スワップポイントとは? 運用のコツや注意点、FX取引でのポイントを徹底解説!
配信日: 2024.03.12
「スワップポイント」は通貨の金利差を利用して利益を得る、FXの主要な収益の1つです。
本記事では、スワップポイントとは何か、スワップポイントを運用するときのコツや注意点などについて解説します。
スワップポイントの基本をわかりやすく解説していますので、スワップポイントについて知りたい人はぜひ参考にしてください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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目次
スワップポイントとは?
スワップポイントとは、通貨ペアにした2国間の金利の差(金利差調整分)です。
それぞれの通貨には金利が設定されており、通貨を購入すると通貨に設定された金利を受け取れる権利が発生し、通貨を売却すると通貨に設定された金利を払わなければなりません。
金利が高く設定されている通貨を購入すれば多くの金利が受け取れ、金利が低い通貨を売却すれば少しの金利を払うだけで済みます。
金利差がプラスになればなるほどスワップポイントが増えていき、逆に金利差が少なくなるほどスワップポイントは減っていきます。金利差がマイナスになった場合は、スワップポイントを支払わなければなりません。
スワップポイントはポジションを保有していると増えていき(減る場合もある)、ポジションを決済したときに付与されます。付与されたスワップポイントは現金化できるため、スワップポイントをFXの主要な目的としている投資家も多くいます。
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スワップポイントを運用していくコツ
スワップポイントを運用していくには、次のコツを押さえておく必要があります。
・スワップポイントが付与されるタイミングを理解しておく
・通貨ペアを複数運用して分散投資する
・スワップポイントが高い証券会社を選ぶ
スワップポイントはFXで利益を得る方法の1つであり、運用するコツを理解しておけば利益の増加が見込めます。スワップポイントをメインにFX取引をするときには、必ず運用するコツを理解してから取引を開始していきましょう。
スワップポイント運用のコツ1:スワップポイントが付与されるタイミングを理解しておく
スワップポイントで運用する際には、「いつポイントが付与されるのか理解」しておかなければなりません。
スワップポイントは、ポジションを保有しているだけでは付与されず、ポジションを翌営業日まで持ち越さなければなりません。
ポジションを翌日に持ち越すことは、ロールオーバーと呼ばれています。スキャルピングやデイトレードのように、その日のうちにポジション決済してしまう取引ではスワップポイントが付与されません。
一般的に、ニューヨーク市場がクローズする時間をまたいでポジションを保有していれば、スワップポイントが付与されます。
また、土日祝日をまたいでポジションを保有したままであれば、またいだ日数分のスワップポイントの獲得が可能です。
スワップポイント運用のコツ2:通貨ペアを複数運用して分散投資する
スワップポイントの付与で利益を得ることを目的にするなら、「通貨ぺアを複数運用し分散投資」を心がけましょう。
投資は分散してリスクを減らすのが基本であり、この基本はスワップポイントにも当てはまります。
金利は変更されるケースもあり、1つの通貨ペアに絞って運用すると利益の幅が小さくなってしまいます。一定の利益を得るには複数の通貨ペアでスワップポイントを得て、それぞれのリスクをカバーしておかなければなりません。
通貨ぺアを複数運用して金利の変更、スワップポイントの付与率の変更に対応することが大切です。
スワップポイント運用のコツ3:スワップポイントが高い証券会社を選ぶ
スワップポイントをメインの運用方法にする場合、スワップポイント付与率の高い証券会社を選択しましょう。
スワップポイントは金利差だけでなく、証券会社のスワップポイント付与率にも影響を受けます。通貨ペアの金利差が大きくても、証券会社の設定するスワップポイント付与率が低ければ、大きな利益を得ることはできません。
スワップポイントをメインに運用していく場合、各証券会社のスワップポイント付与率を比較して取引口座を開設することが大切です。
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スワップポイントを運用するときの注意点
スワップポイントを運用するときには、次のような注意点があります。
・マイナススワップに注意する
・スワップポイントの所得も課税対象になる
・高金利通貨は為替変動リスクが高い
スワップポイントを運用すれば利益を得られるものの、注意点を理解しておかなければ損失を負ってしまうこともあります。ここからは、スワップポイントを運用するときの注意点を解説しますので、どのような点に気を付けて取引すればいいのか確認しておきましょう。
スワップポイント運用の注意点1.マイナススワップに注意する
スワップポイントには、「損失が発生するマイナススワップ」となるケースがあるため注意しなければなりません。
スワップポイントは通貨ペアの金利差がプラスになれば利益を得られる反面、金利差がマイナスになると金利の支払いが発生します。例えば、トルコリラのような高い金利の通貨を売ってマイナス金利の日本円を購入すると、得た金利よりも払う金利のほうが大きくなってしまいます。
マイナススワップになったままポジションを保有し続けると、損失も膨らんでいくため注意しましょう。
スワップポイント運用の注意点2.スワップポイントの所得も課税対象になる
スワップポイントの所得も課税対象となる点には気を付けなければなりません。
個人口座の場合は決済してスワップポイントを受け取った時点で、法人口座の場合はスワップポイントが付与された時点で課税対象になります。
為替差益で得た所得と同じく、次の税金が課税されます。
・所得税(税率15%)
・住民税(税率5%)
・復興特別所得税(税率0.315%)
ただし、課税されるのはFXの所得が20万円を超えた場合、もしくは主婦(夫)や学生は48万円を超えた場合です。規定の所得を超えた場合、確定申告をして所得税などを納税します。
スワップポイント運用の注意点3.高金利通貨は為替変動リスクが高い
高金利通貨は為替変動リスクが高く、急な変動により損失を生んでしまうケースがあることを理解しておかなければなりません。
金利が高い通貨は新興国の通貨であることが多く、政治的にも地政学的にもリスクが存在します。このようなリスクが存在している国の通貨は、事件や事故、その国の政策方針の転換などで価格が急上昇・急下降することがあります。
コツコツと貯めたスワップポイントの利益を失わないよう、常に注意を払いましょう。
スワップポイントの高い通貨ペアとは?
