更新日: 2024.07.01 NISA

NISA口座開設におすすめの証券会社7選を徹底比較! 手数料もくわしく解説! 【2024年7月版】

NISA口座開設におすすめの証券会社7選を徹底比較! 手数料もくわしく解説! 【2024年7月版】
近年では、「老後2000万円」問題がニュースなどでも報道されている関係から、資産形成に興味を持つようになった方も多いのではないでしょうか、資産形成の方法の1つとしてNISA制度が挙げられますが、2024年1月から各種内容が見直された新しいNISA制度が導入されています。上手に活用できると資産形成にも効果的であるため、内容について把握して自分自身の運用方針や投資額などについて判断しなければなりません。
本記事では、NISAの口座開設をするのにおすすめの証券会社に加えて、NISAの口座を開設するメリット・デメリットや向いている人の特徴・向いていない人の特徴についても解説するので、これからNISAを始めようと考えている方は参考にしてみてください。
FINANCIAL FIELD編集部

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NISAの口座開設におすすめの証券会社7選

NISAを始めるためには証券会社でNISA口座開設が必要になるため、どこの証券会社で口座開設するかについては判断しなければなりません。
どこの証券会社でNISA口座を開設しても基本的な部分は大きく変わりませんが、取り扱っている投資商品がそれぞれで異なります。自分が希望している投資商品があるなら、取り扱っている証券会社を選ぶことが大切です。
ここではNISAの口座開設におすすめの証券会社について紹介しますが、NISA以外にもどのような点に力を入れているかについても解説するので参考にしてみてください。具体的にNISAの口座開設におすすめの証券会社として、以下が挙げられます。

・SBI証券
・楽天証券
・auカブコム証券
・GMOクリック証券
・マネックス証券
・松井証券
・moomoo証券

それぞれの証券会社の特徴や強みについて解説するので、自分自身のライフスタイルや考え方に合っているものを選ぶようにしましょう。

NISAの口座開設におすすめの証券会社1.SBI証券

「SBI証券」は国内でも多くの方に利用されている証券会社の1つであり、有名な証券会社を希望する方などに選ばれるケースが多いです。NISA以外にも積極的に投資に取り組めるようにさまざまな工夫がされており、国内株式売買手数料・米国株式売買手数料・海外ETF売買手数料が無料になっています。
投資についてこれから勉強したいと考えている方、さらに投資知識を深めたいと考えている方に向けて、オンラインセミナーが開催されているのもポイントです。投資に役立つ情報発信もおこなっており、投資レポートや特集なども投資方針を決める際に役立ちます。幅広い投資情報を把握するのは効果的な投資には欠かせないため、信頼性が高い情報が集められるのは大きなメリットといえるでしょう。

NISAの口座開設におすすめの証券会社2.楽天証券

「楽天証券」は楽天グループが管理・運営している証券会社なので、普段から楽天グループが提供しているサービスを利用している方におすすめです。
初心者の方でも投資を始めやすいようにさまざまなサポート体制が整えられており、実際に現在楽天証券を利用している方の約80%が投資未経験者から始めています。貯めた楽天ポイントについても投資に使用できるため、幅広い方法での投資方法に対応している点が特徴です。
投資経験を持っている方でも満足できるように各種投資ツールも充実しており、少額で投資をする方から専門的に投資をおこなっている方まで満足できる内容になっているといえます。少額から投資を実際に経験して具体的な流れなどについて把握し、徐々に金額などを増やしていく方法も有効です。

NISAの口座開設におすすめの証券会社3.auカブコム証券

「auカブコム証券」は一人ひとりに合わせた豊富な投資商品ラインナップがそろっているため、投資初心者から投資上級者まで幅広い投資家に利用されている証券会社です。これから資産形成をしたいと考えている方をサポートできる環境が整っており、動画で各種サービスや各種操作方法について何度でも案内してもらえるので安心して利用することができます。
特徴的なのが、プチ株と呼ばれる100株単位の株式でも「1株から購入可能」な点であり、幅広い金融商品に投資してみたいと考えている方にはおすすめといえます。ツール・アプリについても充実しており、投資銘柄の株価をリアルタイムで確認できるものや、自分自身の投資成績が一目で判断できるものなどさまざまです。
用意されているツール・アプリについて上手に活用することが大切であり、使っていくうちに専門的な情報の確認方法などについてもわかるようになるでしょう。

