「NISA」か「iDeCo」の利用を検討中ですが、元本割れのリスクを考えるとなかなか始められない……。長く続ければ利益を得られますか?

配信日: 2025.01.25

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「NISA」か「iDeCo」の利用を検討中ですが、元本割れのリスクを考えるとなかなか始められない……。長く続ければ利益を得られますか?
昨年から、新NISAと呼ばれるようになったNISA。NISAは、株式や株式投資信託等で得た利益が非課税になる制度です。株式や株式投資信託は、よく「自己責任で行いましょう」といわれています。
 
そして、同じく自己責任が問われる制度としてiDeCoがあります。iDeCoは自己責任のもと、将来の老後資金を準備する制度で、やはり税制面のメリットがあります。
 
ただし、NISAもiDeCoも有価証券での運用における税制優遇制度です。いずれも価格変動のある金融商品を投資対象としますので元本保証はなく、価格変動については自己責任で運用していく必要があります。今回はNISAとiDeCoについて、商品の選択の幅を見ていきます。
大泉稔

執筆者:大泉稔(おおいずみ みのる)

株式会社fpANSWER代表取締役

専門学校東京スクールオブビジネス非常勤講師
明星大学卒業、放送大学大学院在学。
刑務所職員、電鉄系タクシー会社事故係、社会保険庁ねんきん電話相談員、独立系FP会社役員、保険代理店役員を経て現在に至っています。講師や執筆者として広く情報発信する機会もありますが、最近では個別にご相談を頂く機会が増えてきました。ご相談を頂く属性と内容は、65歳以上のリタイアメント層と30〜50歳代の独身女性からは、生命保険や投資、それに不動産。また20〜30歳代の若年経営者からは、生命保険や損害保険、それにリーガル関連。趣味はスポーツジム、箱根の温泉巡り、そして株式投資。最近はアメリカ株にはまっています。

NISA…… 証券会社か? 銀行か?

NISA口座(以下、NISA)は、一人につき1口座しか開設できません。そして、NISAを利用できるのは銀行か証券会社のいずれかで、どの金融機関を利用するかによって投資できる商品も異なってきます。
 
銀行でNISAを開設することを選択する場合、利用できる商品は株式投資信託のみです。それも、NISAを開設した銀行で扱っている株式投資信託のみとなります。では、証券会社でNISAを開設した場合はどうなるのでしょうか?
 
まず、証券会社でも銀行同様に株式投資信託の扱いがあります。証券会社も銀行と同じく、NISAを開設した証券会社で扱っている株式投資信託のみです。
 
また、証券会社では株式投資信託に加えて、上場株式にも投資することができる点が銀行とは異なります。証券会社によっては、日本の上場株式のみならず、海外の上場株式(=例えばアメリカ株式)に投資する場合にも、NISAを利用できることがあります。
 

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iDeCo…… 投資信託に加えて、「元本確保」を目指す商品も

iDeCo口座の開設の際も、やはり一人につき1つの金融機関を選択します。なお、iDeCoの場合、金融機関といわず「運営管理機関」を選ぶことになります。
 
運営管理機関とは、具体的には銀行・生命保険会社・損害保険会社・証券会社などです。そして、運営管理機関が提供するメニューのなかから、NISA同様自己責任のもと、将来に向け商品を選びます。
 
価格変動はあるものの資産価値の上昇を目指す商品として投資信託が、また元本確保を目指す商品として、預金・生命保険・損害保険が用意されています。ただし、NISAとは異なり、上場株式への投資はできません。
 

NISAには「元本確保」を目指す商品はない?

既述のとおり、iDeCoには元本確保を目指す商品として預金・生命保険・損害保険のメニューがありますが、NISAには、それらのメニューはありません。つまり、NISAの対象となるのは「リスクをともなうもの」だけということです。
 

大きく増えなくてもいいから、リスクのないもののほうがいい?

大きく増えなくてもいいから、いわゆる元本割れなどのリスクがない商品を選びたいという方もいらっしゃるでしょう。では「元本確保」を目指す商品には、本当にリスクはないのでしょうか? 元本を確保できたとしても、価値を確保することはできるのでしょうか?
 
例えば預金の場合、預金の金利と消費者物価指数と比べてみてください。消費者物価指数とは、個人が利用するサービスや商品の価格の変動を示すものです。つまり「消費者物価指数が前年比、あるいは前月比プラス」という場合、「物価が上がった」ということです。
 
もし、「預金金利<消費者物価指数」という関係の場合、「お金の価値が下がった」ということになり、これが預金の「目減り」といわれるものです。また、インフレリスクだけでなく、損害保険商品や保険商品のなかにはコスト割れするケースもあり、元本確保でない場合もありますので留意しましょう。
 

まとめに代えて

NISAとiDeCo、利用の有無、どこで利用するかも、すべて自身の判断です。「預金金利>消費者物価指数」という状態が長く続くのでしたら、預金だけで十分ということになるでしょう。しかし、「預金金利<消費者物価指数」という状態が長く続くと、預金は目減りしていきます。
 
一時的な元本割れがあったとしても、長期的な視点では利益を得られる可能性のある株式や投資信託の検討が有利だといえるでしょう。
 

出典

金融庁 NISA特設ウェブサイト
国民年金基金連合会 iDeCo公式サイト iDeCoでできる資産運用ガイド
厚生労働省 iDeCoの概要 6. iDeCoのよくあるご質問
総務省統計局 消費者物価指数(CPI)
 
執筆者:大泉稔
株式会社fpANSWER代表取締役

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