更新日: 2019.06.13 その他資産運用

【疑問】資産の価値が目減りするの?インフレってなに?

【疑問】資産の価値が目減りするの?インフレってなに?
長らく続いた平成も終わり、ついに令和の時代へと突入した日本ですが、依然としてデフレからの脱却は今後の課題となりそうです。
 
ニュースではよく、日本経済の回復にはデフレ脱却が必要!と叫ばれていますが、デフレとインフレとはそもそもどのような状態なのでしょうか。また、経済がインフレに傾いていくとどんな変化があるのでしょうか。考えてみます。
 
小沼鮎子

執筆者:小沼鮎子(こぬま あゆこ)

ファイナンシャルプランナー CFP(R)認定者

大学を卒業後、大手証券会社に就職。約10年間、個人のお客様への資産コンサルティング業務に主に携わる。勤務中に、資産コンサルティング業務の延長線上に、ファイナンシャルプランナーという仕事があることを知り、お客様に寄り添ったコンサルティングができることに共感し、資格を取得。アメリカでは資産管理の一生涯のパートナーとして時には金融に詳しいお茶飲み友達として身近な存在であるファイナンシャルプランナーという仕事を、日本でも普及させたいという志を持って一般の方への情報発信をしている。

デフレとインフレとは?

デフレとは、物価が下がっていくことをいいます。物価が下がると聞くと、モノが買いやすくなり私たちの生活が良くなるように聞こえますが、実はそうではありません。
 
物価が下がることで、企業は収益があがりにくくなります。そうなると企業は、従業員の給料を減らさなくてはなりません。給料が減り、消費者の購買意欲が下がることでモノが売れにくくなります。こうして企業はさらに物価を下げざるを得なくなるのです。
 
これがデフレスパイラルと言われており、このスパイラルに陥ってしまうと国の経済は低迷していきます。
 
インフレとは、逆に物価が上昇していくことをいいます。物価が上昇していくのですから、企業の収益は上がりやすくなり、その結果、従業員の給料をあげるなど経済がいい方向に回ることが多いです。
 
しかし同時に、物価が上がるということはお金の価値が下がることを意味します。例えばジュースが1本100円で買えていたものが150円出さないと買えなくなるなど、同じものを買うにも多くの資金が必要になるので、実質的なお金の価値は下がっていることになります。
 
また、短期間に行き過ぎた物価上昇をすることをハイパーインフレと呼び、ハイパーインフレになると経済が大混乱に陥ります。物価が急激に上がるのですから、通貨の価値は暴落します。
 
ハイパーインフレを経験した国は、アフリカ大陸にあるジンバブエが有名です。2008年ごろにハイパーインフレに陥り、100兆ものジンバブエのお札が発行されるほどの異常事態となりました。
 
このようなハイパーインフレはそう簡単には陥ることはないですが、戦争や政治的な大混乱などが起きれば、どこの国でも絶対に起こらないとはいいきれません。
 

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インフレになったらどうなる?対策はできるの?

ハイパーインフレまでいかなくても、インフレになれば、通貨の価値は下がります。そのため現金を置いておくだけだと、たとえ使わなくても年々価値が下がってしまいます。
 
例えば、政府が掲げているインフレターゲットは2%ですが、仮に2%で持続的にインフレがすすんでいくとすると、それ以上の利回りで運用していないと資産は実質的に目減りしていくことになります。このことから、タンス預金はインフレには最も不利と言われているのです。
 
インフレ対策としては、資産のポートフォリオを現金預金だけでなく、株式や不動産・金などの資産に分散させておくことが大切です。
 
また、外貨の運用もインフレ対策には有効です。インフレは日本円の価値が下がることですので、他国の通貨を保有することは有効なインフレ対策になるでしょう。
 
日本の家計金融資産は1,800兆円ほどあるといわれておりますが、そのなかの家計の資産配分の内訳は2018年3月末時点で、現預金が50%を超えており、株式がわずか10%ほどの割合となっています。対してアメリカは現預金が13%ほどで、株式の比率が約36%を占めています(※注1)。
 
このことからも日本はまだまだ運用に積極的とは言えず、インフレ対策も不十分であることが浮き彫りになっています。しかし、一部の人は将来起こりうるインフレに備えて着々と準備をすすめているでしょう。
 
最近ではネット証券やNISAの普及など、以前より投資がしやすい環境になってきています。まだ運用を始めていない方は、インフレ対策という点からも資産の運用を検討してみてはいかがでしょうか。
 
(※注1)日銀が2018年8月に発表した「資金循環の日米欧比較」より
 
執筆者:小沼鮎子(こぬま あゆこ)
ファイナンシャルプランナー CFP(R)認定者
 

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