NISAの口座開設におすすめの証券会社4.GMOクリック証券

「GMOクリック証券」は一人ひとりが積極的に投資をおこなえるように、業界最安水準の手数料が設定されています。
各種手数料が低く抑えられているので投資コストが低くなり、中長期的に投資を続ける際には効果的です。また、取り扱っている投資商品によっては24時間取引できるので、投資方針やライフスタイルに合わせながら選択できます。
これから投資を始める方でも安心して利用できるようにサポート体制も充実しており、各種手続きからツールのインストール方法まで柔軟な対応が魅力です。相談方法についてもフリーダイヤルとメールのいずれか好きな方法から選択することができるため、利便性も高いといえます。

NISAの口座開設におすすめの証券会社5.マネックス証券

「マネックス証券」は投資初心者や投資未経験者でも取り組みやすいように、1株からでも購入できるワン株(単元未満株)が用意されている点が魅力です。
国内株でも米国株でも1株から対応しているため、将来的には幅広い金融商品に投資したいと考えている方におすすめといえます。他にも、クレカ積立でポイントが還元され、貯めたポイントは投資や買い物など幅広い用途で使用可能です。
アプリについては投資上級者の方でも満足して使えるように、各銘柄の売上高や営業利益などの業績データが確認できたり、専門的な指標をグラフ表示できたりするなど投資方針を決める際などに役立ちます。株主優待について調べながら投資先を決定したい場合でも検索可能なので、さまざまな方法で投資商品を決められるでしょう。

NISAの口座開設におすすめの証券会社6.松井証券

「松井証券」ではNISAを始めとして幅広い金融商品を取り扱っているため、NISAに取り組んでいる間に他の金融商品にも取り組みたいと考えた際にも柔軟に対応可能です。用意されているアプリやツールもあり投資方針やライフスタイルの変化に強い点もメリットといえます。また、それぞれが専門的な知識やノウハウについて勉強するために、オンラインセミナーやマーケット解説も充実していて、投資初心者でも投資上級者でも満足できる内容となっています。
松井証券は証券会社の中でもサポート体制が高く評価されており、マネープランから取引相談までサポートしてもらえます。他にも、株の取引相談では完全予約制で、専門的な知識やノウハウを持った相談員からアドバイスがもらえます。

NISAの口座開設におすすめの証券会社7.moomoo証券

「moomoo証券」は米国株式投資に力を入れている証券会社として挙げられ、米国株式の取扱数は7000銘柄以上と国内でも最高レベルです。また、原則として24時間取引可能ですが、その理由としては、米国株式市場が開いているのは、日本国内では夜中の時間に該当するためです。このように24時間取引ができると、仕事やプライベートで忙しくても空いている時間で気軽に取り組めるのが利点です。
他にも、これから投資を始めようとしている方でも具体的な流れについて覚えられるように、仮想通貨を使用したデモ取引も用意されています。デモ取引で投資方法などについて勉強できれば、投資リスクを抑えながらの投資にも効果的です。投資経験がない方は一度デモ取引をしてから、本番に臨むのがおすすめといえます。

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NISAの口座開設をするメリット

NISAの口座開設にはさまざまなメリットがあるため、実際に口座開設する前には理解しておくことが大切です。
具体的なメリットについて把握しておけば効果的な資産形成につながるため、運用方針やライフスタイルと合致しているか判断しなければなりません。NISAの口座開設をするメリットとしては、以下が挙げられます。

・運用益や分配金が非課税対象
・少額からでも投資が始められる
・投資初心者や投資未経験者でも取り組みやすい
・保有商品についてはいつでも換金できる
・投資方針やライフスタイルの変化に対応しやすい

NISAの口座開設をするメリットについて解説するので、これからNISAを始めるか検討している方は参考にしてみてください。

NISAの口座開設をするメリット1.運用益や分配金が非課税対象

NISAでは運用益や分配金が非課税対象なので、一般的な投資では課税される約20%の税金がかかりません。
どれだけうまく運用できても、最終的に税金を支払ってしまうと手元に残る金額が少なくなるため、投資効率が落ちてしまう可能性があります。仮に運用益が100万円あったとしても、100万円×約20%=約20万円が徴収対象となります。
このように本来なら差し引かれる金額についてもNISAでは再投資ができるため投資効率が上がるのに加えて、NISA口座は口座開設する際には証券会社が税務署に申請しているので確定申告なども必要ありません。投資によって運用益や分配金が発生しても、非課税対象で確定申告が不要なのもNISAの大きなメリットです。

