更新日: 2024.01.22 融資

事業者向け不動産担保ローンとは? 審査通過の必要条件や金利・借入可能額などを解説

事業者向け不動産担保ローンとは? 審査通過の必要条件や金利・借入可能額などを解説
「ビジネスローンやカードローンで審査落ちの経験があるため、不動産担保ローンで借り入れできるのか不安」、「不動産担保ローンの特徴がわからず、自社に適したサービスなのか判断できず迷っている」このようなお悩みを抱えたことはありませんか?
 
不動産担保ローンを初めて利用する方は特徴やメリットがイメージできず、申し込み前に躊躇してしまう方も少なくありません。
 
不動産担保ローンは、不動産を担保にすることで数億円程度の高額融資を受けられる融資商品です。無担保ローンより低金利で資金調達できるため、融資後の返済総額を安く抑えられます。
 
本記事では、「不動産担保ローン」の概要、借入可能額、金利の目安、利用時のメリットやデメリット、利用手順についてご紹介します。本記事の内容を参考にして、自社の資金繰りを改善しましょう。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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不動産担保ローンとは?

不動産担保ローンは、不動産を担保にすることで高額融資を受けられるサービスです。
 
特徴として

●不動産を担保にして高額融資を受けられる
 
●無担保ローンより低金利で融資を受けられる
 
●赤字決算や滞納がある人でも柔軟に審査を実施している

上記3つに関して詳しく解説します。
 

不動産を担保にして高額融資を受けられる

不動産担保ローンは、不動産を担保にすることで高額融資を受けられます。不動産担保ローンは借り入れ時に価値のある担保を設定することで、不動産の価値に合った高額融資を検討してもらえるためです。
 
また、不動産担保ローンは担保に設定する不動産の価値が高いほど、借り入れ上限額を高く設定できる場合が多くあります。例えば、図表1の不動産担保ローンを利用することで、1億円から10億円程度の高額融資を検討してもらえます。
 
図表1

不動産担保ローン 融資可能額
AGビジネスサポート 不動産担保ビジネスローン 100万円~5億円
セゾンファンデックス 事業者向け不動産担保ローン 100万円~5億円
アサックス 「事業者向け」不動産担保ローン 300万円~10億円
日宝 不動産活用ローン 50万円~5億円
マテリアライズ 不動産担保ローン 100万~1億円

※AGビジネスサポートAGビジネスサポートの不動産担保ビジネスローン/セゾンファンデックス 事業者向け不動産担保ローン/アサックス 「事業者向け」不動産担保ローン/日宝 不動産活用ローン/株式会社マテリアライズを基に作成
 
数億円規模のまとまった資金を調達したい人は、不動産担保ローンを活用しましょう。
 

無担保ローンより低金利で融資を受けられる

不動産担保ローンは、無担保ローンよりも低金利で融資を受けられるサービスです。不動産担保ローンの担保を設定することで、無担保ローンより返済不能時の貸し倒れリスクが軽減できるためです。
 
一般的には、不動産担保ローンと無担保ローンの金利の適用利率において、不動産担保ローンは1%~9%、無担保ローンは2%~15%と違いがあります。
 
資金調達の金利を低利率で抑えたい方は、不動産担保ローンで融資を検討しましょう。
 

赤字決算や滞納がある人でも柔軟に審査を実施している

不動産担保ローンは、赤字決済や滞納の履歴がある人でも柔軟に審査を実施しています。現状の資金繰りのみではなく、事業計画書などを参照しながら今後における事業の将来性についても検討しているためです。
 
例えば、赤字決算が2期連続の事業でも、作成した事業計画書のプランに納得してもらえれば、不動産担保ローンで高額融資を受けられます。赤字決済や過去の滞納があり審査に自信がない人でも、不動産担保ローンで資金調達しやすくなります。
 

長期間の返済期間を設定できる

不動産担保ローンを利用することで、長期間の返済期間で融資を受けられます。不動産は長期間において物件の価値を維持しやすく、貸し倒れのリスクを軽減しながら融資を決定できるためです。
 
