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執筆者:柴沼直美(しばぬま なおみ)
CFP(R)認定者
大学を卒業後、保険営業に従事したのち渡米。MBAを修得後、外資系金融機関にて企業分析・運用に従事。出産・介護を機に現職。3人の子育てから教育費の捻出・方法・留学まで助言経験豊富。老後問題では、成年後見人・介護施設選び・相続発生時の手続きについてもアドバイス経験多数。現在は、FP業務と教育機関での講師業を行う。2017年6月より2018年5月まで日本FP協会広報スタッフ
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目次
ポジティブ・サプライズの最大の要因は、欧州の選挙を無事乗り切ったこと
まずどうしてこれほどまで上昇しているのかというところを振り返ります。最大の理由は欧州(フランス)の選挙が昨年のブレクジットと違って無難にこなしたということです。このことからいわゆるリスクオフではなくリスクオンの流れが主流になっています。
次に、トランプ大統領の政治手腕というところですが、確かにオバマケアの代替案が否決されたことで不安視されました(それ以降、下院は何とか通過しました)。ですがそれ以上に欧米先進国の経済状況が好調であるところにスポットが当たっています。その最たるものが日本の連休中2017年5月5日に発表された4月の米国雇用統計でした。前月比21.1万人増と、前月の9.8万人増から大きく増加し、6月の利上げが確実視されています。この流れで金利差拡大から円安ドル高のトレンドがほぼ確定となりました。また欧州の景気も好調で、金融緩和についての出口戦力についての議論がスタートしています。
短期的な調整は想定の範囲内であることをチャートから確認
前述のことから、好調すぎる値動きにむしろ不安の声すら聞こえてきます。どこかで価格調整(下げ)が起こるのではないかということです。こういった調整があるかないかを判断するのに有効なのは、チャートです。
もともと株価をはじめとする金融資産の値動きをみるにあたって、歴史的に、チャートの動きをみて判断するという考え方があります。これに対して、個別の要因や経済数値、その値動きの原因となった商品や経済環境をみる考え方をファンダメンタルズ分析といいますが、この2つはなぜか相反する考え方と目されてきているように思います。すなわち、ファンダメンタルズを重視して判断するアナリストは、「チャートを見て値動きを判断できるほど単純ではない」という根拠をもっていますし、一方、チャーチストの立場からは、「あらゆる投資家の思惑が凝縮されているのがチャートなので、チャートの動きを読むことは値動きのトレンドを非常に正直に集約している」という考え方を堅持しています。
ただ、「短期的な調整」「相場が過熱しているかどうか」といった流れを確認するには、チャートは有効です。短期的な移動平均線(25日)からの乖離を確認しましょう。チャートの見方の詳細については別の機会に譲るとして、相場が上昇しすぎているかどうかというのは、これまでの値動きを平均化した移動平均線から大きく上放れしているかどうかで判断します。
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