NISAの口座開設をするメリット2.少額からでも投資が始められる

一般的な投資のイメージでは始める際に数十万円から数百万円の予算が必要と思われがちですが、証券会社によっては100円からでも始められます。
NISAも証券会社次第では100円から始められるため、余剰資金などを利用して気軽に取り組むことが可能です。まとまった金額を持っていなくても投資を始められて、手元資金に余裕ができたタイミングでまとめて投資する方法も有効です。
投資額や投資商品については、自分の好きなタイミングで変更できるため、収入が増えた際には積立設定を増やすことなども検討しましょう。ただし、NISAを始めとする投資にはあくまでも余剰資金で取り組んで、日常生活に影響が出ないようにしなければなりません。日常生活において思わぬ問題やトラブルが発生した際に、対応できるだけの生活防衛資金も確保しておきましょう。

NISAの口座開設をするメリット3.投資初心者や投資未経験者でも取り組みやすい

NISAは基本的な目的として投資初心者や投資未経験者でも取り組みやすいように制度内容が整備されているため、これから投資を始めようと考えている方でも取り組みやすいといえます。

投資商品についても金融庁が定めている一定の基準を満たしているものだけなので、投資リスクを抑えながら自分で投資方針などを決められる点がメリットです。また、長期的な運用益を出すことがNISAでは基本となっているので、一度積立設定した後は放置したままでも問題ありません。
各証券会社のサポートセンターなどではNISAの口座開設についてもサポートしているため、これから口座開設をしようと考えている方でも安心して利用することができるでしょう。

NISAの口座開設をするメリット4.保有商品についてはいつでも換金できる

NISAの口座開設をする主な目的は資産形成ですが、せっかく資産形成していても適切なタイミングで使えなければ意味がありません。
人によって資産形成したお金をいつ使うかのタイミングは異なり、老後資金・結婚資金・教育資金などさまざまです。NISAでは保有している投資商品をいつでも換金できるため、必要になったタイミングで対応できます。
換金時には、「非課税制度が適用されるので税金がかからず」に全額手元に入ります。また、換金方法についてはそれぞれの証券会社で定められている手続きに従ってください。ただし、NISAは長期的な資産形成をすることを目的とした制度であるため、本当に必要になったタイミング以外で換金することはおすすめできません。
どうしても換金すると複利効果などが薄れてしまうため、換金する際は明確な目的などを持っておこなうようにしましょう。

NISAの口座開設をするメリット5.投資方針やライフスタイルの変化に対応しやすい

投資を始めたタイミングでは投資商品についてこだわりを持っていないケースが多いですが、投資しながら自分自身で勉強していくと、投資に対してのこだわりが生まれてくる場合も少なくありません。積み立てしている途中でも積立設定などを変更すれば投資商品は変えられるため、投資方針やライフスタイルの変化にも対応しやすいといえます。
2024年1月から始まった「新NISA」では、非課税保有限度額が再利用可能なので、所有している投資商品を売却して投資のやり直しもできるようになりました。このように投資の柔軟性が高いためライフイベントへの対応力も十分であり、非課税保有限度額が再利用できるので状況に合わせながら何度でもいろいろ試すことができます。
旧NISAでは非課税保有限度額の再利用が認められていなかった関係から、保有している投資商品を売却するかの判断で悩んでしまうケースも少なくありませんでした。しかし、投資方針やライフスタイルの変化への柔軟性が高くなったので、まとまった資金が必要になるライフイベントでも換金がしやすくなります。

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おすすめポイント

【NISA】
・投資できる商品が多い
・NISA口座での国内株式 売買手数料0円
【つみたてNISA】
・幅広い投資信託ラインナップ
・100円から積立がスタートできる

NISAの口座開設をするデメリット

NISAの口座開設にはさまざまなメリットがある一方、同時にデメリットが存在している点については把握しておきましょう。実際に取り組む前にはメリット・デメリットの両方について把握してから、自分にとってメリットがあるか判断することが大切です。仮にデメリットについて把握できていない状態で取り組めば、思わぬ問題やトラブルに発展するかもしれません。
NISAの口座開設をするデメリットについては、以下が挙げられます。

・投資できる投資対象商品が金融庁から指定されている
・運用次第では元本割れするリスクがある
・継続的に投資するためには資金力が求められる場面がある
・税制上の制度が活用できないケースが存在している