また、利用先の不動産担保ローンによって、最長35年間の返済期間を設定することも可能です。図表2の不動産担保ローンによっても、設定されている返済期間が異なります。
 
図表2

不動産担保ローン 返済期間
AGビジネスサポート 不動産担保ビジネスローン 最長30年
セゾンファンデックス 事業者向け不動産担保ローン 最長35年
アサックス 「事業者向け」不動産担保ローン 最長30年
つばさコーポレーション 不動産ビジネスローン 最長30年
日宝 不動産活用ローン 最長30年

AGビジネスサポート AGビジネスサポートの不動産担保ビジネスローン/セゾンファンデックス 事業者向け不動産担保ローン/アサックス「事業者向け」不動産担保ローン/株式会社つばさコーポレーション 商品のご案内 不動産ビジネスローン/日宝 不動産活用ローンを基に作成
 
例えば セゾンファンデックス 事業者向け不動産担保ローンは、最長35年間における長期の返済期間で利用できます。返済期間が長期間になるほど返済総額が大きくなる傾向があるため、実際の見積もり金額などを確認しながら納得できる不動産担保ローンを選びましょう。
 

不動産担保ローンの審査に通過するポイント

不動産担保ローンの審査に通過するポイントとして、次の4点が挙げられます。

●他の金融機関からの借り入れを少額にする
 
●納得できる事業計画を作成する
 
●担保価値が高い不動産を担保に設定する
 
●必要書類に不備がないか提出前にチェックする

4点について詳しく説明していきます。
 

他の金融機関からの借り入れを少額にする

他の金融機関からの借り入れを少額にすることで、不動産担保ローンの審査に通過しやすくなります。不動産担保ローンの審査は、現状の借入総額や他社の借入件数などをチェックしているためです。
 
例えば、他社の借入件数や借入金額が多い事業主の場合は、返済能力がないと受け止められます。これまでの借入金額や他社の借入件数を振り返り、返済可能な金額は前倒しで返済することで不動産担保ローンの審査に通過しやすくなります。
 
現状で金融機関からの借り入れを返済できる方は、可能な限り金融機関の借入額を少なくした状態で不動産担保ローンに申し込みましょう。
 

納得できる事業計画を作成する

不動産担保ローンの審査時に、納得できる事業計画書を作成しましょう。不動産担保ローンは現状の資金繰りに加えて、今後の事業計画書を参照しながら融資を決定しているためです。
 
具体的な対策方法として、税理士に依頼して事業計画書をチェックしてもらうのがおすすめです。経営者自身が独自に事業計画書を作成しても、売り上げの見通しが甘い場合があるためです。
 
不安な方は税理士の専門家に依頼し、実現可能性が高いとイメージできる事業計画書を作成しましょう。
 

担保価値が高い不動産を担保に設定する

不動産担保ローンの利用時には、担保価値が高い不動産を担保に設定しましょう。不動産担保ローンの担保の評価額によって、借入可能額が変動するためです。
 
担保評価額は不動産評価額に60%から80%程度の担保掛目を乗算して算出されます。
例えば、不動産評価額が6000万円の場合で考えてみましょう。担保掛目が80%の場合の担保評価額は、以下の計算式で算出できます。

●6000万円×80%=4800万円(担保掛目が80%の場合)
 
●6000万円×60%=3600万円(担保掛目が60%の場合)

不動産評価額が6000万円の場合は、3600万円から4800万円の担保評価額を算出します。融資可能額は、担保に設定する不動産の担保評価額で決められる点について留意しましょう。
 

必要書類に不備がないか提出前にチェックする

不動産担保ローンの申し込み時に、必要書類に不備がないか提出前にチェックしましょう。必要書類に不備があることで、不動産担保ローンの審査期間が伸びるなどの影響があるためです。具体的には、以下の必要書類をチェックしましょう。
 

<個人事業主の必要書類>

●運転免許証や顔写真付き身分証明書などの本人確認書類
 
●確定申告書2~3期分
 
●住民票
 
●住民税や固定資産税などの納税証明書
 
●事業計画書
 
●担保として設定する不動産に関する書類
 
●公図、地積測量図、建物図面、登記済権利証

 

<法人の必要書類>

●代表者の本人確認ができる書類(運転免許証など顔写真付の身分証明書)
 
●決算書(2-3期分)
 
●商業登記簿謄本
 
●納税証明書(法人事業税・法人税など)
 
