将来は社会保険料が「金融資産に応じて高くなる」って本当!? お金はNISAより「タンス預金」すべきなの? 現時点の検討内容を解説

配信日: 2024.06.05

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将来は社会保険料が「金融資産に応じて高くなる」って本当!? お金はNISAより「タンス預金」すべきなの? 現時点の検討内容を解説
2024年4月、社会保険料の算出において金融資産(金融所得)も反映することを検討しているという報道が話題となりました。
 
2024年1月から新NISA制度がスタートしていますが、政府は「金融所得を増やそう」と言いながら、金融所得を増やしたら社会保険料も増額になるということで反発の声も出ています。
 
本記事では今回の検討内容について紹介するとともに、金融所得とは何か? NISAはやらないほうが良いのか? などについて解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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そもそも金融所得とは何か?

金融所得とは給与所得などとは異なり、株式や投資信託などの金融商品から得られる所得のことです。例えば、株式の配当金や投資信託の分配金、債券の利子などが該当します。
 
金融所得からは所得税と住民税、復興特別所得税が徴収されており、税率は一律で20.315%です。NISA口座ではこの税率が0%となり、非課税となっています。
 

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そもそも今回の報道内容は会社員には無関係?

報道によると、厚生労働省が検討しているのは国民健康保険(国保)や介護保険、75歳以上が加入する後期高齢者医療制度の保険料に対する算出方法に金融所得を加えることです。
 
現行制度では、金融所得を確定申告した人は社会保険料に反映され、確定申告していない人は反映されない仕組みになっており、制度的に不公平だといわれています。この不公平を是正するために、確定申告しない人の金融所得も社会保険料に反映することが今回の検討内容です。
 
従って、対象となるのは国保や後期高齢者医療制度に加入する自営業やフリーランスなどの個人事業主、年金生活者であり、会社員は健康保険(健保)に加入しているため関係ありません。
 

会社員の金融所得を社会保険料に反映させるのは至難の業

会社員の健康保険料は会社が支払っており、会社側は保険料の半分を負担する義務があります。仮に会社員の金融所得を社会保険料に反映するとなると、個人情報でもある個人の資産状況まで会社に知られることになりますし、金融所得により社会保険料がアップした場合、会社負担分もアップするのか? などさまざまな課題があります。
 

NISAはやらないほうが良いの?

今回の検討でもNISA口座が対象となるかはまだ不明ですし、「2028年度までに道筋を決定したい」との報道もあるので、実現するにしても金融所得が社会保険料に反映されるのは当分先になります。
 
また令和6年度の都道府県標準保険料率(所得割)は医療、後期支援分、介護納付金分併せて14.31%ですので、現行の金融所得への課税率(20.315%)よりも少ないです。NISA口座での運用が税制上有利なのは変わりませんので、資産運用するならNISA口座を活用した方が良いと考えます。
 

資産運用せずにタンス預金はどうか?

仮にインフレ率が2%で推移すると、タンス預金の価値は年々下がり、36年後には半分の価値となってしまいます。そもそも金融所得に含み益や投資元本は含まれませんし、もうかった場合のみ社会保険料に反映されます。
 
タンス預金ではインフレでお金の価値が目減りするだけですが、資産運用すれば利益が出る可能性があり、利益となれば所得となり、社会保険料に反映されるので、利益が出ている分だけタンス預金よりもお得になります。
 

まとめ

今回の話題は会社員が対象ではなく、自営業やフリーランス、個人事業主、年金生活者が対象の国民健康保険や後期高齢者医療制度などで検討しているという大前提があります。
 
また今回の検討の趣旨は「年金や収入は少ないけど、金融所得が多い人にもひっ迫する社会保険料をそれなりに負担してもらう」ことです。
 
そして今回の検討が実現する可能性も未知数であり、実現するとしても2028年度以降の見込みです。仮に実現した場合でもNISA口座での運用が税制上有利なことは変わりませんし、所得として社会保険料に反映されるのは利益分だけですので、インフレで価値自体が目減りするタンス預金よりも投資の方が有利なのは変わらないと筆者は考えています。
 

出典

国税庁 株式・配当・利子と税
東京都保健医療局 令和6年度確定係数に基づく標準保険料率
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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