スワップポイントが高い通貨ペアの代表例は、図表1のとおりです。
図表1
買い | 売り | 金利差 |
---|---|---|
トルコリラ(金利45.00%) | 日本円(金利-0.10%) | 45.10% |
メキシコペソ(金利11.25%) | 11.35% | |
南アフリカランド(金利8.25%) | 8.35% | |
NZドル(金利5.50%) | 5.60% | |
オーストラリアドル(金利4.35%) | 4.45% |
※2024年2月1日現在の政策金利
筆者作成
図表1のように、各国の通貨によって政策金利は変わります。金利が低い通貨に関してはマイナス金利政策を取っている日本円を選択し、金利の高い通貨をどれにするかを選択します。
ただし、証券会社によっては取り扱っていない通貨もあるため、証券会社を選ぶときには取り扱い通貨の確認も必要です。
FX取引する際に押さえておくべきポイント
FX取引する際に押さえておくべきポイントは、次のとおりです。
・基本的なFXの専門用語を理解しておく
・レバレッジを効かせすぎない
・証拠金維持率に気を配る
スワップポイントを運用するときには、FXの基本的な知識が必要になります。
ここからは、FX取引する際に押さえておくべきポイントを解説しますので、スワップポイントを運用するときの参考にしてください。
FX取引で押さえておくべきポイント1:基本的なFXの専門用語を理解しておく
FX取引を開始する前には、基本的な専門用語を理解しておきましょう。
FXの基本的な専門用語とその意味は、図表2のとおりです。
図表2
名称 | 内容 |
---|---|
ポジション | 新規で注文を出し、約定したまま決済していない建玉 |
通貨ペア | FXで売買する2国の通貨の組み合わせ |
スキャルピング | 少ない利益を得るために数秒から数分で新規注文・ポジション決済を繰り返す方法 |
デイトレード | 数時間から十数時間かけて取引する方法で、基本的に日をまたいでポジションを保有しない |
スリッページ | 注文した為替レートと約定した為替レートが異なること |
スプレッド | トレードするときの買値と売値の差 |
筆者作成
FXには多くの専門用語があり、内容を理解していなければスムーズな取引ができない場合もあります。図表2にまとめた専門用語はごく一部であるため、取引を始めるときにはFXについてしっかりと学んでおきましょう。
FX取引で押さえておくべきポイント2:レバレッジを効かせすぎない
レバレッジを効かせすぎた取引は危険であるため、FX初心者はレバレッジを抑えて、証拠金も多く入金しておきましょう。
レバレッジとは、証拠金を担保として口座に入金し、証拠金よりも多額の取引ができる仕組みです。
個人での取引の場合、レバレッジは最大で25倍まで認められています。例えば10万円の証拠金を入金すれば、25倍である250万円までのFX取引が可能です。
しかし、レバレッジを効かせすぎると、含み損が少し発生するだけでロスカットされてしまいます。
ロスカットとは、取引中に証券会社の定める基準より大きな含み損が出た場合、証券会社によって強制的にポジションが決済されてしまうことです。ロスカットが実行されると損失が確定し、証拠金の多くを失ってしまいます。
FX取引で押さえておくべきポイント3:証拠金維持率に気を配る
スワップポイントをFX取引のメインにする場合でも、証拠金維持率には気を配りましょう。
証拠金維持率とは、取引に必要な証拠金に対する現に入金されている証拠金の割合であり、次の計算式で計算できます。
証拠金維持率 = 有効証拠金 ÷ 必要証拠金 × 100
証拠金維持率が低下するとロスカットが実行されます。ロスカットされる基準は証券会社により異なりますが、証拠金維持率が50%~100%を切るとロスカットされてしまうケースがほとんどです。
スワップポイント付与のためにポジションを保有し続けた結果、為替相場の変動により含み損が多くなって証拠金維持率が低下してしまう恐れもあります。スワップポイントのためにポジションを保有し続けるとしても、証拠金維持率が低下していないか都度確認することが大切です。
FX取引の始め方
スワップポイントを運用するためには、次のようにまずFXを始める準備をしなければなりません。
・STEP1:証券会社を選ぶ
・STEP2:口座開設手続きをして審査を受ける
・STEP3:証拠金を入金する