●事業計画書
 
●担保として設定する不動産に関する書類
 
●公図、地積測量図、建物図面、登記済権利証

 
例えば、「住民票」、「納税証明書」、「登記簿謄本」など、市区町村の役所や法務局などで取得する書類を提出する必要があります。どのような必要書類を提出するのか担当者に質問することで、ゆとりを持ったスケジュールで不動産担保ローンを申し込む準備を進められます。
 
提出書類に不備がある場合はエビデンス不足で正確な評価や判断ができないため、「審査が開始できない」「審査が進められない」状況になります。また、エビデンス不足で正確な評価や判断ができないため、資金調達を希望する時期に融資が受けられない可能性もあります。
 
申し込みを検討している不動産担保ローンの必要書類についてチェックし、スムーズに審査を受けましょう。
 

不動産担保ローンの借入可能額は?

不動産担保ローンの借入可能額は、以下3点の特徴が挙げられます。

●担保評価額や個人の返済能力などで借入可能額を決定する
 
●利用先の不動産担保ローンによって借入可能額が異なる

2点について詳しく説明していきます。
 

担保評価額や個人の返済能力などで借入可能額を決定する

不動産担保ローンは、担保評価額や個人の返済能力が借り入れ可能額を決定する一因になります。担保評価額が高くなるほど、返済不能に陥った時に多くの返済資金を回収できるためです。
 
また、個人の返済能力が高いことで、融資実施後に返済不能に陥るリスクも下げられます。前述した通り、一般的には、以下の計算式を用いて、担保評価額の価値を算出しています。
 
不動産評価額×担保掛目(%)=担保評価額
 
また、一般的に、不動産評価額は、図表3に記載している6つの指標で算出しています。
 
図表3

担保不動産の価値に影響する指標 指標の概要
公示地価 国土交通省が1月1日時点において、土地1平方メートルあたりの正常な価格を公示している
基準地価 都道府県知事が7月1日において、土地1平方メートルあたりの標準価格を公表している
半年ごとの地価動向を表す
路線価 国税庁が1月1日時点の道路(路線)に面する土地1平方メートルあたりの評価について、7月1日時点で公表する
一般的には、公示地価の水準の8割程度の価格と言われている
固定資産税評価額 「総務省」「市区町村」が1月1日時点の価格を評価する
一般的には、公示地価の7割程度が目安となる
建物の構造 木造:1平方メートルあたり14万円~18万円
鉄骨:1平方メートルあたり16万円~20万円
法定耐用年数(建物の耐久性) 木造の事務所(合成樹脂の場合):24年
木造の店舗・住宅(合成樹脂の場合):22年
木造の事務所(モルタル建築材の場合):22年
木造の店舗・住宅(モルタル建築材の場合):20年
鉄筋コンクリート造りの事務所:50年
鉄筋コンクリート造りの住宅:47年

※イー・ローン 不動産担保ローンの審査基準とは?審査に比較的通りやすい人・通りにくい人を解説/freee 耐用年数とは?減価償却資産の種類と各耐用年数について解説を基に作成
 
「土地の地価」「建物の材質」「耐久性」など複数の要素をもとに、担保不動産の価値が決定している点について留意しましょう。
 

利用先の不動産担保ローンによって借入可能額が異なる

利用先の不動産担保ローンによって、借入可能額が異なります。
 
例えば、10億円程度のまとまった資金調達を希望する方は、「アサックス 『事業者向け』不動産担保ローン」を活用するのがおすすめです。希望金額を融資できる不動産担保ローンを選び、スムーズに資金調達しましょう。
 

不動産担保ローンにおける金利の特徴

不動産担保ローンにおける金利の特徴として、以下の3点が挙げられます。

●不動産担保ローンの金利相場は0.9%から13%程度
 
●銀行系の不動産担保ローンは低金利な商品が多い
 
●「変動」、「固定」で適用金利の利率が異なる

3点について詳しく説明していきます。
 

不動産担保ローンの金利相場は0.9%から13%程度

不動産担保ローンの金利相場は、0.9%から13%の適用利率を目安に資金調達できるサービスです。不動産担保ローンは担保を提供することで、無担保ローンより貸し倒れリスクを抑えやすいためです。
 
また、図表4のように、利用先の不動産担保ローンによっても、適用金利の設定が異なります。
 
図表4

不動産担保ローン 金利
AGビジネスサポート 不動産担保ビジネスローン 2.49%~8.99%
セゾンファンデックス 事業者向け不動産担保ローン 2.75~9.9%
アサックス 「事業者向け」不動産担保ローン 1.95%~6.9%
つばさコーポレーション 不動産ビジネスローン 4%~15%
日宝 不動産活用ローン 4%~9.9%

