30代会社員、NISA以外の投資を考えていたら、友人から「いまは純金積立がいい」と聞きました。なぜ純金がいいのでしょうか?

配信日: 2025.01.06 更新日: 2025.01.08

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30代会社員、NISA以外の投資を考えていたら、友人から「いまは純金積立がいい」と聞きました。なぜ純金がいいのでしょうか?
金は、株式や債券などの「紙の資産」とは違い、そのもの自体に価値がある「実物資産」なので、価値がゼロになることはないのが魅力です。また、インフレ時には通貨の価値が低下しますが、「実物資産」である金は価値が上がります。本記事では、初心者も投資しやすい「純金積立」のメリット・デメリットを解説します。
新美昌也

執筆者:新美昌也(にいみ まさや)

ファイナンシャル・プランナー。

ライフプラン・キャッシュフロー分析に基づいた家計相談を得意とする。法人営業をしていた経験から経営者からの相談が多い。教育資金、住宅購入、年金、資産運用、保険、離婚のお金などをテーマとしたセミナーや個別相談も多数実施している。教育資金をテーマにした講演は延べ800校以上の高校で実施。
また、保険や介護のお金に詳しいファイナンシャル・プランナーとしてテレビや新聞、雑誌の取材にも多数協力している。共著に「これで安心!入院・介護のお金」(技術評論社)がある。
http://fp-trc.com/

純金積立のメリット

純金積立は、毎月一定額の金を購入していく商品で月1000~3000円から始められます。購入は、毎月一定日(金融機関休業日の場合は翌営業日)に、登録した金融機関口座から1ヶ月分の積立金額が引き落とされます。毎月の購入代金を営業日数で割った金額で、毎日買い付けていきます。
 
毎月(日ごと)一定額で、金価格が高いときは少ない量の金を購入するので、初心者が陥りがちな高値つかみを回避できます。また、金価格が安いときは多くの量の金を購入することになり、長期的に価格変動リスクを低減する効果があります(ドルコスト平均法)。ボーナス時など余裕資金のあるときや金価格が下がったときには、スポット購入(まとまった金額での購入)も可能です。
 
純金積立では、金現物を運営会社が管理しているため盗難の心配がないうえに、銀行の貸金庫に保管の面倒な手続きもありません。
 
また、コツコツと積み立てた金は、現金化のほか、金地金(金塊)やカンガルー金貨、メイプルリーフ金貨、ウィーン金貨ハーモニーなどの地金型金貨、ジュエリー、工芸品などに交換できるのも使い勝手がよい点も魅力です。売るときに消費税を上乗せできるので、税率の差額分がお得になる場合があります。
 
日本における金価格は、米ドル建ての価格を円換算しているので、米ドル国際価格が一定とすると円安になれば国内金価格は値上がりします。
 

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純金積立のデメリット

純金積立には、年会費、口座維持費や購入手数料がかかる場合があります。例えば、某運営会社の場合、年会費は800円、積立購入手数料は1000円につき26円(消費税込)または31円(消費税込)、ボーナス月プラス積立購入や各種スポット購入の場合には手数料は無料となっています。
 
株式や債券などと異なり、金投資の場合は配当や利息がありません。また、株式や金ETF(上場投資信託)などと異なり、リアルタイムで取引ができません。純金積立では運営会社が提示している店頭小売価格でしか購入できません。円高になれば国内金価格は値下がりします。
 

税金

金地金の売買では購入時に消費税10%を支払い、売却時に消費税10%を上乗せできます。また、売却時の利益は、原則、譲渡所得として、給与所得など他の所得と合わせて総合課税の対象です。
 
この場合の所得金額の計算は、その金地金の所有期間に応じて次のとおりです。

(1) 所有期間が5年以内のもの(総合課税の短期譲渡所得)
課税される譲渡所得の金額=金地金の譲渡益(※)−50万円

(2) 所有期間が5年を超えるもの(総合課税の長期譲渡所得)
課税される譲渡所得の金額=(金地金の譲渡益(※)−50万円)×50%
(※)譲渡価額-(取得費+譲渡費用)=金地金の譲渡益

純金積立で購入した金にかかる税金は、金地金を購入した場合とほぼ同じ扱いですが、課税所得計算のための金の取得価額は、有価証券の評価方法である「総平均法に準ずる方法」により算出できます。
 
詳細は、所轄の税務署、または税理士にご相談ください。
 

まとめ

純金積立は、まとまったお金を用意できないけれども、金投資に興味のある方に向いています。
 
年会費や積立購入手数料がかかりますが、積立投資は購入のタイミングを選ばないのでいつでも少額から手軽に始められます。現物は運営会社が保管してくれるので、盗難の心配もいりません。少額から始められるので、貯蓄・収入の少ない方でも貯金感覚で金投資を始めることができます。
 
長期で保有すれば売却時に税務上のメリットがあります。インフレヘッジとして、運用資産のうち金の割合を5%程度組み込むとよいでしょう。
 

出典

国税庁 別紙 金定額購入システムで取得した金地金を譲渡した場合の課税上の取扱いについて
国税庁 No.1466 同一銘柄の株式等を2回以上にわたって購入している場合の取得費
国税庁 No.3161 金地金の譲渡による所得
 
執筆者:新美昌也
ファイナンシャル・プランナー。

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