それぞれのデメリットについて解説するので、メリット・デメリットを比較して自分がNISAに取り組むべきか判断してください。

NISAの口座開設をするデメリット1.投資できる投資対象商品が金融庁から指定されている

NISAは投資できる投資対象が金融庁から指定されているため、自分が気になっている投資商品が対象外になっている可能性が考えられます。
他にも、金融庁から指定されているとしても、証券会社が取り扱っていないケースも考えられます。そのため、NISAの口座開設をする際には証券会社が取り扱っている投資対象についても確認して、自分の運用方針やライフスタイルに合うか判断してください。
NISAでは基本的に、専門的な知識やノウハウを持っていない投資初心者や投資未経験者でも始めやすい投資商品が指定されていますが、実際に指定されている投資対象の数はかなり広いといえます。そのため、投資商品にこだわりを持っていない方、人気の投資商品に投資予定の方はそこまで大きなデメリットではありません。
NISAで指定されていない投資商品に投資したいと考えている場合は、NISA以外の方法で投資に取り組むようにしましょう。

NISAの口座開設をするデメリット2.運用次第では元本割れするリスクがある

NISAは専門的な知識やノウハウを持っていない投資初心者や投資未経験者でも投資リスクを抑えやすいですが、投資は自己責任でおこない、元本割れするリスクがある点についてはあらかじめ理解が必要です。
NISAでは、長期投資や分散投資に対応している投資商品が対象になっているとはいえ、あくまでも投資リスクが他の投資方法と比べて低いだけであるともいえます。ハイリスクハイリターンのものでも利益が出るケースもあれば、ローリスクローリターンのもので元本割れや損失が出るケースもあるでしょう。投資商品や運用方法を工夫しても完全に投資リスクをゼロにはできないため、投資リスクについては視野に入れておかなければなりません。
相場は常に右肩上がりで推移するわけではなく、上がったり下がったりしながら評価額が変動します。投資に関しての専門的な知識やノウハウを持っていても完全に相場を予想することはできないので、できる限り元本割れするリスクを抑えるためにも「長期投資」「分散投資」は大切です。

NISAの口座開設をするデメリット3.継続的に投資するためには資金力が求められる場面がある

NISAは長期的な資産形成をサポートしてくれる制度ですが、複利による投資効果を得るためには継続的に投資をすることが重要になります。
少ない金額からでも投資ができるのはNISAの魅力といえる一方で、手元資金が足りないからとせっかく投資したものを短期間で換金を繰り返すのはおすすめできません。大きな投資効果を得るためにも定期的に投資をおこないながら、ある程度の期間は保有することがポイントです。
そもそもNISAに限らずあらゆる投資では余剰資金を活用することが原則なので、短期的に換金を繰り返す状態ではその原則を守れていません。一般的には余剰資金に余裕がある時には多めに投資して、余剰資金に余裕がない時は少なめに投資するなどの工夫が求められます。
継続的に投資を続けるためにも余剰資金・投資方針・ライフスタイルのバランスを考慮して、どうすれば安定して投資できるかなども検討しなければなりません。

NISAの口座開設をするデメリット4.税制上の制度が活用できないケースが存在している

一般的な投資では税制上の制度として「損益通算」と「繰越控除」が活用できますが、NISAでは損益通算と繰越控除の活用ができません。NISA以外の方法で投資して損失が出た際には、制度を上手に活用することで利益と相殺することができます。
「損益通算」とは、例えば商品Aで100万円の利益が出たとして、商品Bで100万円の損失が出た際には利益と損失で相殺可能です。100万円の利益と100万円の損失を相殺すると最終的な利益は0円として確定申告できます。
「繰越控除」では運用した結果として損失が出た際に、その損失を3年間繰り越せる制度です。昨年度に100万円損失が発生して本年度に100万円の利益が出た場合、それぞれを相殺して利益を0円として計上可能です。
このように、一般的な投資では税制上の制度が活用できますが、NISAを利用している際には活用できないので注意が必要です。ただし、投資をNISAでしかしていないならそこまで気にしなくても問題なく、あくまでもNISA以外の投資方法をしている際に適用される制度です。

NISAでかかる手数料はなにがある?

