低金利の今だから知っておきたい資産運用の3つの極意
配信日: 2019.03.04 更新日: 2019.06.19
そこで今回は、「資産運用」をするうえでの3つの重要な考え方をご紹介します。
執筆者:伏見昌樹(ふしみ まさき)
ファイナンシャル・プランナー
大学卒業後公認会計士試験や簿記検定試験にチャレンジし、公認会計士試験第二次試験短答式試験に合格や日本商工会議所主催簿記検定1級に合格する。その後、一般企業の経理や県税事務所に勤務する。なお、ファイナンシャル・プランナーとして、2級ファイナンシャル・プランニング技能士・AFP合格した後、伏見FP事務所を設立し代表に就き今日に至る。
「リスク」という言葉の本当の意味
「リスク」というと、「損失する危険性」と解釈する方もいると思います。しかし、「リスク」の本当の意味は、「現状からの変動幅」です。つまり、「現状からの損失の振れ幅」であり、「現状からの利益の振れ幅」を意味します。
「損失を被りたくない」という心理から、「損失を被る資産運用」をしたくないと考える方も多いと思います。このような考え方だと、「損失が限りなく『ゼロ』に近い資産運用」になり、「利益を享受できる資産運用」ができなくなります。
そこで、ある程度の「リスク」をとることによって、資産をより効率的に運用する考え方を示します。
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資産運用の極意その1「長期保有」
「長期保有」とは、株式や投資信託などの日々の価格変動を気にせず、5年から10年といった長い期間、資産を保有し続けるという考え方です。
株式や投資信託は、短期的に見ると価額が上下動するものであると言え、場合によってはかなりの損失が出ていることもあるかもしれません。しかし、株式や投資信託の保有期間を長くすると、おおむね上昇する傾向にあるので、長期保有は有効と言えます。
資産運用の極意その2「分散投資」
「分散投資」とは、「国内」「先進国」「新興国」や、「株式」「国債」、「REIT」の「国内」「海外」といった具合に、投資先や投資種類を複数所有する考え方です。
この考えによれば、たとえどこかの地域の経済が変動しても、その地域に一極集中して投資した場合と比べ、総資産の変動幅を抑えることが可能となります。
資産運用の極意その3「時間差投資」
「時間差投資」とは、ある投資先に対して、一定期間ごとに一定額を投資するという考え方です。
この考え方は、投資先の価格に一定程度変動がある場合に、価格が高い時に買える場合もあれば、低い時に買える場合もあり、結果として、投資先の取得価額を低くすることができるというものです。
注意点
以上、3点を「資産運用の極意」として紹介しましたが、必ずしもこれらの方法をとることによって、確実に利益を確保できるとは限りません。
例えば、「長期保有」を意識した資産運用をした場合、ある瞬間に非常に高い価格が付いたとしても「保有期間が短いから」と売却を見送ってしまい、しばらく高値が付かず利益を取得し損ねることもあり得ます。
また、「分散投資」は価格の値動きが多数になるため、投資先を一点にしている場合に比べて分散しますが、逆に言うと、とても利益が出ている投資先に多くの資金を投入できなくなり、利益が少なくなることも考えられます。
「時間差投資」は、値動きのある投資先に対して取得価格を平準化できるというメリットがありますが、価格変動があまりない投資先に対しては、効果的ではありません。
まとめ
資産運用には、大なり小なり「リスク」がつきものです。しかし、それを理解したうえで、「タンス預金」のみという考え方を変えてほしいと思います。タンス預金はもとより、銀行の定期預金は「スズメの涙」ほどの利息しか付きません。
生活に必要な資金を金融機関に預けて、余剰資金を株式や投資信託などに投資してはいかがでしょうか。
執筆者:伏見昌樹(ふしみ まさき)
ファイナンシャル・プランナー