更新日: 2024.08.31 NISA

タンス預金が「100万円」ほどあり、老後のために「資産運用」を始めようと思うのですが、タンス預金からNISAを始めても大丈夫ですか? 税務署から“税金”を課される可能性はあるでしょうか?

タンス預金が「100万円」ほどあり、老後のために「資産運用」を始めようと思うのですが、タンス預金からNISAを始めても大丈夫ですか? 税務署から“税金”を課される可能性はあるでしょうか?
2024年1月、従来より大きく拡充された「新NISA」の制度がスタートしました。最大で年間360万円まで投資でき、利益が全額非課税になるという大きなメリットがあることから、始めようと検討している人もいるのではないでしょうか?
 
ただ、タンス預金からNISA口座に入金することに違法性はないのでしょうか?
 
本記事ではタンス預金と新NISAの概要と、タンス預金からNISAに投資ができるのか、タンス預金からNISAに投資することで得られるリターンについて解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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タンス預金とは? 違法性はあるの?

タンス預金は、銀行の口座に預け入れることをせず、自宅で保管している現金のことです。昔はタンスのなかに現金をしまっておくことが多かったことから、現代でも自宅に置いておく貯金をタンス預金と呼ぶことがあります。
 
タンス預金でお金を自宅に置いておく行為そのものには、何ら違法性はありません。お金をどのように保管するかは個人の自由であり、資産の一部をタンス預金にしておくことで、急ぎのときにATMから引き出す手間なく支払いに利用できます。
 
ただし、タンス預金にはデメリットもいくつかあります。例えば、お金を増やせないこと。銀行の普通預金や定期預金に預ければ、金利に応じて一定期間で利子を受け取ることができます。
 
株式や投資信託に投資をする方法では元本保証はないものの、年率3~5%以上など預金では達成できないくらいの利回りを得ることも可能です。
 

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2024年1月から生まれ変わった「新NISA」とは

新NISAは、2014年から始まったNISA制度が2024年1月に改正された新しい非課税投資の仕組みです。
 
積立形式で一定条件を満たした投資信託に投資できる「つみたて投資枠」に年間120万円、個別株にも投資できる「成長投資枠」に年間240万円まで投資でき、NISA口座内で利益を得た場合には全額が非課税になります。
 
通常の投資では得た利益の20.315%が課税されるところ、NISAでは利益の全額を再投資に回せるため、より効率的な資産形成が可能です。
 

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タンス預金からNISAに投資することは、何も問題ない

今まさにタンス預金をしていて「タンス預金のお金で新NISAを始めたい」と考えている人もいるのではないでしょうか。
 
結論から言うと、タンス預金をすることに違法性がないのと同様、タンス預金のお金を新NISAに使って投資することに違法性はありません。銀行口座から直接入金するように、タンス預金を証券口座に振り込んでNISAを利用できます。
 
NISAを通じて投資をすることで、タンス預金だけでお金を貯めるよりも効率的に資産形成ができる可能性があります。
 
例えば今100万円のタンス預金をそのままにしていても、20年後も30年後も100万円のままです。タンス預金では利子や配当がないため、これ以上のお金を得ることはできません。
 
一方、年率4%の利回りで100万円を運用できれば、20年後には約220万円まで増える可能性があります。
 
また、毎月3万円をタンス預金すると、20年後には720万円になります。一方、NISAで投資信託に投資したケースではどうでしょうか。
 
投資総額720万円(月3万円・20年間積み立て)に対して、利回りが年率4%だったと仮定すると、約1090万円まで資産を増やせる計算です。
 

タンス預金の全額を投資に回さないように注意

タンス預金や預金と比較して効率的に資産を増やせる可能性がある「NISA」の投資ですが、元本保証がないというデメリットがあります。
 
例えばタンス預金100万円全額を投資しているときにリーマンショックやコロナショックのような経済危機が訪れると、投資している資産の価値が半減してしまう可能性もあります。
 
資産価値が半減したタイミングで100万円を必要とするイベント(子どもの学費や自動車購入の頭金など)のイベントがあると、投資している銘柄を売却するだけでは賄うことができません。一時的な値下がりで重要な支払いができないリスクを考え、タンス預金や銀行預金の一部は現金のまま残しておくことをおすすめします。
 
「緊急の備えにいくら残すべきか」は家庭の状況にもよるため一概にはいえませんが、直近3年くらいの間に必要になる大きな額の支出と、半年から1年分くらいの生活費を現金で残しておくと、急な支出があったときにも安心です。
 

まとめ

お金をどのように保管するかは法的に決まっているわけではないため、タンス預金そのものに違法性はありません。もちろん、タンス預金からNISA口座への入金も問題なく行うことができ、運用次第で大きなリターンを得ることも可能です。
 
ただし、投資は銀行の預金やタンス預金と違って元本割れのリスクもあります。タンス預金や銀行口座の全額を投資に回すのではなく、投資の資産を失っても約半年~1年くらい生活できる資金を残したうえで投資に臨むと良いでしょう。
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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