NISAを利用するためにはさまざまな手数料がかかりますが、具体的にどれくらいの手数料になるかは証券会社によって異なります。NISAの口座開設をする前には手数料についても比較するのがおすすめです。
例えば、買付手数料は無料でも売却手数料がかかる、投資信託には手数料がかからなくても国内株式や外国株式手続きには手数料がかかるなどが挙げられます。

各種手数料に関しては1回の金額で考えるとそこまで大きくなくても、何度も積み立てしていくうちに最終的には金額が膨らんでしまう可能性もあります。他にも、信託報酬などもかかりますが、これは個人投資家に代わって投資・運用をおこなう運用会社に支払われる手数料になります。どれくらいの信託報酬がかかるかについては投資商品ごとに決められており、年率で表示されているので投資前には確認しておきましょう。
例えば、信託報酬0.1%と記載されている場合は、自分の保有額に対して年率0.1%が運用会社に支払う費用となります。信託報酬についても、同じ投資商品でも運用会社によって違うため、さまざまな部分を総合的に含めて判断しなければなりません。

信託報酬を少しでも抑えるポイントとは?

それでは、信託報酬を少しでも抑えるポイントとはどんなことが挙げられるでしょうか?
投資商品ごとに信託報酬については決められていますが、それよりも重要なのはどこの証券会社で投資するかです。基本的には銀行や地方銀行などの金融機関のほうが信託報酬は高く、証券会社の方が信託報酬は低く設定されている傾向にあります。
また、同じ証券会社でもネット証券会社の方が信託報酬は低いケースが多いため、それぞれの証券会社が持っているメリットや特徴に合わせて考えることが大切です。

NISAの口座開設をするのが向いている人の特徴

NISAの口座開設をするのに向いている人の特徴はさまざまですが、始める前には自分が合っているかどうかの判断は大切です。特にこれまでに投資をした経験がない方は本当に始めるべきか悩むケースも多いため、NISAの口座開設前には一度確認してみてください。

NISAの口座開設をするのが向いている人の特徴として、以下が挙げられます。

・長期的な資産形成をしたいと考えている
・これまでに投資経験がなくて専門的な知識やノウハウがない
・一度設定した後は放置したままで資産形成したい
・投資リスクを抑えながら取り組みたい

一般的な株式投資などと比較すると投資初心者や投資未経験者でもNISAは始めやすく、投資経験がない方が初めて取り組むにはおすすめの方法です。具体的にNISAの口座開設をするのが向いている人の特徴について解説するので、これから投資を始めるか迷っている方は参考にしてみてください。

NISAの口座開設をするのが向いている人の特徴1.長期的な資産形成をしたいと考えている

NISAでは基本的な考え方として長期的な資産形成を目指しているため、金融庁が選んだ投資商品は長期・積立・分散投資の要件を満たしています。
短期的に運用益を出そうと考えている方にはNISAは向いておらず、そもそも短期的な投資はリスクが高くなる傾向にあります。また、NISAでは本来課税される所得税などが非課税なので、資産形成がしやすいのも魅力といえます。
長期的な資産形成は、ライフイベントに対応するためにも重要であり、自分自身が置かれている状況などに合わせながら運用方針や投資商品は選ばなければなりません。ライフイベントとして挙げられるのは、老後資金・住宅資金・教育資金などのまとまった資金が必要なタイミングです。非課税保有期間についても新NISAでは無期限化されたため、旧NISAよりも長期的な資産形成がしやすくなりました。

NISAの口座開設をするのが向いている人の特徴2.これまでに投資経験がなくて専門的な知識やノウハウがない

NISAはこれまでに投資経験がなく専門的な知識やノウハウがなくても始めやすい制度で、これから投資に対して勉強したいと考えている方にもおすすめです。
投資商品についても金融庁が全体的なバランスを考えながら選んでいるため、他の投資方法と比較すると安全性が高いといえます。これから投資を始めようとする際にはまずNISAから始めて、基本的な投資方法や投資商品について勉強するのも有効な方法です。
最初の頃はどのような投資商品に投資すればいいかわからないケースも多いですが、ある程度投資を続けているとこだわりが生まれてくる場合も少なくありません。どのような投資商品に投資すればいいか迷っている場合、それぞれの証券会社が公開している人気ランキングを参考にするのもおすすめです。人気ランキングにランクインする投資商品はそれだけの理由があるため、リスクとリターンについて調べるのも勉強方法として挙げられます。

