更新日: 2022.04.26 キャリア

休職から復帰したら給料が下げられました……誰に相談すればいいでしょうか?

休職から復帰したら給料が下げられました……誰に相談すればいいでしょうか?
何らかの事情で休職したものの、職場に復帰したら給料が下がっていたという経験はないでしょうか? 事前に納得できる理由があるなら別ですが、説明もなく減給されては、困惑するのは当然のことです。
 
そこで今回は、休職後に減給されていた場合に考えられることや相談先など、勤務先で困ったときの適切な対処について紹介していきます。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

高橋庸夫

監修:高橋庸夫(たかはし つねお)

ファイナンシャル・プランナー

住宅ローンアドバイザー ,宅地建物取引士, マンション管理士, 防災士
サラリーマン生活24年、その間10回以上の転勤を経験し、全国各所に居住。早期退職後は、新たな知識習得に貪欲に努めるとともに、自らが経験した「サラリーマンの退職、住宅ローン、子育て教育、資産運用」などの実体験をベースとして、個別相談、セミナー講師など精力的に活動。また、マンション管理士として管理組合運営や役員やマンション居住者への支援を実施。妻と長女と犬1匹。

休職から復帰した後に減給されるのは違法なのか?

厚生労働省の公式サイトには、労働法に基づく「労働条件・職場環境に関するルール」として、「労働者が職場の秩序を乱したり、備品を勝手に私用で持ち出したりといった規律違反の制裁として減給する場合、平均賃金1日分の半額を超えてはいけない」としています。また、「結婚や産前産後休業、育児休業など申し出や取得を理由に、解雇その他の不利益取扱いは法律で禁止されている」とも明記しています。
 
後者の「不利益」とは、降格や減給なども含まれると考えるのが一般的です。つまり、正当な理由によって休職した場合であれば、会社はそのことを理由に減給してはいけません。
 
なお、厚生労働省のホームページを見ると、不利益取扱いの禁止についての法律は「男女雇用機会均等法第9条、育児・介護休業法第10条」などがあげられます。
 

就業規則などで減給の条件について記載されていないか確認する

一概に休職して職場へ復帰するといっても、実際の状況はさまざまです。まず、自分が受けた扱いが不当なものかどうか「就業規則」で確認しましょう。給料が下がった理由に正当性があるものであれば、通常は会社の就業規則などにそのことが記載されています。
 
就業規則とは、その会社の労働条件や規律などについてまとめたもので、作成したら管轄の労働基準監督署に届け出ることになっています。就業規則は、必ず社員の誰もが閲覧できる状態にしておかなければなりません。通常は、冊子またはデジタルデータとしてパソコンなどから閲覧できるようになっています。
 
もしも分からないときは、人事や総務などに聞いてみましょう。就業規則がない、または見せてもらえない場合は、問題のある会社であると判断できます。
 
ただし、減給の原因が計算ミスということも考え、会社に直接確認してみることも必要です。
 

明らかに不当な減給と感じたときは「労働基準監督署」に相談する

会社で不当な扱いを受けたときに相談する場所は「労働基準監督署」です。労働基準監督署は略して「労基(ろうき)」と呼ばれることもあります。
 
労働基準監督署は現在、全国に321署および4支署が配置されており、各都道府県の労働局によって管轄され、労働者は自由に相談できるようになっています。相談するのは、勤務先の所在地にある労働基準監督署です。事前予約が必要な場合もあるので、まずは管轄の労働基準監督署を調べ、電話で相談してみるといいでしょう。
 
その際、できれば休職前と復帰後の給料明細が用意できていると説明しやすくなります。また、休職の理由や実際に休みをとっていた期間なども説明できるのが理想的です。労働基準監督署は、違法行為や労働者を不当に扱っている会社を指導する役割を持っています。そのため、不当だと判断されれば状況が改善されるかもしれません。
 
労働基準監督署で始めに対応してくれるのは、相談員です。それで解決がみられない場合は、労働基準監督官に委ねられることになります。労働基準監督官とは、会社への立ち入り調査のほか、司法警察員として犯罪捜査や逮捕、送検まで可能にする権限を持つ役職者です。そのため、最終的には会社の代表が逮捕されることもあります。
 
しかし、なかなか指導に応じない会社もあります。労働基準監督署ではなかなか解決が図れず損害が大きい場合は、弁護士に相談して労働審判などを視野に入れたほうがいいでしょう。いずれにしても、証拠はすべてとっておくのが得策です。
 

会社で不当な扱いを受けたときはまず「労働基準監督署」に相談しよう

勤務先で何らかの不当な扱いを受けたときは、まず労働基準監督署に相談するのが適切な対処法です。ただし、給料の額に違いがある場合は、その前に会社にまず確認することも忘れてはいけません。
 
そのうえで明らかに減給されたものであれば、労働基準監督署で指導を行ってもらう必要があります。そのためには、必要な証拠をきちんと残しておきましょう。
 

出典

厚生労働省 労働条件・職場環境に関するルール
労働基準監督署対策相談室 労働基準監督官とは?
厚生労働省 就業規則を作成しましょう
裁判所 労働審判のQ&A
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
 
監修:高橋庸夫
ファイナンシャル・プランナー

PR
FF_お金にまつわる悩み・疑問 ライターさん募集