更新日: 2024.08.29 NISA

「退職金でNISAをはじめませんか?」と銀行で案内がありました。年金が少なかったらと不安なので、始めた方がよいのでしょうか?

「退職金でNISAをはじめませんか?」と銀行で案内がありました。年金が少なかったらと不安なので、始めた方がよいのでしょうか?
年金が心配だから、退職金でNISAを始めようと考える人もいるでしょう。NISAは投資初心者でも利用しやすい制度であるものの、60歳以降から始める場合、リスクがあるため注意が必要です。
 
本記事では、60歳からNISAを始める場合の注意点やポイントについて解説しています。NISAの利用を検討している人は参考にしてください。
FINANCIAL FIELD編集部

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NISAとは

NISAとは、少額投資非課税制度のことです。通常、投資で得た運用益には約20%の税金がかかります。しかしNISA口座で投資をした場合は非課税である点がポイントです。少額から投資できるため、初心者であっても利用しやすいでしょう。
 
NISAは2014年1月にスタートしていますが、2024年からは新制度に内容が拡充されています。非課税保有期間が無期限になり、年間投資枠が増えるなど、より使いやすくなっているといえます。

 

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60歳から退職金でNISAを始める場合のデメリット

60歳で定年退職し、退職金でNISAを始めたいと考える人もいるでしょう。しかし投資を始めるには遅いのではないか? リスクが増してしまうのではないかと心配する人もいます。
 
本項では、60歳以降にNISAを始める場合に注意しておきたいポイントを解説します。デメリットを知った上で、NISAを始めるか検討するとよいでしょう。

 

短期間の投資は元本割れリスクがある

2024年1月からスタートした新NISAは、つみたて投資枠で年120万円(月10万)、成長投資枠で年240万円(月20万円)まで投資可能で、あわせて年360万円まで投資できます。そのため、退職金を使って一気に短期間で投資することも可能です。
 
しかし、NISAは長期の積立・分散投資をすることでリスクをおさえる制度であることを忘れてはいけません。金融商品の価格が高いタイミングに集中して購入してしまうと、元本割れをするリスクが増します。

 

運用年数を確保できない

NISAは長期運用によってリスクをおさえる投資方法です。そのため、60歳からNISAを始めるとなると運用年数を確保できません。
 
保有年数が違うと、同じ額を投資していたとしても運用成果は変わります。保有期間5年と20年でどれくらい成果に違いがでるか、金融庁「はじめてみよう!NISA早わかりガイドブック」から見ていきましょう。
 

・保有期間5年……100万円が5年後に74~176万円
・保有期間20年……100万円が20年後に186~331万円

 
長い期間運用を続けることで、元本割れのリスクをおさえられるとわかります。つまり、60歳以降で運用期間が確保できない場合は元本割れのリスクが高まるでしょう。

 

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60歳からNISAを始めるポイント

60歳からNISAを始める場合、収入が減ってしまうため若い世代と同じように利用するのは危険といえます。そのため、できるだけ資産を守りつつ運用するポイントをおさえておくとリスクを減らせるでしょう。
 
本項では、60歳からNISAを始めるポイントについて解説します。できる限りリスクをおさえ、老後資金を増やしましょう。

 

資産を取り崩す前提で投資する

60歳で定年退職して以降は、資産を取り崩しながら生活することになります。そのため、退職金をすべて投資に回すのは危険です。
 
投資をする場合は、今ある資産を「使うお金」「守るお金」「投資によって増やすお金」の3つに分けて、どれくらい投資に回せるかを判断しましょう。

 

つみたて投資枠と成長投資枠を使い分ける

つみたて投資枠、成長投資枠それぞれの特徴やデメリットを把握して使い分けるとよいでしょう。
 
つみたて投資枠は少額から積み立てられるため、投資をしたことがない人でも利用しやすいのが特徴です。成長投資枠は投資経験者に向いていて、リスクはありながらも好きな株式に投資できます。
 
つみたて投資枠と成長投資枠は、併用も可能です。自分に合ったほうを選んだり併用したりして資産を分散させるとよいでしょう。

 

退職金を使って60歳からNISAを始めるときは注意しよう

60歳からNISAを始める場合でも、資産形成は可能です。しかし運用期間が短いなどのデメリットがあるため、注意点を理解した上でNISAを利用するか検討しましょう。
 
NISA以外の資産形成についても考えなくてはなりません。60歳以降は投資にお金を使いすぎず、使うお金や守るお金も分けておくなど資産を分散させることで、リスクをおさえられるでしょう。

 

出典

金融庁 NISAを知る
金融庁 資料コーナー
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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