※AGビジネスサポート AGビジネスサポートの不動産担保ビジネスローン/セゾンファンデックス 事業者向け不動産担保ローン/アサックス「事業者向け」不動産担保ローン/株式会社つばさコーポレーション 商品のご案内 不動産ビジネスローン/日宝 不動産活用ローンを基に作成
 
例えば、「アサックス『事業者向け』不動産担保ローン」は、低利率で資金調達できます。自社に適した融資商品を検討しながら、納得できる金利で融資を受けましょう。
 

銀行系の不動産担保ローンは低金利な商品が多い

銀行系の不動産担保ローンは、低金利で資金調達できる融資商品が多い点が特徴的です。銀行系とノンバンク系の不動産担保ローンにおいて、一般的には適用利率が異なります。

●銀行系の不動産担保ローン: 0.9%~9%
 
●ノンバンク系の不動産担保ローン: 2.5%~13%

また、図表5のように、利用先の不動産担保ローンによっては、適用金利の利率に違いがあります。
 
図表5

利用先の不動産担保ローン 適用金利の利率
銀行系の不動産担保ローン 東京スター銀行 不動産担保ビジネスローン 6~12%
関西みらい銀行 フリーローン<(不動産担保型>) 1.9%~9.8%
福岡銀行 ロングリリーフ 3.975%~10.975%
ノンバンク系の不動産担保ローン AGビジネスサポート 不動産担保ビジネスローン 2.49%~8.99%
セゾンファンデックス 事業者向け不動産担保ローン 2.75~9.9%
アサックス 「事業者向け」不動産担保ローン 1.95%~6.9%

※東京スター銀行 不動産担保ビジネスローン/関西みらい銀行 フリーローン<不動産担保型>/福岡銀行 ふくぎん不動産担保ローン「ロングリリーフ」/AGビジネスサポート AGビジネスサポートの不動産担保ビジネスローン/セゾンファンデックス 事業者向け不動産担保ローン/アサックス 「事業者向け」不動産担保ローンを基に作成

低金利で不動産担保ローンの融資を受けたい方は、関西みらい銀行 フリーローン<不動産担保型>をはじめとした銀行系の不動産担保ローンを活用しましょう。
 

「変動」・「固定」で適用金利の利率が異なる

不動産担保ローンは、変動と固定の金利タイプによって適用金利が異なる点に注意しましょう。適用金利とは、不動産担保ローンを借り入れ時に利子や利息、返済額の計算に使用する金利です。
 
また、図表6のように、不動産担保ローンの金利タイプは、「固定金利」「変動金利」の2種類があります。
 
図表6

金利タイプ 特徴 金利
固定金利 返済期間中に金利が変動しない 変動金利よりも高利率に設定されやすい
変動金利 返済期間中、定期的に金利が見直される 固定金利よりも低利率を設定するケースが多い

セゾンのくらし大研究 知らないと損する!不動産担保ローンの金利相場と低金利で利用するコツとは?/AGビジネスサポート 不動産担保ローンの金利相場や決まり方は?負担少なく借りるためのポイントも紹介を基に作成
 
一般的には、「変動金利」「固定金利」の適用金利は審査結果によって決定されます。そのため、申し込み者が利用したい金利タイプを選べません。審査完了後に金利タイプや手数料率、変動金利の相場などをチェックし、自社に適した不動産担保ローンを選びましょう。
 

【利用前にチェック】不動産担保ローンの返済シミュレーション

不動産担保ローンの返済シミュレーションを活用し、申し込み前に返済金額についてイメージしましょう。具体的には、図表7の返済シミュレーションを活用することで、具体的な返済金額を算出できます。
 
図表7

返済シミュレーションが可能なサイト 算出できる内容
セゾンファンデックス 毎月の返済金額
返済期間
AGビジネスサポート 返済回数
毎月の返済金額
最終回の返済額
アサックス 毎月の返済金額
返済回数