NISAの口座開設をするのが向いている人の特徴3.一度設定した後は放置したままで資産形成したい

NISAは一度積立設定をすると後は決められた日に自動的に積立してくれるので、何度も細かい設定をしたくないと考えている方には向いているでしょう。
仕事やプライベートで忙しいと、証券口座を開くのを忘れてしまうケースもありますが、基本的に積立設定がしっかりとできていれば放置していても問題ありません。具体的な設定方法についてはNISA口座を開設した証券会社によって違うので、それぞれの設定方法に従いながら進めてください。
ただし、積立設定を忘れていると効果的な資産形成ができないのに加えて、引き落とされる口座には十分に入金しておく必要があります。積立設定については何度でもやり直しができるため、運用方針やライフスタイルが変化した際には積立設定を見直すようにしましょう。毎月の決まった積立設定以外にもボーナス入金なども対応しており、余剰資金をまとめて投資したい場合はボーナス設定も可能です。

NISAの口座開設をするのが向いている人の特徴4.投資リスクを抑えながら取り組みたい

投資リスクを抑えながら資産形成したいと考えている方にはNISAはおすすめといえ、長期的に取り組むためにも投資リスクの理解は重要といえます。
NISAで投資できる投資商品は長期・積立・分散投資の基準を満たしているため、他の投資方法と比較すると投資リスクを低く抑えられています。注意点としてはどのような投資方法にも投資リスクはありますが、基本的な投資リスクを抑える方法として「長期投資」、「分散投資」の2つが挙げられます。
長期投資は、投資した投資商品を10年以上保有することで、投資リスクを抑える効果に加えて複利で投資効果を高めることも可能です。NISAでは基本的に長期間保有することが前提なので、投資初心者や投資未経験者でも無意識に取り組みことができます。
分散投資は、1つだけの投資商品に集中的に投資せずに、複数の銘柄に投資して投資リスクを抑える方法です。例えば、1つだけの銘柄に投資して、さまざまな要因で大きく相場価格が減少すれば、保有している金融資産も大きく減ってしまうことにつながります。投資信託は複数の金融商品が取り入れられているため、分散投資に適しているのも特徴です。

NISAの口座開設をするのが向いていない人の特徴

NISAの口座開設をすると非課税制度で資産形成がしやすいなどの魅力がありますが、中にはNISAを利用して資産形成するのが向いていない方も一定数います。基本的にはNISAは他の投資方法にはない特徴を生かしながら資産形成ができますが、どうしてもこの考え方と合っていない方もいるでしょう。

具体的にNISAの口座開設をするのに向いていない人の特徴として、以下が挙げられます。

・長期的ではなく短期的に運用益を出したい
・生活資金を削ってでも投資資金に回してしまう
・投資リスクである元本割れや損失を受け付けられない

それぞれの特徴について解説するので、自分が該当していないか確認してみてください。

NISAの口座開設をするのが向いていない人の特徴1.長期ではなく短期的に運用益を出したい

NISAは基本的な考え方として長期的な視点を持って取り組むのが目的なので、短期的に運用益を出したいと考えている方には向いていません。
仮に短期的に運用益を出したいと考えている場合、NISAではなくFXなどの違う方法で資産形成を目指すほうがいいといえます。NISAは始めてから数年程度で資産形成できる制度ではなく、数十年単位の長い目で取り組むことが大切です。
新NISAでは非課税保有期間が無期限化されたため、長期保有が以前よりもしやすくなり資産形成への効果も大きくなると予想できます。短期的に運用益を出すのは長期運用と比較するとリスクが高くなるのは避けられないので、各種投資方法について勉強して、理解できてから取り組むようにしましょう。

NISAの口座開設をするのが向いていない人の特徴2.生活資金を削ってでも投資資金に回してしまう

NISAは、つみたて投資枠120万円と成長投資枠240万円の両方を活用すると最大年間360万円、非課税保有限度額1800万円まで投資可能です。
人によってはこの非課税保有限度額を最大限活用するために、生活資金を削ってでも投資資金に回してしまう方もいるかもしれません。しかし、実際には生活資金を削ってでも投資資金に回すのは投資の原則から外れており、そのようなことをしてしまった場合、普段の生活になにか問題やトラブルが発生した際の対応が困難になる可能性が高いです。
NISAに限らずあらゆる投資は余剰資金で取り組むのが原則として挙げられ、余剰資金とは生活費や生活防衛資金などを除いた自由に使用できるお金を指します。少しでも多く投資したいと考えて、例えば、無駄遣いをやめて投資資金に回すのは問題ありませんが、明らかに無理をして生活資金を削ることなどはおすすめできません。
投資よりも日常生活を守る意識を持って、無理のない範囲で取り組む必要があります。

