更新日: 2024.07.01 株・株式・FX投資

インデックス投資とは?メリット・デメリットや初心者が失敗しないコツを解説!

インデックス投資とは?メリット・デメリットや初心者が失敗しないコツを解説!
最近、「インデックス投資」という言葉を耳にする機会が増えていませんか? しかし、言葉は聞いたことがあっても、インデックス投資が何を意味し、なぜ多くの投資家に選ばれているのかについて、詳しく理解している人は少ないかもしれません。
 
そこで本記事では、インデックス投資の基本から掘り下げて、そのメリット・デメリット、失敗しないコツなどを分かりやすく解説します。
 
インデックス投資をすでに始めているけど、本当にこの投資方法で良いか不安な方や、これから始めたいけど、できるだけ失敗したくないという方は、ぜひ参考にしてみてください。
FINANCIAL FIELD編集部

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インデックス投資とは「指数連動を目指す投資手法」

インデックス投資とは、株式や債券などの市場全体の動きを表す指数に連動するように、分散投資を行う投資手法です。たとえば、日本の株式市場の動きを表す指数として有名なのが日経平均株価やTOPIXです。

インデックス投資では、これらの指数に含まれる銘柄をすべて同じ割合で買うか、あるいは指数に連動する投資信託(インデックスファンド)を買うことで、指数と同じリターンを得ることを目指します。

インデックスファンドは指数に基づき運用を行うため、ファンドマネージャーによる銘柄の入れ替えの頻度が少なく、運用にかかわるコストが他の投資信託に比べて低いといった特徴があります。

インデックス投資が指数に連動することを目指す投資手法であるのに対して、指数を上回る成績を目指す投資手法のことをアクティブ運用といいます。これだけ聞くと、一見アクティブ運用の方が魅力的に思えるかもしれませんが、そうとも限りません。

「アクティブ運用」は、ファンドマネージャーと運用チームが市場や個別銘柄の調査、分析を行い、その結果をもとに銘柄を選定して運用します。そのため、信託報酬などの運用コストがインデックス投資に比べて高い傾向があります。

一方、「パッシブ運用」は、指数に連動するように投資を行う手法です。

アクティブ運用とは対照的に、パッシブ運用は市場を上回ることを目指さず、指数と同じパフォーマンスを達成することを目標としています。そのため複雑な分析や銘柄選定が不要であり、運用コストが低い傾向にあります。

インデックスの主な種類

インデックスは以下のような分類で、さまざまな種類があります。資産形成は「分散投資」の考え方が大切です。
初心者の方は、なるべく広範に分散ができるものを選ぶと良いでしょう。

主な分類
資産別 日本株式
外国株式
日本債券
外国債券
日本リート
外国リート など
グローバル(全世界)
アメリカ地域(北米)
ヨーロッパ地域
アジア・パシフィック地域 など
地域別 グローバル(全世界)
アメリカ地域(北米)
ヨーロッパ地域
アジア・パシフィック地域 など
国別 先進国
新興国
個別国(日本、米国、中国など)

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インデックス投資で知っておくべき5つの指数

インデックス投資をするには、どの指数に連動する商品を選ぶかが重要です。指数によって、投資対象の国や地域、業種や規模、資産種類などが異なります。また、指数の構成銘柄や時価総額の配分も異なります。

代表的な株式指数は、次の5つです。

(1)日経平均株価(NIKKEI225)
(2)TOPIX(東証株価指数)
(3)S&P 500(Standard & Poor’s 500)
(4)NYダウ(ダウ・ジョーンズ工業株平均)
(5)ナスダック100

それぞれ順番に解説していきます。

代表的な株式指数1:日経平均株価

日経平均株価は日本の代表的な株価指数で、日本経済新聞社が東京証券取引所に上場している銘柄のうち、225銘柄の株価の平均を算出して公表している株価水準を表す指標のことです。日本の株式市場の動向を知るためによく使われますが、225銘柄と範囲が狭いため、市場全体の動きを反映するとはいい難いです。

代表的な株式指数2:TOPIX(東証株価指数)

TOPIXは、日本の株式市場を広範に網羅するとともに、投資対象としての機能性を有しています。昭和43年(1968年)1月4日の時価総額を100として、その後の時価総額を指数化したもののことをいいます。

日経平均株価と並ぶ日本の主要な株価指数で、東京証券取引所第一部に上場する全銘柄の時価総額の合計を基準として算出されます。時価総額で算出されるため、日経平均株価よりも市場全体の動きを反映するといわれています。