※セゾンファンデックス 返済シミュレーション 事業者向け不動産担保ローン/AGビジネスサポート 返済シミュレーション/アサックス 返済シミュレーションを基に作成
 
例えば、AG ビジネスサポートの返済シミュレーションを利用することで、最終の返済金額まで詳細のイメージがつきしやすくなります。
 
利用しやすい返済シュミレーションサイトを活用し、不動産ローンの毎月の返済額や返済回数などについてチェックしましょう。
 

不動産担保ローンのメリット

不動産担保ローンのメリットとして、以下の4点が挙げられます。

●メリット1. 低金利で資金調達できる
 
●メリット2. 数億円単位の融資を受けられる
 
●メリット3. 毎月の返済金額における負担を軽減できる
 
●メリット4. 資金使途の自由度が高い

4点について詳しく説明していきます。
 

メリット1. 低金利で資金調達できる

不動産担保ローンを利用することで、低金利で資金調達できます。不動産担保ローンは担保に不動産を設定することで、融資を実行する業者や金融機関の貸倒リスクを軽減できるためです。
 
不動産担保ローンを活用し、資金調達後の返済総額を低金利で抑えましょう。
 

メリット2. 数億円単位の融資を受けられる

不動産担保ローンを利用することで、数億円単位の融資を受けられます。利用先の不動産担保ローンによっては、1億円から10億円程度のまとまった資金調達が実現できます。
 
数億円程度の資金調達を検討している方は、不動産担保ローンを活用することでまとまった資金調達を実現しやすくなります。複数の不動産担保ローンにおける融資可能額を比較検討しながら、自社に合った業者で資金調達しましょう。
 

メリット3. 毎月の返済金額における負担を軽減できる

不動産担保ローンを利用する際は、毎月の返済金額の負担を軽減できます。一般的に25年間から30年間程度の返済期間が設定可能となっていて、長期的な返済計画を目指すことで月々の返済の金額を抑えられるためです。
 
不動産担保ローンを利用することで、毎月の返済金額の負担を軽減しながらまとまった資金調達を実現できます。
 

メリット4. 資金使途の自由度が高い

不動産担保ローンは、資金使途の設定がなく自由に資金調達できる点がメリットです。事業資金以外の日用品や教育資金など、幅広い資金使途に対応している商品が多いためです。
 

不動産担保ローンのデメリット

不動産担保ローンのデメリットとして、以下の3点が挙げられます。

●デメリット1. 諸費用がかかる
 
●デメリット2. 融資まで1週間程度かかる
 
●デメリット3. 返済不能なら担保に設定した不動産を失う

3点について詳しく説明していきます。
 

デメリット1. 諸費用がかかる

不動産担保ローンを利用する際には、諸経費がかかる点について留意しましょう。不動産担保ローンの契約時は、「登記費用」、「事務手数料」などの手数料がかかるためです。
 
例えば、図表8の不動産担保ローンを利用する際には、利用先の業者によって記載されている諸費用が発生します。
 
図表8

不動産担保ローン 手続きにかかる費用
AGビジネスサポート 不動産担保ビジネスローン 事務手数料:0%~3%の範囲内で必要
セゾンファンデックス 事業者向け不動産担保ローン 事務手数料:融資金額の1.65%以内
調査料:融資金額の0.55%以内
登記費用:実費
振込手数料:実費

来社で契約できない場合は、以下の対応エリアごとに必要が発生する
・北海道、四国、九州:4万4000円
・その他地域:2万2000円

アサックス 「事業者向け」不動産担保ローン 融資取扱手数料:融資額の0%~3.3%
つばさコーポレーション 不動産ビジネスローン 事務手数料:0%~5%

※AGビジネスサポート AGビジネスサポートの不動産担保ビジネスローン/セゾンファンデックス 事業者向け不動産担保ローン/アサックス 「事業者向け」不動産担保ローン/株式会社つばさコーポレーション 商品のご案内 不動産ビジネスローン
 
同じ手数料でも、利用先の不動産担保ローンによって発生する諸費用の金額が異なります。不動産ローンの申し込み前に、発生する諸費用についてチェックしましょう。
 

デメリット2. 融資まで1週間程度かかる

不動産担保ローンの利用時は、融資まで1週間程度の期間がかかる点について留意しましょう。不動産担保ローンは、他のローンと比較して最短即日などの資金調達に対応していません。
 
具体的には、図表9のように、利用する資金調達方法によって融資スピードが異なります。
 
図表9

資金調達方法 資金調達方法の詳細
不動産担保ローン 3日間 ~1週間
銀行融資(ビジネスローン) 1週間~2週間
銀行融資(カードローン) 最短翌営業日
ノンバンク系の融資(ビジネスローン) 最短即日
ノンバンク系の融資(カードローン) 最短即日
ファクタリング 最短即日
クラウドファンディング 1ヶ月程度

※AGビジネスサポート AGビジネスサポートの不動産担保ビジネスローン/セゾンファンデックス 【事業者向け不動産担保ローン】融資まで何日かかりますか?/金融ナビ 銀行カードローンで即日借入はできる?審査が早い銀行カードローンも紹介/資金調達ジャーナル 銀行融資の審査期間は?目安や手続の流れ・短くするポイントを解説/プロミス カードローンの審査はどれくらい時間がかかるの?早くお金を借りるには?/株式会社ビートレーディング ファクタリングの入金日数はどれくらい?申し込みの流れを解説/CAMPFIREヘルプ 支援金が振り込まれるのはいつになりますか?を基に作成
 
例えば、最短即日でまとまった資金を調達したい方は、ファクタリングやビジネスローンを活用するのも一案です。また、図表10のように、融資先の不動産担保ローンによっては、対応可能な最短の入金スピードが異なります。
 
図表10

不動産担保ローン 入金スピード
AGビジネスサポート 不動産担保ビジネスローン 最短3日間
セゾンファンデックス 事業者向け不動産担保ローン 最短1週間
アサックス 「事業者向け」不動産担保ローン 最短3日間
つばさコーポレーション 不動産ビジネスローン 最短1週間程度

※AGビジネスサポート AGビジネスサポートの不動産担保ビジネスローン/セゾンファンデックス 【事業者向け不動産担保ローン】融資まで何日かかりますか?/アサックスASAX 「事業者向け」不動産担保ローン/株式会社つばさコーポレーション よくあるご質問
 

デメリット3. 返済不能なら担保に設定した不動産を失う

不動産担保ローンは返済不能に陥った際に、担保として設定した不動産を失う点に留意しましょう。担保に設定している不動産を売却することで、融資金額の返済資金に充てるためです。
 
不動産担保ローンはまとまった資金調達が可能ですが、計画的に返済を進めていく必要があります。返済不能に陥らないためにも、不動産担保ローンの利用前に返済シミュレーションを活用し、具体的な返済金額についてイメージしましょう。
 

不動産担保ローンの利用手順

不動産担保ローンの利用手順は、図表11のとおりです。
 
図表11

利用手順 詳細
STEP1. 仮申し込み(相談) 電話やインターネットで、仮申し込みを行う
また、利用先の金融機関や業者によっては簡易的な審査を実施している
インターネット経由から申し込む場合は、申し込み完了後にスタッフからメールや電話で連絡がある
STEP2. 正式申し込み(本申し込み) 提示される必要書類を提出する
利用先の不動産担保ローンによっては、オンライン上から必要書類をアップロードできる
STEP3. 審査 申し込み完了後、不動産担保ローンを提供している金融機関や業者が、「申込者の信用情報調査」「担保を予定している不動産の現地調査」をもとに審査を実施する
物件の調査や確認する必要書類が多いため、カードローンなどの無担保ローンよりも審査時間がかかる
一般的には、正式申し込みから審査完了まで1週間程度かかる
STEP4. 契約 審査結果で融資可能となった場合は、不動産担保ローンの契約手続きに進む
契約時に印紙代や登記費用などの諸費用がかかることがあるため、契約前に発生する諸費について問い合わせる
STEP5. 融資実行 契約完了後に、融資実行日に指定した口座へ融資金額分の資金が振り込まれる。

新生インベストメント&ファイナンス 不動産担保ローンの必要書類融資をスムーズに受けるには? を基に作成
 
また、利用先の不動産担保ローンによって、提示される必要書類や融資実行までにかかる日数などが異なります。必要書類や入金スピードなどを事前に問い合わせることで、適切なタイミングで希望金額を資金調達しましょう。
 

【法人向け】不動産担保ローン3選

法人向けに、以下3点の不動産担保ローンをご紹介します。

●法人におすすめ不動産担保ローン1. AGビジネスサポート 不動産担保ビジネスローン
 
●法人におすすめ不動産担保ローン2. セゾンファンデックス 事業者向け不動産担保ローン
 
●法人におすすめ不動産担保ローン3. アサックス 「事業者向け」不動産担保ローン

今回ご紹介した不動産担保ローンを参考にして、自社に合った業者を選びましょう。
 

法人におすすめ不動産担保ローン1. AGビジネスサポート 不動産担保ビジネスローン

AGビジネスサポート 不動産担保ビジネスローンは、最短3日間で数億円規模のまとまった資金を調達できる融資商品です。仮診断は最短1日で完了するため、スピーディーに審査結果を把握したい人にも適しています。
 
「急な資金繰りの悪化が発生し、まとまった金額をスピーディーに資金調達したい人」におすすめです。
 
図表12

融資可能額 100万円~5億円
金利 2.49%~8.99%
融資スピード 最短3日間
保証人の有無 原則不要
法人は代表者の連帯保証が必要
対応可能なエリア 全国
オンライン完結の有無 要問い合わせ(問い合わせや相談は来店が不要)
必要書類 個人事業主の場合
・本人確認書類コピー(健康保険証、運転免許証など)
・確定申告書(直近2年分)
・固定資産評価証明書(名寄台帳)
・各種納税証明書・担保物件に先順位の借入がある場合は「返済予定表」「現在の残高が分かる書類」
AGビジネスサポートが指定する事業内容確認書

法人の場合
・代表者の本人確認書類
・決算書
・固定資産評価証明書(名寄台帳)
・各種納税証明書
・担保物件に先順位の借入がある場合は、「返済予定表」「現在の残高が分かる書類」

運営会社 AGビジネスサポート株式会社
〒105-0014
東京都港区芝2丁目31-19

AGビジネスサポート AGビジネスサポートの不動産担保ビジネスローン
AGビジネスサポート 企業情報を基に作成
 

法人におすすめ不動産担保ローン2. セゾンファンデックス 事業者向け不動産担保ローン

セゾンファンデックス 事業者向け不動産担保ローンは、2.75%の低金利で融資を受けられるサービスです。まとまった資金を調達しながら、返済総額を低額に抑えられます。
 
また、2期連続の赤字決算や銀行での融資が断られた際にも、柔軟に審査を実施しています。「低金利で不動産担保ローンを利用して融資を受けたい人」におすすめです。
 
図表13

融資可能額 100万円~5億円
金利 2.75%~9.9%
融資スピード 最短1週間
保証人の有無 原則不要 法人は代表者の連帯保証が必要
対応可能なエリア 全国
オンライン完結の有無 未対応(来社やスタッフの訪問で対面が必要)
必要書類 個人事業主の場合

運転免許証(運転経歴証明書)、パスポート、健康保険証などの本人確認書類

住民票(世帯全員分の記載が必要)

確定申告書、課税証明書、事業計画書などの収入証明書(新規事業は創業計画書)

固定資産税・所得税・住民税など、担保提供予定者の納税証明書

残高証明書、返済予定表・返済口座通帳など担保予定不動産のローン残高が確認できる書類

法人の場合

法人代表者の本人確認書類(運転免許証、運転経歴証明書、パスポート、健康保険証など)

法人代表者の住民票(世帯全員分の記載がある書類)

法人代表者の収入証明書(源泉徴収票、確定申告書、課税証明書など)

法人の本人確認等書類(直近2期分の商業登記簿謄本、決算報告書、事業計画書、新規事業の場合は創業計画書

法人および担保提供予定者の納税証明書(固定資産税、所得税、住民税など)

担保予定不動産のローン残高が確認できる残高証明書、返済予定表、返済口座通帳

実印・印鑑登録証明書(3ヶ月以内の書類を2通)、銀行届出印、登記済権利証、登記識別情報通知書

運営会社 株式会社セゾンファンデックス
〒170-6037
東京都豊島区東池袋三丁目1番1号
サンシャイン60 37階

※セゾンファンデックス 事業者向け不動産担保ローン/セゾンファンデックス 会社概要/セゾンファンデックス 不動産担保ローン/セゾンファンデックス 【事業者向け不動産担保ローン】融資まで何日かかりますか?/セゾンファンデックス 【事業者向け不動産担保ローン】申込みや契約の際、店舗まで行かなくてはなりませんか。を基に作成
 