NISAの口座開設をするのが向いていない人の特徴3.投資リスクである元本割れや損失を受け付けられない

NISAを始めとする各種投資には投資リスクである元本割れや損失が発生する可能性が挙げられ、コツコツと積み立てをしても一時的に元本割れや損失が発生するかもしれません。
ただし一時的に赤字になったからといって決して悪いわけではなく、一般的に相場価値は上昇していく過程で上がり下がりを繰り返します。そのため、一時的な元本割れや損失が起きたとしても焦らずに、様子をみることもNISAでは重要です。
しかし、人によってはこのような一時的な損失でも受け付けられないと感じる方もいるでしょう。そのような方はそもそも投資自体に向いていない可能性があります。仮に投資リスクを完全に避けたいと考えているなら、投資よりも定期預金や現金預金のほうがおすすめです。

NISAの口座開設をする際の注意点とは?

NISAの口座開設をする際の注意点としては、全ての金融機関において1人1つしか開設できないので、口座開設する証券会社については慎重に判断するのがおすすめです。後からNISA口座を管理する証券会社を変更したい場合、移管手続きなどをしなければなりません。証券会社はNISA口座の開設を依頼された際には税務署への申告などが必要になるため、複数のNISA口座を開設することはできません。
他にも、NISA口座を開設した後にはしっかりと運用するようにして、せっかく開設したのに何もしないという状況は避けましょう。また、積立設定をしても引き落とし日などに口座入金額が不足していると積み立てができないので、引き落とし日までには忘れずに入金が必要です。
NISAは投資初心者や投資未経験者でも取り組みやすい制度ですが、それでも基本的な部分については理解しておくのが、思わぬ問題やトラブルを避けることにつながるでしょう。投資リスクについては理解しながら、どのようにNISAを運用すればいいか考えることが大切です。

2024年1月から新しいNISA制度がスタート

2024年1月から新しいNISA制度がスタートしていますが、2023年12月までの旧NISA制度と比較するとさまざまな変更点が存在しています。基本的には新NISA制度のほうが各種内容について見直されているため、上手に活用できると投資効果が大きくなる可能性があります。
例えば、旧NISA制度ではつみたてNISAと一般NISAの2つのうちどちらかしか利用できませんでしたが、新NISA制度ではつみたて投資枠と成長投資枠の両方を利用できます。新NISA制度は旧NISA制度よりも投資できる選択肢が広くなっており、自分自身で考える重要性も高くなるでしょう。

旧NISA制度と新NISA制度の違いについては、図表1・図表2を参考にしてみてください。

図表1:旧NISA

旧NISA つみたてNISA 一般NISA
年間投資可能額 40万円 120万円
非課税保有期間 20年間 5年間
口座開設期間 2023年まで 2023年まで
投資対象商品 金融庁の基準を満たした投資信託に限定 上場株式・投資信託など

金融庁「新しいNISA」を基に作筆者成

図表2:新NISA

新NISA つみたて投資枠 成長投資枠
年間投資可能額 120万円 240万円
非課税保有期間 無期限化 無期限化
非課税保有限度額 1800万円(成長投資枠は1200万円まで)
口座開設期間 恒久化 恒久化
投資対象商品 金融庁の基準を満たした投資信託に限定 上場株式・投資信託など

金融庁「新しいNISA」を基に筆者作成

このように各種変更がなされていますが、図表だけを比較しても具体的にどのような点が見直されたかについてはわかりにくいかもしれません。どのような点が変更されたかについて把握しておくことが、新NISA制度の上手な活用につながるでしょう。
ここでは具体的な変更点について詳しく解説します。

新NISAのポイント1.非課税保有限度額が大きく増える

非課税保有限度額が旧NISAでは最大800万円である一方、新NISAでは最大1800万円なので大きく増えています。
それに伴って、1年間で投資できる最大金額についても変動しているため、以前よりも投資額については自由に決められるようになっています。年間の投資可能額については、旧NISAではつみたてNISA80万円・一般NISA120万円ですが、新NISAはつみたて投資枠120万円+成長投資枠240万円=360万円です。
年間投資可能額が増えるのは投資効果を大きくできる可能性があるため、積極的に余剰資金をNISAで投資したいと考えている方には魅力的といえます。また、最終的な非課税保有限度額も最大1800万円なので、一気に投資せずにコツコツと投資したいと考えている方にもおすすめです。自分自身の資産状況などを考慮しながら、あくまでも生活に負担がかからない範囲での投資を心掛けるのがリスク管理につながります。

