きは同じ方法だと覚えておきましょう。
株・FXを始める手順(1)どの証券会社で口座を開設するか検討する
投資を始めるときには、まずどの証券会社で口座を開設するのか検討しなければなりません。
株・FXどちらも、口座を開設する証券会社によって取引内容が変わってきます。例えば、各証券会社によって取引手数料がかかったり、手数料の金額が違ったりします。
証券会社選びは取引内容に影響を与えるため、株とFXどちらを選択するのかだけでなく、各証券会社のサービスを比較するようにしましょう。
株・FXを始める手順(2)取引口座を開設する
どの証券会社で口座を開設するのか決めたら、証券会社のホームページから口座開設の手続きをおこないます。
口座開設の手続きは、フォームに必要事項を入力し、本人確認書類とマイナンバーをアップロードするだけです。
手続きが完了すると、証券会社が口座開設のための審査を開始するため、審査が終わるまで待ちます。審査の時間は証券会社によって異なりますが、早ければ即日に終わります。
ただし、審査に数日かかる証券会社もあるため、早く取引を開始したいと考えている人は口座開設までにどのくらい時間がかかるのか確認しておきましょう。
なお、本人確認、マイナンバーの証明で提出できる書類は、図表2のようなものです。事前に準備をしておきましょう。
図表2
本人確認として認められる書類 | マイナンバーを確認するための書類 |
---|---|
・運転免許証 ・各種健康保険証 ・共済組合員証 ・パスポート ・各種福祉手帳(顔写真付き) ・特別永住者証明書 ・印鑑登録証明書 ・住民票の写し ・住民票記載事項証明書 ※顔写真付きの書類は1点必要 ※顔写真がない書類は2点必要 |
・マイナンバーカード ・マイナンバー通知カード ・マイナンバー付き住民票の写し ・マイナンバー付き住民票記載事項証明書 |
筆者作成
図表2の書類を用意できないのであれば、口座開設の手続きを始める前に準備しておきましょう。また、各証券会社によって本人確認、マイナンバー確認として認められる書類が異なるため、あらかじめどの書類が有効なのか証券会社に確認することも大切です。
株・FXを始める手順(3)取引口座に入金する
口座の開設手続きが終わったら、取引口座にお金を入金します。
株の取引であれば株式の購入にお金が必要であり、FXであれば取引するための証拠金としてお金が必要です。投資する金額によって必要な入金額が変わるため、いくら入金すればよいのか確認しておきましょう。
なお、入金の方法は、銀行の窓口やATMから開設した口座や証券会社の口座に振り込む方法、インターネットバンキングから振り替える方法などがあります。
株・FXを始める手順(4)取引を開始する
入金が終わったら、取引開始できます。
投資初心者は株、FXどちらに投資するにしても、少額でリスクの低い方法で取引を開始していきましょう。最初は利益を得ることではなく、投資を学んでいくという感覚で取引することをおすすめします。
株とFXについてよくある質問
投資をするときには、株とFXのどちらにしようか迷っている人も多くいます。
株とFXのどちらに投資しようか迷っている人は、次のような悩みや疑問をもっている人も多くいます。
・株とFXどちらがもうかりますか?
・株・FXはNISAとどこが違うのですか?
・株とFXのチャートに違いはありますか?
ここからは、株とFXについてよくある質問とその回答を紹介していきます。
株とFXどちらがもうかりますか?
株とFXのどちらがもうかるかは、トレーダー次第です。
どちらの投資も、取引の仕方によって結果は大きく変わります。きちんと相場を分析し、自分に見合った投資額で堅実な取引ができているかどうかです。
ただし、株は多くの自己資金を要するため、少額で投資を始めて利益を出しやすいのは、FXだといえます。
株・FXはNISAとどこが違うのですか?
通常の株・FX取引とNISA制度を利用した投資における大きな違いは、税金が課税されるかどうかです。
通常の株やFX取引の所得には、所得税や住民税、復興特別所得税が課税されます。税率は各税金合計で20.315%も課税されるため、大きな出費となってしまいます。しかし、NISA制度では所得を得たとしても税金は課税されません。
ただし、所得が多く得られるのは通常の株・FX取引であるため、大きな所得を得られたのであれば、税金を納税しても手元に残るお金はNISA制度より多くなることも珍しくありません。
株とFXのチャートに違いはありますか?
株とFXのチャートは基本的に同じ見方をします。
ただし、株とFXでは「流動性が違う」ため、チャートの動きが異なります。FXは全世界で取引されるため、流動性の高さから突発的な価格変動が起きにくいのが特徴です。しかし、株は日本での取引に限定され流動性が低く、まれに大きな値動きが発生することがあるため注意しなければなりません。
分析しやすいのは流動性の高いFXであるといえるため、投資初心者はFXを選択するほうがよいかもしれません。
株とFXの違いまとめ
株とFXは同じ投資であるものの、内容は異なる点が多いため、どちらを投資対象とするのかは違いを理解したうえで決定する必要があります。
また、株が適している人と、FXが適している人も異なるため、内容の違いと同時に自分がどちらに適しているのか確認することも大切です。
投資は利益を得ることが第一の目的ですが、自分にあった方法でストレスなく投資するのも大切なことです。株とFXの違いをしっかりと理解して投資を始めていきましょう。
出典
日本取引所グループ 内国株の売買制度
一般社団法人金融先物取引業協会 FFAJの学ぼう!FX #6 取引時間について
イオン株式会社 株主優待制度
KDDI株式会社 株主優待制度
株式会社吉野家ホールディングス 株主優待情報
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー