更新日: 2019.01.07 その他資産運用

AIが資産運用する!?ロボアドバイザーが導くこれから(前編)

AIが資産運用する!?ロボアドバイザーが導くこれから(前編)
AI(人工知能)と金融は結びつきが強いですね。
 
いろいろな金融システムでAIが使われています。ここでは、AIが資産運用する「ロボアドバイザー」について説明します。
 
村川賢

Text:村川賢(むらかわ まさる)

一級ファイナンシャル・プラニング技能士、CFP、相続診断士、証券外務員(2種)

早稲田大学大学院を卒業して精密機器メーカーに勤務。50歳を過ぎて勤務先のセカンドライフ研修を受講。これをきっかけにお金の知識が身についてない自分に気付き、在職中にファイナンシャルプランナーの資格を取得。30年間勤務した会社を早期退職してFPとして独立。「お金の知識が重要であることを多くの人に伝え、お金で損をしない少しでも得する知識を広めよう」という使命感から、実務家のファイナンシャルプランナーとして活動中。現在は年間数十件を越す大手企業の労働組合員向けセミナー、およびライフプランを中心とした個別相談で多くのクライアントに貢献している。

 AIは第3次ブームでますます賢くなっています

現在はAIの第3次ブームと言われています。このブームを引き起こしたのは、おもに深層学習(ディープラーニング)というAIの手法と、膨大なデータ(ビッグデータ)を短時間で処理する能力を持ったコンピューターの発達によるところが大きいと思われます。
 
チェスや将棋、囲碁の世界では、人間はもはやコンピューターにかなわなくなってしまいました。名人と呼ばれるプロのなかでも最高位プロが、このAIを駆使したコンピューターに負けてしまったのです。
 
その仕組みを簡単に説明しましょう。私は将棋が趣味なので、将棋を例にとって説明します。将棋には「定石」と言って、先人が長い経験と研究をかさねてきた結果、一番良いとされる手筋が多数決まっています。
 
AIの将棋では、初めにこの定石を全てコンピューターに覚えこませます。もちろんプロであれば定石は全て覚えているので、この段階ではコンピューターは一流のプロに勝つことができません。
次はコンピューター同士を戦わせます。すると、一手一手戦うごとにコンピューターが戦況の情勢分析をします。
 
この情勢分析は何千通り、何万通りもの手筋の組み合わせから判断しています。そして戦況が良くなる手筋を見つけると、それらを全て覚えこみます。
 
このプロセスには深層学習が使われています。疲れを知らないコンピューター同士は、何千回、何万回と戦いながら、一手指すごとに最良の手筋を覚えてしまいます。
 
棋士の場合、名人ともなると直観力が並外れて優れていて、新しい手や予想できないような手を指して戦況を有利に導く場合が多くあります。相手は予想していない手を指されると面食らって動揺してしまうのです。しかしこれは人間同士の場合であって、AIは名人が指した新しい手に対して、次に戦況が良くなる手を膨大な手筋の組み合わせから見つけ出してしまいます。
 

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 ロボアドバイザーとは

ロボアドバイザー(略してロボアド)とは、AIが投資家の資産運用を自動で行うシステムです。ロボアドには、
1.資産運用の全てを任せる「投資一任型」
2.アドバイスだけを行う「投資アドバイス型」
の2種類がありますので、それぞれについて説明をします。 
 
1.「投資一任型」のほうは運用手数料が0.7%~1%ほどかかりますが、全てAIの運用に任せることができます。「投資一任型」の資産運用には、大手証券会社などが盛んに宣伝しているファンドラップというものもあります。
 
こちらは投資資産をまとめて証券会社に預けて、証券会社の投資プロに運用を任せるのですが、最低運用資金が50万円~300万円となっていて、運用手数料も3%と高く、ハードルが高いと思います。
 
「投資一任型」は、リバランス(分散させた資産配分の割合を投資家の適性に合うように変えること)を自動で行ってくれるので、初心者でも安心して資金を預けることができます。最低運用資金も10万円からできるものが多く、THEO(テオ)は1万円からとお手頃に資産運用ができます。
 
2.「投資アドバイス型」は手数料が無料か非常に低額ではありますが、運用は自分で行うのが基本です。
 
「投資アドバイス型」は、その投資家のリスク許容度に適した投資配分(ポートフォリオと言います)のアドバイスを行うだけで、リバランスは自分で行う必要があります。こちらは投資経験があり、自分で資産運用をやってみたいと思うスキルのある投資家向きとなっています。
 

 「投資一任型」ロボアドの運用実績

それでは、AIを駆使した「投資一任型」ロボアドの運用実績はどうか調べてみましょう。ネットで検索してみると、いくつもの記事が掲載されています。「投資一任型」ロボアドで人気が高いのは、ウェルスナビ、楽ラップ、THEO(テオ)です。
 
これらの17年度での運用実績は、平均でも約6%~約10%と優秀な実績になっています。ウェルスナビの運用実績公式サイトを見てみると、2016年1月19日から運用を開始して、2018年10月31日現在までの2年9ヶ月ほどの実績では、ドル建てで最大+15.7%、円建てでも最大+14.7%のリターン(利益)を得ることができたとあります。
 
1年あたりに換算すると5%以上のリターンを得たことになります。
 
ただ、投資の世界はそんなに甘くないのが常ですから注意が必要です。たまたま最近2年半余りは、米国を中心に経済環境が良くて株価が上昇したに過ぎないという見方もあります。
 
AIはますます賢くなって、人間にとって頼もしい存在ではありますが、脅威でもあります。資産運用の世界でもAIが人間にとって代わるのでしょうか。そんな思いを起こさせるロボアドを紹介しました。
 
出典
ウェルスナビの運用実績公式サイト
 
Text:村川賢(むらかわ まさる)
一級ファイナンシャル・プラニング技能士、CFP、相続診断士、証券外務員(2種)

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