新NISAのポイント2.非課税保有限度額が再利用できる

非課税保有限度額が再利用できるようになったのは新NISAからですが、旧NISAでは非課税保有限度額が一度しか利用できなかったため自由度が低かったのも事実です。
NISAを利用して資産形成する1つの目的としては、ライフイベント(結婚・家を建てる・子どもの進学など)で、まとまった資金が必要な時に備えるためです。しかし、非課税保有限度額が再利用できないと、保有している投資信託商品や株式などを売却すると投資効果が失われてしまうという点が課題でした。
非課税保有限度額が再利用できないと売却を悩んでしまうケースもありますが、新NISAで再利用ができるようになったことで投資の柔軟性が高まります。他にも投資は基本的に中長期的な期間でおこなう必要があり、投資を長く続けていると投資方針が変わるケースも少なくありません。自分自身が置かれているライフスタイルや考え方の変化が起きるのは当然なので、リスクとリターンのバランスを見直す際にも非課税保有限度額が再利用できる点は魅力的です。

新NISAのポイント3.非課税保有期間が無期限化に変更

新NISAで非課税保有期間が無期限に変更されたのも大きなポイントの1つといえ、旧NISAではつみたてNISAが20年間・一般NISAが5年間の期限が設けられていました。さらに、1年間で使い切れなかった投資枠は復活しないため、つみたてNISAでも一般NISAでも投資枠いっぱいまで使うのはハードルが高かったといえます。
例えば、つみたてNISAは最高800万円まで投資できますが、毎年20万円しか投資枠を使えなかった場合、最終的な投資額は400万円です。

旧NISAではこのように機会損失にもつながるリスクがありますが、新NISAでは非課税保有期間が無期限なので自分のペースで投資ができます。手元資金に余裕がある時は年間100万円投資して、余裕がない時はまったく投資しないなどの方針でも問題ありません。投資では基本的な考え方として、保有している期間が長いほど運用益のメリットが受けやすいとされているため、無期限化で保有期間が長くなると運用益にも期待できます。

新NISAのポイント4.旧NISAから始めていると自動で移行される

新NISAは2024年1月から開始されていますが、それまでに旧NISAを活用している方は基本的には自動的に新NISAに移行されるので安心してください。再度各種口座開設などの手続きをする必要はありません。ただし、旧NISAで設定していた積立設定などもそのままの形で移行されるので、投資商品などについて見直したい方は再度積立設定をしてください。
旧NISAで保有している投資商品については必ず売却する必要はなく、つみたてNISAは20年間・一般NISAは5年間そのまま非課税で保有できるのに加えて、必要に応じて売却も可能です。注意点としては、長期保有しているとそのうち非課税保有期間が終わるタイミングがくるため、将来的に売却などを忘れないように覚えておく必要があるという点です。旧NISAで売却した資金を新NISAに投資しても問題ないので、管理をまとめておこないたい方は検討してみてください。

新NISAのポイント5.旧NISAよりも判断が必要な場面が増える

新NISAでは旧NISAよりも自身の判断が必要な場面が増えますが、考え方によっては自由度が高くなってそれぞれが新しい取り組みを試せる環境になったともいえます。
以前は、非課税保有限度額が再利用できなかったり、つみたてNISAと一般NISAのどちらかの枠しか使えなかったりと自由度が低い部分もありました。新NISAはつみたて投資枠と成長投資枠をどのように使用するか考えるのに加えて、どちらの枠を重点的に使用するかも判断しなければなりません。
しかし、さまざまな部分が見直されたとしても、投資初心者や投資未経験者でも取り組みやすい制度であることは変わらないため、基本的には難しい設定や細かい設定をしなくても大丈夫です。旧NISAと同様に設定だけして後は放置する方向性で取り組む方法、相場などをみながら時々積立設定を見直す方法など運用方法は幅広いです。

NISA口座開設まとめ

NISAは上手に活用できると投資効果を得られますが、あくまでも投資は自己責任と理解して取り組まなければなりません。しかし、NISA制度はこれまでに投資を経験したことがない方でも、利用しやすいようにさまざまな工夫がされています。注意点としては、旧NISAと比較すると新NISAでは自分で考えることが増えるため、各種設定や投資枠の使い方などについてはある程度は勉強するのがおすすめです。
長期的な資産形成をしたいと考えている場合、新NISAによる投資は有効な方法の1つとして挙げられます。NISA口座開設を検討しているなら、それぞれの証券会社が持っている特徴と自分の考え方が合っているところを選ぶようにしましょう。

出典

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