FX取引に必要な手続きは、流れを理解していれば非常に簡単で、すぐに取引開始できます。どのような流れでFXを始めればよいのか確認し、手続きをスムーズに進めていきましょう。
STEP1:証券会社を選ぶ
FXを始めるときには、まず証券会社を選びます。
スワップポイントをメインにFXをおこなう場合、次の基準で証券会社を選択しましょう。
・スワップポイントの付与率が高いかどうか
・金利の高い通貨を取り扱っているかどうか
スワップポイントで利益を出せそうな環境が整っている証券会社を探し、よい証券会社が見つかったら、その会社で口座を開設します。
STEP2:口座開設手続きをして審査を受ける
FXの口座開設は、証券会社の公式ホームページから手続きできます。
FXの口座開設の手続きは、氏名や住所、生年月日など必要事項を入力し、マイナンバーや本人確認の書類を提出するだけで完了します。提出方法は主に画像のアップロードですが、郵送でも提出が可能です。
必要事項を入力し書類を提出すると、証券会社が口座開設の審査を開始します。審査は即日終わるケースもあれば、1週間程度かかるケースもあります。
STEP3:証拠金を入金する
口座開設の審査が終わったら、証券会社からメールもしくは郵送でID・パスワードが届きます。
ID・パスワードを使ってFXの設定をおこなったら、取引をするために証拠金を口座に入金します。口座には取引金額に応じた証拠金を入金しましょう。
FX初心者はレバレッジを効かせすぎると危険であるため、レバレッジを抑えつつ、できるだけ多くの資金を入金しておくことが大切です。
スワップポイントについてよくある質問
スワップポイントについてよくある質問は、次のとおりです。
・スワップポイントはなぜもらえるのですか?
・スワップポイントは現金化できますか?
・スワップポイントで稼ぐリスクはありますか?
スワップポイントをメインに利益を得ようと考えているけれど、スワップポイントについて悩みや疑問をもっている人もいるのではないでしょうか。どのような悩みや疑問があるのか確認し、取引を開始するときに悩まないよう準備しておきましょう。
スワップポイントについてよくある質問1:スワップポイントはなぜもらえるのですか?
取引する通貨に金利が付くため、スワップポイントがもらえます。
通貨には各国の政策金利が付くため、保有しているだけで金利を利益として得ることが可能です。
通貨を購入して保有し続ければ、保有した日数だけ金利が付きます。通貨を売却するときには逆に金利を支払わなければなりません。
そのため、購入した通貨の金利が売却する通貨の金利より高ければ、差額の金利を取得できます。この金利差がスワップポイントです。
スワップポイントについてよくある質問2:スワップポイントは現金化できますか?
スワップポイントは現金化が可能です。
ポジションを保有して取得したスワップポイントは、ポジションを決済した翌営業日に収益として口座に計上されます(土日祝を挟む場合は休日明け)。
スワップポイントはポジションを保有し続ければ毎日貯まっていくため、トレーダーの中にはスワップポイントをメインに運用している人もいます。
スワップポイントについてよくある質問3:スワップポイントで稼ぐリスクはありますか?
スワップポイントで稼ぐ際には、次のようなリスクがあります。
・高い金利の通貨は相場変動しやすい
・ポジションを放置してしまいやすい
・政策金利の変更によりスワップポイントが小さくなる場合もある
スワップポイントをメインに運用したとしても、上記のようなリスクがあるため、必ず利益を得られるわけではありません。リスクを理解し、損失を出さないように注意して運用しましょう。
スワップポイントまとめ
スワップポイントは、通貨ペアの金利差調整分です。
金利の高い通貨を購入し、金利の低い通貨を売却することでスワップポイントが付与されます。付与されたスワップポイントは現金化でき、スワップポイントを利用し、中長期的な利益を狙っている投資家が多くいます。
しかし、スワップポイントを利用すれば利益が得られるものの、運用する際の注意点もあるため、事前に内容を理解しておかなければなりません。
注意点を理解した上でスワップポイントを活用していけば、利益を得ることが可能となるでしょう。
出典
岡三証券株式会社 高金利通貨ペアに注目! スワップポイントが魅力的!
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部