今年の4月から新NISAを始めました。もし、NISAで株を購入している会社が上場廃止となったらどうなるのでしょうか?

配信日: 2024.11.03

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今年の4月から新NISAを始めました。もし、NISAで株を購入している会社が上場廃止となったらどうなるのでしょうか?
2024年からの新NISAが開始となり、初めて株式や投資信託などへの投資を始めた方もいるのではないでしょうか。世界情勢や政局の不安定などの影響を受け、株価も乱高下を続けています。
 
投資初心者のなかには日々の株価の変動に一喜一憂し、夜も眠れないほどの不安を感じている方もいるのかもしれません。本記事では、投資におけるリスクや、万が一株式を購入している会社が上場廃止となった場合について、確認していきます。
高橋庸夫

執筆者:高橋庸夫(たかはし つねお)

ファイナンシャル・プランナー

住宅ローンアドバイザー ,宅地建物取引士, マンション管理士, 防災士
サラリーマン生活24年、その間10回以上の転勤を経験し、全国各所に居住。早期退職後は、新たな知識習得に貪欲に努めるとともに、自らが経験した「サラリーマンの退職、住宅ローン、子育て教育、資産運用」などの実体験をベースとして、個別相談、セミナー講師など精力的に活動。また、マンション管理士として管理組合運営や役員やマンション居住者への支援を実施。妻と長女と犬1匹。

投資におけるリスクとは?

一般的に「リスク」という言葉には、危険、損失、元本割れなどのネガティブな捉え方が多いと思われます。投資における「リスク」の捉え方は「結果が不確実であること」、つまり、「価格の振れ幅が大きい」ことを指します。
 
つまり、時には「リターン」(リスクの反対、収益)を大きく得ることができる一方で、同様の振れ幅で損失が生じる可能性もあることを意味しています。
 
また、投資におけるリスクには、株価が上下に変動する株価変動リスクのほかにも、金利や為替相場が変動する金利変動リスクや為替変動リスク、信用リスク、流動性リスクなどさまざまな要素が影響しています。
 

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もし「上場廃止」となったら?

突然ニュースや新聞などで、自分が株式を購入している会社が上場廃止となることを知った場合には、「経営破綻」「倒産」「損失」など最悪の事態が最初に思い浮かぶことでしょう。
 
ただし、一概に「上場廃止」といっても、ネガティブな理由ではない場合もあります。その主なケースは、以下の3つです。
 

(1)上場廃止基準に該当する場合

日本取引所グループ(JPX)では、プライム市場、スタンダード市場、グロース市場の3つの市場に共通する上場廃止基準を定めています。
 
具体的には、「上場維持基準への不適合」「有価証券報告書等の提出遅延」「虚偽記載又は不適正意見等」「特別注意銘柄等」「上場契約違反等」「その他」のいずれかの基準に該当すると、上場廃止となるとされています。
 
なお、現在は一部の会社で各市場の上場維持基準における経過措置が適用されており、2025年3月1日以後最初に到来する基準日から本来の上場維持基準が適用されることとなっています。
 

(2)会社合併、完全子会社化による場合

これらのケースは、経営の効率化や事業規模の拡大など積極的な意味で行われるため、付随する上場廃止も市場においては、好意的に捉えられる場合があります。通常、合併や子会社化で買収される会社の株式は「整理銘柄」に指定され、1ヶ月間は取引が可能となります。
 
この場合には、通常、株式の買付期間、数量、価格等を公告により提示し、買付けの申し込みや売付けは株式公開買付(TOB)によって行います。この際に、買収する会社が既存の株主から高値で買付けに応じるケースや、買収対象会社の取締役会の賛同なしに行われる「敵対的公開買付」などのケースもあります。
 

(3)倒産する場合

この場合は、当然ながら経営不振によって倒産するわけですから、最も分かりやすいネガティブなケースとなります。通常、整理銘柄に指定されてから1ヶ月間は市場での取引が可能ですが、1ヶ月経過すると株式の価値はなくなります。可能なかぎり早く売却することが賢明と思われます。
 

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まとめ

上記の(1)の場合は、「上場廃止基準に該当する」と判断されるわけですから、(3)と同様に早期に売却することをおすすめします。
 
(2)の場合、例えば合併後の業務展開が市場において評価されれば、その後の株価は上昇する可能性が高く、評価されなければ下落する可能性もあり得ます。また、TOBで買収する会社が、既存の株主から株式を高値で買い取ることに応じた場合には、予期せぬ高値で株式を売却できることもあります。
 
投資の原則は、「長期・分散・積立」といわれています。一時の株価の変動に過度に一喜一憂することなく、原則を守って投資を継続することが、成功への近道といえるでしょう。ただし、「上場廃止」などの予期せぬ事態もあり得ます。その際には上場廃止となる理由を把握し、冷静な対応を心掛けましょう。
 

出典

日本取引所グループ 上場廃止基準の概要
 
執筆者:高橋庸夫
ファイナンシャル・プランナー

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