代表的な株式指数3:S&P 500(Standard & Poor’s 500)

米国の代表的な株価指数で、米国の大型株500社の時価総額に基づいて算出されます。S&Pダウ・ジョーンズ・インデックス社が公表している指数で、米国の株式市場の動向を知るためによく使われます。

代表的な株式指数4:NYダウ(ダウ・ジョーンズ工業株平均)

NYダウは、米国の優良な30社の株価の平均値で算出される株価指数です。構成銘柄の30銘柄は時代の流れに合わせて入れ替えが行われ、その時代に米国をけん引する企業で構成されています。

代表的な株式指数5:ナスダック100

ナスダック100は、米国の電子株式市場「NASDAQ」に上場している国内外の最大手の非金融企業 100 社の時価総額に基づいて算出されます。この指数は、コンピューター ハードウェアおよびソフトウェア、電気通信、小売/卸売業、バイオテクノロジーなどの企業で構成されています。

前述した5つが、代表的なインデックス指数についての概要と特徴の一部です。

このような指数の中から、自分の投資目的やリスク許容度、資産の分散度などに応じて、適切なものを選ぶことが重要です。また、指数にはそれぞれ特徴や傾向があるため、それらを理解しておくことも必要です。

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インデックス投資のメリット

次にインデックス投資のメリットについて紹介します。インデックス投資には、次のようなメリットがあります。

(1)少額から分散投資できる
(2)運用コストが低い
(3)手間がかからない
(4)値動きが推測しやすい

それぞれ詳しく解説します。

インデックス投資のメリット(1)少額から分散投資できる

インデックス投資は、少額で全世界に分散投資できることが魅力の一つです。

インデックスファンドの多くは、数百円から購入でき、少ない資金でも投資することが可能です。また、市場全体を幅広く組み入れている投資信託を購入することで、資産を分散できるため、リスクを分散させるとともに、安定したリターンを期待できます。

インデックス投資のメリット(2)運用コストが低い

インデックス投資は、指数に従って運用するだけなので、運用コストが低いこともメリットです。インデックスファンドはアクティブファンドのように、個別の銘柄を選んだり、売買したりする必要がありません。

そのため、運用会社はアナリストやファンドマネージャーなどの人件費や取引コストを節約できます。これらの費用がかからない分、インデックス投資は運用コストが低くなります。

また、インデックス投資は、同じ指数に連動する商品が多数存在します。そのため、投資家は手数料の安さやパフォーマンスの良さなどで商品を比較して選べます。

運用会社は、投資家に選ばれるために、手数料を下げるなどして改善する必要があります。これにより、インデックス投資の手数料は低くなる傾向にあります。

インデックス投資のメリット(3)手間がかからない

インデックス投資は、自分が投資したい指数が決まれば、それに連動する投資商品(インデックスファンド)を選ぶだけです。個別の銘柄の選択やタイミングの判断が不要なため、投資にかかる手間や時間を省けるのもメリットの一つです。

インデックス投資なら、頻繁なトレードをする必要がないため、毎日仕事や育児、家事、介護などで忙しいという方でも、無理することなく資産運用できます。

インデックス投資のメリット(4)値動きが推測しやすい

インデックス投資は一般的に株価指数などのインデックスと同じような値動きをしているため、ニュースやインターネットで簡単に確認でき、日々の値動きが分かりやすいこともメリットといます。

たとえば、日経平均株価やTOPIXなどは、テレビでも毎日情報が流れています。いちいち口座の運用状況を確認しなくても、自分の資産がどのような状況か比較的簡単に把握できます。

インデックス投資のデメリット

インデックス投資は、市場全体の平均的なリターンが得られる、低コストで分散効果の高い投資手法です。しかし、デメリットもあります。それは以下の4つです。

(1)平均以上のリターンはない
(2)短期投資には向かない
(3)元本割れの可能性がある

それぞれ解説していきます。

インデックス投資のデメリット(1)平均以上のリターンはない

インデックス投資は、市場全体の平均的なリターンを目指します。そのため、市場を上回るリターンを得ることは難しいです。

たとえば、日経平均株価に連動するインデックスファンドに投資した場合、日経平均株価が上昇すればリターンが得られますが、下落すれば損失が発生します。また、日経平均株価よりも高いリターンを出した個別の銘柄に投資していた場合、その銘柄に一括投資していたらもっと儲かったのに、という後悔をするかもしれません。

