年収500万円の彼氏に「結婚して専業主婦になってほしい」とプロポーズされた! 貯金50万円なので不安だけど「NISAをやればなんとかなる」とのこと。本当にそんなに儲かるのでしょうか?
配信日: 2024.12.08 更新日: 2024.12.09
本記事では、将来もらえる年金を計算しながら、実際に毎月どれくらい投資をするべきなのかを具体的に考えていきます。
執筆者:浜崎遥翔(はまさき はると)
2級ファイナンシャル・プランニング技能士
専業主婦になった場合の将来の年金と生活費の不足額は?
お互い4年制大学を卒業後に働き始め、32歳で結婚する男女を想定してみましょう。前提条件は以下の通りです。
夫:20~22歳は国民年金に加入し、23~65歳まで平均年収500万円で勤務、65歳で年金を受給開始
妻:20~22歳は国民年金、23~32歳まで年収300万円で勤務、その後は専業主婦となり第3号被保険者に移行し、65歳から年金を受給開始
厚生労働省の公的年金シミュレーターを使って計算すると、夫は年間205万円、妻は年間97万円の年金を受給できることとなります。夫婦の合計は年額302万円、月額約25万2000円です(ともに4月2日生まれの場合でシミュレーション。誕生日によって金額は変わります)。
一方、老後の生活費については以下の統計データを参考にします。
●平均的な生活:月28万2497円(年間約339万円)※2023年の家計調査報告より
●ゆとりある生活:月37万9000円(年間約455万円)※公益財団法人生命保険文化センターの調査より
これに基づく不足額は以下の通りです。
●平均的な生活:年間約37万円不足
●ゆとりある生活:年間約153万円不足
30年間の老後を想定すると、不足額はそれぞれ約1109万円と約4584万円に達します。
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将来の不足分を補うために毎月いくら積立投資が必要? NISA利回り3%で計算
不足額を65歳までの33年間、NISAで運用して補う場合、毎月どのくらいの積立投資が必要になるかを計算しました。年利3%を想定した場合の結果は以下の通りです。
●平均的な生活(不足額1109万円):月約1万6500円の積立投資が必要
●ゆとりある生活(不足額4584万円):月約6万8000円の積立投資が必要
※貯金50万円は生活防衛資金として残すものとして計算
平均的な生活でいいのか、ゆとりある生活を目指すのかで5万円以上差がつく結果となります。
なお、NISAは運用益が非課税になる制度であり、資産形成の有効な手段ですが、投資の利回りを保証するものではありません。購入する投資商品や市場環境によって、運用利回りは上下することがあるのです。この点を理解した上で、目標金額より少しゆとりを持った計画を立てると良いでしょう。
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将来どのように生活したいのか考えることが大切
年間利回り3%を想定すると、「平均的な暮らし」であれば月約1万6500円、「ゆとりある生活」を目指すなら月約6万8000円の積立投資が必要です。ただし、投資額を固定する必要はなく、夫婦の価値観や状況に応じて柔軟に目標を調整すると良いでしょう。
大切なのは「NISAをやっておけば大丈夫」と安易に考えるのではなく、将来もらえる年金額と目指す生活水準を明確にすることです。専業主婦になるかどうかを決めるのは、目標の投資額に無理がないかを考えた上で判断しても遅くないはずです。
専業主婦になることで得られるメリットもありますが、年金や老後資金を見据えた計画が欠かせません。2人で具体的な数字をもとに現実的な収支計画を話し合い、納得のいく結論を出すことが、安心できる未来への第一歩となるでしょう。
出典
総務省 家計調査報告(家計収支編)2023年(令和5年)平均結果の概要
公益財団法人生命保険文化センター 生活保障に関する調査
執筆者:浜崎遥翔
2級ファイナンシャル・プランニング技能士