更新日: 2024.05.07 NISA

友人が学資保険の代わりに新NISAを始めたそうです。確実に教育費を貯めていきたいのですが、どちらがいいのでしょうか?

友人が学資保険の代わりに新NISAを始めたそうです。確実に教育費を貯めていきたいのですが、どちらがいいのでしょうか?
将来の大学資金や子どもの生活費として、学資保険や新NISAで準備する人は珍しくありません。しかしいざ始める場合には、どちらを選んだらいいのか迷ってしまう方も多いでしょう。
 
そこで本記事では、十数年後の資金を形成する方法として学資保険と新NISAのどちらがいいのかについて解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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学資保険と新NISAの違い

学資保険と新NISAの主な違いを、図表1にまとめました。
 
図表1

学資保険 新NISA
分類 保険 投資
返戻率(利回り) 低い傾向にある 高い傾向にある
リスク ある(途中解約時の解約返戻金が払い込み済みの保険料を下回るなど) ある(元本割れなど)
預ける金額 一定 自由
出金タイミング 決まっている 任意

筆者作成
 
図表1で比較すると、それぞれ異なる性質を持つ金融商品だと分かります。
 
学資保険は、一定期間保険料を払い込むことでお金を積み立てるタイプの保険商品です。
 
子どもの年齢が主に12歳までに加入でき、15歳満期・18歳満期・22歳満期などに合わせて教育資金を準備できます。加入タイミングや内容によって保険料の負担額は異なりますが、原則として早めに加入するほど月々の負担が少額になります。
 
新NISAは、一定額までの元本による投資で得た利益にかかる税金が免除される制度です。通常、投資額や対象商品に応じて得た配当金や売却益は課税対象ですが、NISA制度を利用することで非課税になります。
 
投資信託のみに対応した「つみたて投資枠」と個別株(企業の株式)を買える「成長投資枠」の2種類があり、それぞれ年間の非課税枠やリスク・リターンの特徴が異なります。
 

学資保険のメリット・デメリット

学資保険のメリットとデメリットは、図表2のとおりです。
 
図表2

    

学資保険
メリット ・元本が保証されているので資金計画を立てやすい
・一定条件で保険料の払い込みが免除される場合もある
・生命保険料控除で節税できる
・けがや病気のサポートや相談を受けられる
デメリット ・任意のタイミングでお金を引き出せない
・保険金を受け取る際に税金がかかる
・増える割合は低い

筆者作成
 
学資保険は保険商品の特性を生かして、所得税の減額や万が一の病気や事故のときに備えられる点が主なメリットです。一方投資ではないため、増えるスピードは「銀行預金よりはまし」といった程度です。元本は保証されますが、少しプラスされるくらいと認識しておきましょう。
 

新NISAのメリット・デメリット

新NISA のメリットとデメリットは、図表3のとおりです。
 
図表3

    

新NISA
メリット ・投資額は自由
・任意のタイミングで出金できる
・利回りが預金や保険よりも高め
・教育資金以外にも使える
デメリット ・元本割れのリスクがある
・出金した分だけ元本が減り、資産が増えるスピードが遅くなる
・非課税にできる金額は限られる

筆者作成
 
新NISAは、金融商品の利益を一定額まで非課税にする制度であるため、学資保険のような保障や生命保険料控除は存在しません。また投資の性質上、元本が保証されない点にも注意が必要です。しかし、売却や購入は自由にできるため、教育資金だけでなく万が一のときの備えとしても使えます。
 

教育資金として貯めるならどちらがいい?

次に、教育資金として学資保険と新NISAを利用する場合に、どちらが向いているかについて解説します。
 

学資保険はリスクをかけたくない人向き

学資保険は元本割れのリスクを避けたい人や、支出を減らしたい方におすすめです。お金を増やす側面より、今あるお金をキープして節税で間接的にお金を増やす、「守り」の資産運用といえるでしょう。
 
増えるペースはわずかではありますが、満期を迎えれば基本的に元金よりも増えたお金を受け取れます。
 

新NISAは大きなリターンがほしい人向き

新NISAは、積極的にお金を増やしたい方に向いた手段です。非課税の仕組みと高い利回りでお金を増やす「攻め」のスタイルといえるでしょう。元本割れのリスクがあるため、投じる金額は無理のない範囲から始めることをおすすめします。
 
投資は、対象商品や運用スタイルが非常に幅広く、自分に合った投資スタイルがなかなかつかみにくい点が特徴です。そのため、始める前に書籍やWebサイトなどで、ある程度の知識をつけてから臨みましょう。
 

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家計の状況に合わせて選択しよう

学資保険と新NISAのどちらかで迷う場合、家計の収支で判断するとよいでしょう。投資は価格変動による損失のリスクが伴うため、原則として「最悪、減っても許容できる範囲のお金」を使って行います。
 
実際の資産運用では、貯金できるお金に合わせて、学資保険と新NISAをそれぞれ用意する方法も検討しましょう。
 

出典

独立行政法人郵便貯金簡易生命保険管理・郵便局ネットワーク支援機構 学資保険
金融庁 NISA特設ウェブサイト NISAを知る
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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