インデックス投資のデメリット(2)短期投資には向かない

インデックス投資は、長期的な視点で市場全体の成長に乗ることを目的とした投資手法です。そのため、短期間で大きな値動はあまりありません。

短期間で売買を繰り返すと、取引費用がかさみ、逆にリターンが減少します。市場の動きに一喜一憂することなく、長期的な視点で投資することが重要です。

インデックス投資のデメリット(3)元本割れの可能性がある

インデックス投資は、市場全体に分散投資することでリスクを低減するというメリットがありますが、それでも元本割れする可能性があります。元本割れとは、投資した金額よりも低い金額になってしまうことです。

市場全体が下落すると、インデックスファンドの価格も下がります。このような場合、投資した時点よりも安い価格で売却すると、損失が出る可能性もあることを頭に入れておきましょう。

【初心者向け】インデックス投資の始め方

インデックス投資の始め方は、次のステップに沿って行うことがおすすめです。

(1)リスク許容度を把握する
(2)指数を選ぶ
(3)購入する窓口を選ぶ
(4)口座を開設する(必要ならNISAも)
(5)投資する

それぞれ順番に解説していきます。

インデックス投資の始め方(1)投資目的・リスク許容度を把握する

インデックス投資を行う前に、自分の投資目的やリスク許容度を明確にすることが重要です。投資目的とは、投資を通じて何を達成したいかということです。

たとえば、老後の資金や子供の教育費などの具体的な目標がある場合や、単に資産を増やしたいという場合などがあります。投資目的によって、投資期間や必要な資金、目標とするリターンなどが変わります。

「リスク許容度」とは、投資による損失に対してどれだけ許容するkとができるるかということです。リスク許容度によって、投資する市場や分野、商品などが変わります。

自分の投資目的やリスク許容度を明確にすることで、インデックス投資における指数や商品選びに役立ちます。

インデックス投資の始め方(2)指数を選ぶ

自分の投資目的やリスク許容度に合わせて、投資したい市場や資産の種類を決めます。

たとえば、日本の株式市場に投資したい場合は、日経平均株価やTOPIXなどのインデックスがあります。また、海外の株式市場に投資したい場合は、S&P500などのインデックスがあります。

インデックス投資の始め方(3)購入する窓口を選ぶ

インデックスファンドを購入するには、金融機関やネット証券会社などの口座が必要です。購入する窓口の選び方のポイントは、取り扱い商品の種類や数、手数料、サービスの利便性などです。

手数料とは、商品を購入や売却するときにかかる費用のことで、売買手数料や信託財産留保額などが含まれます。運用コストや手数料は、投資成績に直接影響を与えるため、できるだけ低いものを選ぶことが重要です。

運用コストや手数料は、商品のパンフレットやホームページなどで確認できます。一般的にネット証券は手数料が安いためおすすめです。

インデックス投資の始め方(4)口座を開設する

インデックス投資を行うには、インデックス投資に適した口座を開設する必要があります。インデックス投資に適した口座とは、インデックス投資の商品を多数取り扱っており、手数料や税制などが有利なものです。

特に、インデックスファンドであればNISA口座でも多くの商品が取り扱われているため、基本的にはNISAで投資することをおすすめします。NISAとは個人投資家の資産形成を支援するための、少額投資非課税制度のことです。

通常、株式や投資信託などの金融商品に投資をした場合、配当や売却益に対しては20.315%の税金がかかります。しかし、NISA口座で投資するだけで、これらの金融商品から得られる利益が非課税になります。つまり、税金がかからなくなります。

インデックス投資の始め方(5)投資する

購入する窓口で口座を開設できたら、インデックスファンドを購入します。購入する際には、購入金額や購入タイミングなどを考えます。

また、定期的に購入することで、平均的な価格で投資できる、ドルコスト平均法での購入がおすすめです。

インデックス投資で失敗しないためのコツ

インデックス投資は必ず成功するというものではありません。市場の下落局面では、元本割れする可能性もあります。

そこで次に、インデックス投資で失敗しないためのコツについて解説していきます。失敗しないコツは次の4つが挙げられます。

(1)リスク許容度内で投資する
(2)一括投資しない
(3)長期的な視野で投資する
(4)リバランスする

それぞれ、順番にみていきましょう。

インデックス投資で失敗しないためのコツ(1)リスク許容度内で投資する

インデックス投資で失敗しないためには、自分のリスク許容度に応じた投資をすることが重要です。なぜなら、自分が耐えられないほどの値動きがあった際に、狼狽売りして損をしてしまう可能性が高いからです。