法人におすすめ不動産担保ローン3. アサックス 「事業者向け」不動産担保ローン

アサックス 「事業者向け」不動産担保ローンは、年間1500件以上の融資を実施している実績がある業者です。1969年に創業し、不動産担保ローン専業の会社として長い運営実績もあります。
 
また、1日で簡易的な審査結果が把握できるため、急ぎの事業主の方でもスムーズに融資の可否を検討しやすくなります。「スピード重視で資金調達したい人」におすすめです。
 
図表14

融資可能額 300万円~10億円
金利 1.95%~6.9%
融資スピード 最短3日間
保証人の有無 原則不要
対応可能なエリア 東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県
オンライン完結の有無 未対応(来社やスタッフの訪問で対面が必要)
必要書類 本人確認書類(運転免許証、パスポート等)
収入が確認できる書類(決算書、確定申告書等)
認印
運営会社 株式会社アサックス
〒150-0012
東京都渋谷区広尾1-3-14

※アサックス 「事業者向け」不動産担保ローン/アサックス よくあるご質問アサックス 会社概要・沿革・組織図を基に作成
 

不動産担保ローンに関するよくある質問

不動産担保ローンに関するよくある質問をご紹介します。抱えている悩みと同じ項目を見つけた際は、参考にしてみてください。
 

個人向けにおすすめの不動産担保ローンは?

個人事業者におすすめの不動産担保ローンとして、「AGビジネスサポート 不動産担保ビジネスローン」、「アサックス 不動産担保ローン」が挙げられます。それぞれの不動産担保ローンの特徴については、図表15のとおりです。
 
図表15

不動産担保ローン 特徴
AGビジネスサポート 不動産担保ビジネスローン 最短3日間で融資が可能
アサックス 「事業者向け」不動産担保ローン 最大10億円の融資を検討してもらえる
年間1500件以上の融資を実施している実績がある

※AGビジネスサポート AGビジネスサポートの不動産担保ビジネスローン/アサックス 「事業者向け」不動産担保ローンを基に作成
 
例えば、可能な限り早い段階で資金調達したい方は、「AGビジネスサポート 不動産担保ビジネスローン」を利用することがおすすめです。今回紹介した不動産担保ローンを参考にしながら、自社に合った業者で資金調達を目指しましょう。
 

不動産担保ローンの審査に通らない理由は?

一般的な傾向として、不動産担保ローンの審査に通らない人は、以下3点の特徴が挙げられます。

●他社からの借り入れが多い
 
●信用情報に複数の延滞履歴がある
 
●不動産の担保価値が低い

例えば、他社の借り入れ金額が多い方は、月額の返済金額が負担になる可能性が考えられます。また、信用情報に複数の延滞履歴がある方は、融資実行後に計画的な返済をイメージしにくくなるため注意しましょう。
 
他には、不動産担保ローンの融資額は、担保に設定する不動産の価値で決まります。そのため、不動産の担保価値が低い場合は、希望する金額を資金調達しにくくなります。今回ご紹介した内容を参考にしながら、不動産担保ローンの融資を検討しましょう。
 

絶対に借りられる不動産担保ローンはある?

絶対に借りられる不動産担保ローンはありません。不動産担保ローンの借り入れ時は審査に通過する必要があり、絶対に借りられる不動産担保ローンは存在しないと考えられるためです。
 
具体的には、不動産担保ローンは担保に設定する不動産の価値に応じて、まとまった金額を融資してもらえます。担保に設定する不動産の価値によっては、融資を否決される可能性もあります。そのため、絶対に借りられる不動産担保ローンはない点について認識しましょう。
 

不動産担保ローンでビジネスの資金繰りを改善しよう

今回は不動産担保ローンの概要、借入可能額、金利の目安、利用時のメリットやデメリット、利用手順についてご紹介しました。
 
不動産担保ローンは、不動産を担保にすることで数億円程度の高額融資を受けられる融資商品です。不動産担保ローンを活用しながら、自社ビジネスを促進しましょう。
 

出典

AGビジネスサポート AGビジネスサポートの不動産担保ビジネスローン
セゾンファンデックス 事業者向け不動産担保ローン
アサックス 「事業者向け」不動産担保ローン
日宝 不動産活用ローン
株式会社マテリアライズ
アサックス 不動産担保ローンの金利タイプ
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執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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