更新日: 2019.01.07 その他資産運用

〈柴沼投資塾〉少額インデクス投資入門③。積立投資信託の最低金額が100円に!

〈柴沼投資塾〉少額インデクス投資入門③。積立投資信託の最低金額が100円に!
筆者はいつもクライアントからの投資に関する問合わせについて「やったことがないのならば、インデクス投資から始めましょう」とご案内していますが、その次に返ってくるのが「でも元手がないから」というコメント。「いえいえ、少額ですから、大丈夫ですよ」ということをお伝えしています。具体的に少額といっても、どれくらいだろうと思いますよね。投資というと、「まとまった資金」というイメージを抱かれるようですが、今はいくらからできるのでしょうか?
柴沼直美

Text:柴沼直美(しばぬま なおみ)

CFP(R)認定者

大学を卒業後、保険営業に従事したのち渡米。MBAを修得後、外資系金融機関にて企業分析・運用に従事。出産・介護を機に現職。3人の子育てから教育費の捻出・方法・留学まで助言経験豊富。老後問題では、成年後見人・介護施設選び・相続発生時の手続きについてもアドバイス経験多数。現在は、FP業務と教育機関での講師業を行う。2017年6月より2018年5月まで日本FP協会広報スタッフ
http://www.caripri.com

2017年5月12日から最低投資金額が100円に!

これまでは、投資信託の最低投資金額はカブドットコム証券の500円でした。インターネットやスマホの画面で必要事項を入力し、マイナンバーカードがあれば、その表裏、ない場合は通知カードと身分証明証を写真でアップロード登録すれば仮IDがメールで送られてきます。その間は5分ぐらいです。その後すぐに仮IDでとりあえず、サイトの中を確認することができ、900以上のラインナップの中からお好きな銘柄を500円から積み立てで投資できます。(2017年5月15日現在)。ネット証券会社では利便性も重要視していて、自動引き落としが可能な銀行もどんどん増えています。

投資に関する敷居はここ数年で低くなり、「その気さえあれば」気軽に楽しみながら積み立て投資をするチャンスは広がる一方です。

最近のビッグニュースといえば、楽天証券が2017年5月12日、投資信託の最低購入金額を100円とした「100円投資」のサービス提供を同27日から開始すると発表したことです。楽天グループの各サービス利用で付与される「楽天スーパーポイント」で投資信託の購入ができるサービスも同年夏ごろを目途に開始することも併せて発表しました。楽天証券では従来、投資信託での積み立てサービスの最低金額は1,000円でした。これは非常に画期的です。同業他社でも最低金額の引き下げや、使い勝手のいいサービスの提供などの追随が予想されますね。

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ポケットマネー的な少額投資に適する商品は何か?

500円や100円での積み立て投資信託、というと「そこまで単位を引き下げてしまえば、気軽ではあるが、たまらないのでは」と思われるかもしれません。確かに投資信託は基本1万口(すなわち1万円)が基準価額です。毎月500円だとすれば2年間、100円ならば8年かかりますから、その間、基準価額がずっと上がり続けているかどうかということには疑問です。「毎月の単価が低い=時間がかかる」というのは当たり前ですから値動きの荒い銘柄ではなく、安定的な銘柄に投資すべきですね。

例えば「プチ・ポートフォリオ」を組むにあたって、メリハリをつけてみるのはどうでしょうか。毎月500円、あるいは100円のプチ積み立てはあくまでリスクを抑えた、コツコツ投資で国内の上場株式すべてを網羅したインデクスで、手数料も徹底的にシビアに、時間だけを味方につけるという戦略をとります。さすがに、いくら堅めにとはいっても、国内債券に投資をするのは定期預金と同じなのでやめましょう。(こちらについては以前にもお伝えしたかと思いますが、皆様が定期預金として預けたお金は、金融機関では貸出に回していきたいところですが、今はお金をかりたい企業がありませんので、やむなく国債に投資しています。つまり「定期預金=国債を買う」です。みなさんがご自身で投資をするなら国債以外の商品から選択しましょう。)それに対して、一括投資はボーナス時に1万か2万円と決めてみて、こちらでは少しリスクをとって海外株式ものや、海外リートものなどで冒険をしても、値動きのアップダウンを楽しむ余裕が出てくるかと思います。これなら、負担感はほとんどなく、年間10万円近くを知らず知らずのうちに投資していることになります。

500円玉を貯金箱に入れても利子はつきません

加えて、「そんなにまとまった金額に至るまでに時間がかかるのならやる意味がない」という声も聞こえてきます。それでは、使わない500円をそのまま貯金箱に入れておくだけで利子がつくでしょうか? という反論をお返ししたいと思います。

派手に大きな金額を一か八かという博打気分で投資するという固定観念はバブル時代の終焉とともに薄れ、「地味にコツコツ」がやがて大きな実を結ぶ「実直な投資」マイペースできばらない「ゆるい投資」「ながら投資」というスタンスを推奨しているのが最近の国の施策(積立NISAやiDeCo)からも感じられますね。

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