リスク許容度を決めるポイントは、年齢(時間)、資産額、性格、家族構成、年収などいろいろあります。一般的に、年齢は若く、資産がたくさんあり、養う家族もいない、高年収な人はリスク許容度が高く、その逆はリスク許容度が低いということになります。

インデックス投資で失敗しないためのコツ(2)一括投資しない

リスクを抑えるためには一括投資ではなく、積立投資をすることも重要です。一括投資とは、一度にまとまった金額を投資することです。

市場の上昇局面では高いリターンを得られますが、一方で市場の下落局面では大きな損失を被る可能性があります。

積立投資とは、定期的に一定の金額を投資することです。積立投資のメリットは、資金が少なくても始められることや、ドルコスト平均法という効果で、市場の値動きに左右されずに平均的な価格で購入できることです。

ドルコスト平均法とは、定期的に、同額の同じ投資商品を買い続ける方法です。毎月同じ金額で、同じ投資商品を購入する方法で、価格が安価であれば、多くの口数を購入することができ、価格が高くなれば少しの口数を購入します。

ドルコスト平均法は、平均取得単価を抑える効果が見込めるというメリットがあります。積立投資を行うことで、リスクを抑えつつ、利益を最適化できます。

インデックス投資で失敗しないためのコツ(3)長期的な視野で投資する

インデックス投資は、長期的な視点で投資することが重要です。インデックス投資は、市場の動きに連動するため、短期的に激しく値動することはあまりありません。

時間をかけて経済成長の恩恵を受けることで、資産を増やすことができるのがインデックス投資の魅力です。短期的な値動きに一喜一憂せず、長期的な視点で投資するためには、自分の投資目的や期間を明確にし、定期的に投資成績を確認するようにしましょう。

インデックス投資で失敗しないためのコツ(4)リバランスする

リバランスとは、投資する市場や分野、商品の割合(ポートフォリオ)を定期的に調整することです。長期間、投資していると相場が変動してポートフォリオの比率が変わってしまいます。

この際、自身のリスク許容度応じてポートフォリオを組み直しましょう。具体的には、値上がりした資産を売り、値下がりした資産を買い増して理想の比率にメンテナンスする必要があります。

リバランスのメリットは、自分の投資目的やリスク許容度に合わせて、資産の分散度を維持できることです。リバランスのデメリットは、手間がかかることや、売買に伴うコストや税金がかかることです。

ポートフォリオを定期的に見直し、必要に応じてリバランス(再調整)を行い、リスクを適切に管理することで、失敗を防げる可能性が高まります。

インデックス投資に向いている人の特徴

「インデックス投資」は、多数の銘柄に分散投資することで、個別の銘柄のリスクを低減できます。また、インデックスは、市場の平均的なリターンを得られるため、過度なリスクをとらなくてもそれなりのリターンを得られます。

つまり、「リスクとリターンのいい塩梅をとりたい」という人に向いているといるでしょう。また、投資する指数を決めてしまえば、あとはひたすら投資し続けるだけであるため、「投資に時間をかけられない」という人にも向いている投資手法です。

インデックス投資に向いていない人の特徴

インデックス投資は、個別の銘柄の選択やタイミングの判断が不要なため、投資にかかる手間や時間を省けます。しかし、個別の銘柄の魅力や成長性を追求することはできません。

そのため、「自分で銘柄を選んで投資を楽しみたい」という人には向いていない可能性があります。また、インデックス投資では、市場の平均以上のリターンを得ることは基本的には不可能です。

従って、「短期的に大きな利益を得たい」という人にも向いていない投資手法であるといえます。そして、「生活が良くなる実感が欲しい」という人にも向いていない可能性があります。

インデックス投資まとめ

インデックス投資について、その概要やメリット・デメリットについて解説してきました。

分散投資することでリスクを抑えつつ、平均的なリターンが得られるため、投資初心者にもおすすめの投資手法です。

一方で、市場平均を上回るリターンが得られない、市場の下落局面では元本割れのリスクがある、ということも解説しました。インデックス投資をすることで必ず成功するというわけではありません。

インデックス投資で失敗しないために最も重要なことは、自分のリスク許容範囲内で投資をするということです。市場の暴落時に、自身の許容度を超えてしまい狼狽売りしないように、しっかりと戦略を立てて投資するように心がけましょう。

出典

金融庁 用語集
JPX日本取引所グループ TOPIX(東証株価指数)
S&P ダウ・ジョーンズ・インデックス S&P500
S&P ダウ・ジョーンズ・インデックス ダウ・ジョーンズ工業株価平均
Nasdaq NDXの概要
国税庁 株式・配当・利子と税

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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