更新日: 2019.07.01 その他資産運用

意外とややこしい証券税制のアレコレ!

執筆者 : 船津正明

意外とややこしい証券税制のアレコレ!
2018年の世界の株式市場は年末の急落もあり、多くの投資家が損失を出したと考えられます。運用先進国のアメリカでは、株式などで損失が出れば夫婦共同申告の場合で年間3000ドルまで、他の所得との通算が認められています。
 
本稿では、投資初心者が知っておくべき証券税制について解説いたします。
 

【PR】基礎から学べる投資学習動画が無料公開中!

【PR】投資の達人になる投資講座

投資の達人になる投資講座

おすすめポイント

・生徒数日本一の投資スクールが監修
・2時間の投資学習動画が完全無料
・投資の仕組みとノウハウをスッキリ理解できる
・未経験者でも分かるように図解で解説

船津正明

執筆者:船津正明(ふなつまさあき)

CFP1級ファイナンシャル・プランニング技能士
証券外務員1種 日商簿記2級 生命保険・損害保険募集人資格
所属団体 日本FP協会 兵庫支部 幹事
こうべ企業の窓口 会員
認定NPO法人 はんしん高齢者くらしの相談室 正会員

2014年11月に中立の立場でお客様の思いを大事にする船津正明FP事務所を開設しました。 2015年より中小企業経営者をサポートする相談窓口「こうべ企業の窓口」の会員として、また認定NPO法人「はんしん高齢者くらしの相談室」の正会員として地元の高齢者をサポートする地域貢献活動も行っております。その結果、専門外のご相談にも対応出来る態勢が整いました。

https://funatsufp.com/

毎年のように変わる証券税制!?

最近の大きな改正は、平成28年に行われた金融所得課税の一体化です。
 
これまでは金融商品間の損益通算の範囲が限定されていましたが、損益通算できる範囲を公社債にまで拡大しました。この改正で、株式や投資信託と、外国債券や国内の公社債の損益通算が可能になりました。
 
また、2018年から、つみたてNISA制度が始まりました。さらに2019年以降、NISA制度が改正されます。主な変更点として、一時的な海外赴任等の際でも非課税口座を最長6年間、継続利用できるようになります。(施行日は未定)
 
また、口座開設年齢について、NISA・つみたてNISAは20歳以上が18歳以上に、ジュニアNISAも20歳未満から18歳未満に引き下げられます。(施行日は2023年1月1日以後)
 

投資初心者は必ず特定口座の源泉徴収有りを選択すべし!

「特定口座」とは、口座を開設した証券会社が税金の徴収と還付を自動的に行ってくれる、大変便利な口座です。
 
例えば10月に、A株式で10万円の利益が出たとします。源泉徴収される税金は10万円×20.315%=2万315円です。その後12月に、10万円の損失が出ました。そうすると、年間の損益が0円ですので、税金も0円となり、一度徴収された税金が証券口座に還付されます。
 
いちいち自分で何もしなくてもいいので、とても便利です。しかも、原則的に無料で利用できます。
 

【PR】基礎から学べる投資学習動画が無料公開中!

【PR】投資の達人になる投資講座

投資の達人になる投資講座

おすすめポイント

・生徒数日本一の投資スクールが監修
・2時間の投資学習動画が完全無料
・投資の仕組みとノウハウをスッキリ理解できる
・未経験者でも分かるように図解で解説

特定口座の源泉徴収有りでも注意することとは!?

大変便利な特定口座ですが、いくつか注意点があります。代表例が、複数の証券会社で口座を開設して運用するケースです。例えばA証券で年間の利益が10万円あったとしましょう。逆に、B証券で10万円の損失がありました。
 
この場合、A証券とB証券が連動して損益通算はしてくれません。したがって、A証券で源泉徴収された税金は還付されないのです。ではどうするかですが、翌年に確定申告すれば、余分に取られた税金は取り戻せます。
 
確定申告なんてしたことないから難しそう、と尻込みする必要はありません。税務署まで行けば、申告書の書き方まで教えてもらえます。確定申告の際に必要となる年間取引報告書は、翌年1月に取引のある証券会社から送られてくるので、それを添付して提出すれば完了です。
 

よくある譲渡所得の損益通算についての勘違い!?

株式等の譲渡所得は、事業所得などのその他の所得と損益通算できるかどうか、ネットで検索すると紛らわしい書き方がされており、勘違いしてしまうケースがあります。
 
ここで言う株式等(主に中小企業経営者などの非上場の保有株)と上場株式とは、別勘定で計算して申告しなさいという意味です。正解は、上場株式の損失と他の所得との損益通算はできません。その他に特例措置も色々とありますが、本稿では割愛いたします。
 

損した時の味方!上場株式等に係る譲渡所得の繰越控除とは!!

上場株式の取引で損失が出た場合、翌年以降3年間にわたって、上場株式等に係る譲渡所得等の金額及び、上場株式等に係る配当所得等の金額から、繰越控除はできます。要は、3年間トータルでプラスになるまでは課税されないという、損失の貯金があると考えてください。
 
ただし、これも特定口座では対応できないので、確定申告が必要です。しかもその後、毎年連続して申告しなくてはいけませんので、忘れずに行ってください。
 
出典
国税庁ホームページ
 
執筆者:船津正明(ふなつまさあき)
CFP1級ファイナンシャル・プランニング技能士
証券外務員1種 日商簿記2級 生命保険・損害保険募集人資格
所属団体 日本FP協会 兵庫支部 幹事
こうべ企業の窓口 会員
認定NPO法人 はんしん高齢者くらしの相談室 正会員