更新日: 2024.01.26 融資

日本政策金融公庫とは? 概要や融資実績からおすすめの人の特徴を紹介

日本政策金融公庫とは? 概要や融資実績からおすすめの人の特徴を紹介
「日本政策金融公庫の利用を検討しているけど、融資内容や利用するメリットがわからず申し込み前に躊躇している」、「日本政策金融公庫で融資を受けたいが、審査に通過できるのか不安」このようなお悩みを抱えたことはありませんか?
 
事業主の方は融資の審査に不安を感じやすく、日本政策金融公庫の申し込みを躊躇している方も少なくありません。
 
日本政策金融公庫は、個人事業主や中小企業などの事業者を対象に融資している組織です。「一時的な資金不足」「災害時」「新規事業資金」など、幅広いニーズに応じて融資を検討してもらえます。また、一時的な売上減少など、現状の資金繰りに不安がある人でもまとまった融資を受けられます。
 
本記事では、「日本政策金融公庫」の概要、融資実績、日本政策金融公庫のメリットやデメリット、おすすめの人についてご紹介します。本記事の内容を参考にして、ビジネスの資金繰りを改善しましょう。
FINANCIAL FIELD編集部

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日本政策金融公庫とは?

日本政策金融公庫とは、前身の「国民生活金融公庫」をはじめ4つの政策金融機関が統合されて生まれた組織です。日本政策金融公庫は「中小企業」「小規模事業者」「農林漁業者」などの事業者を融資対象として掲げています。
 

国が株式を100%保有している特殊会社

日本政府金融公庫は、国が株式を100%保有している特殊会社です。日本政策金融公庫のホームページには、以下のような記載があります。
 
日本公庫は、国が株式の100%を常時保有することが法律で定められている特別な株式会社で、一般の民間会社や民営化を前提とした特殊会社ではありません。日本公庫が株式会社の形態をとっているのは、株式会社のガバナンスの仕組みを活用して、透明性の高い効率的な事業運営を行うためです。(引用元:日本政策金融公庫 よくあるご質問より)
 
また、株式を保有することで、公的な国が介入することで中立性や透明性を図っています。他には、外部の有識者を採用しており、幅広い観点から融資の透明性を高めている組織です。
 

利用者に応じて豊富な融資制度が選べる

日本政策金融公庫は、ニーズに応じて豊富な融資制度が選べます。例えば、「開業資金や運転資金を調達したい」「一時的な売上減少に対応したい」など、利用者の状況に応じた融資制度を取り揃えています。
 
また、小規模の事業者から中小企業まで、事業者に合った融資制度を申し込み可能です。申し込み者を対象に、柔軟に審査を受けられる融資制度です。
 

災害時に資金調達できる融資制度がある

日本政策金融公庫は、災害時に資金調達できる融資制度を取り揃えている組織です。例えば、自然災害の被害を受けて事業用設備を再購入する必要がある場合でも、設備資金を資金調達できます。
 
突発的な自然災害が発生した場合でも、日本政策金融公庫の融資を申し込むことで事業を継続できます。
 

日本政策金融公庫で利用可能な融資制度

日本政策金融公庫で利用可能な融資制度として、以下の6点が挙げられます。
 

●新規開業資金
 
●一般貸付
 
●経営環境変化対応資金(セーフティネット貸付)
 
●海外展開・事業再編資金
 
●企業再建資金
 
●災害貸付

 
6点について詳しく説明していきます。
 

【スタートアップ企業におすすめ】新規開業資金

新規開業資金は「女性」「シニア」「若者」など、幅広い事業者における創業やスタートアップに必要な事業資金を融資している制度です。事業開始前または事業開始後から7年以内なら融資を申し込めるため、事業が軌道に乗る前にまとまった金額を資金調達できます。
 
また、融資限度額は7200万円となっていて、新規事業のまとまった運転資金として活用できます。
 
図表1

利用対象者 新規に事業を始める方
事業開始後からおおむね7年以内の方
資金使途 新規事業や事業開始後に必要な設備資金及び運転資金
廃業歴があり、創業に再チャレンジする方は、前事業の債務返済として利用できる
融資限度額 7200万円(うち運転資金4800万円)
適用利率 1.2%~3.3%
性別や年齢などの諸条件で、特別利率を適用
返済期間 設備資金:20年以内(据置期間は2年以内)
運転資金:7年以内(据置期間は2年以内)
担保・保証人の有無 要問い合わせ
併用できる融資制度 無担保・無保証人で融資を受けたい方:新創業融資制度、担保を不要とする融資制度、経営者保証免除特例制度

新たに事業を始める方で、税務申告2期分が完了していない:創業支援貸付利率特例制度

設備投資に取り組む方:設備資金貸付利率特例制度(全国版)
設備資金貸付利率特例制度(東日本版)

※日本政策金融公庫 新規開業資金を基に作成
 

【複数の融資制度を併用したい人におすすめ】一般貸付

一般貸付は、幅広い事業主の方が利用できる融資制度です。運転資金や設備資金など、幅広い事業資金を調達できます。
 
また、別の創業時や設備資金の融資制度と併用できます。複数の融資制度を取り入れながら事業資金を調達したい人におすすめです。
 
図表2

利用対象者 ほとんどの業種の中小企業(業種や経営内容によっては利用できない)
資金使途 運転資金、設備資金、特定設備資金
融資限度額 運転資金:4800万円
設備資金:4800万円
特定設備資金:7200万円
適用利率 2.1%~3.3%
返済期間 運転資金:5年以内(必要な場合は7年以内、据置期間は1年以内)
設備資金:10年以内(据置期間2年以内)
特定設備資金:20年以内(据置期間2年以内)
担保・保証人の有無 要問い合わせ
併用できる融資制度 無担保・無保証人を希望する方:新創業融資制度、担保を不要とする融資制度、経営者保証免除特例制度

創業する方:創業支援貸付利率特例制度

設備投資に取り組む方:設備資金貸付利率特例制度(全国版)
設備資金貸付利率特例制度(東日本版)

※日本政策金融公庫 一般貸付を基に作成
 

【一時的な売上減少に悩む事業者におすすめ】経営環境変化対応資金(セーフティネット貸付)

経営環境変化対応資金(セーフティネット貸付)は、一時的な売上減少による事業の立て直しを検討している人向けの融資制度です。融資限度額は、個人企業や小規模企業向けでは4800万円、中小企業事業で7億2千万円となっていて、まとまった金額を受けながら事業の拡大に向けて取り組めます。
 
事業の売上が減少していて、金融機関から融資を受けにくい人に最適です。
 
図表3

事業規模 個人企業・小規模事業者 中小企業
利用対象者 社会的、経済的環境の変化や外的要因により、一時的に売上減少などの業況が悪化しているが、中長期的には業況が回復して発展することが見込まれる事業で、次のいずれかに該当する方

1.最近の決算期における売上高が前期または前々期と比較して5%以上減少している

2.最近3ヶ月の売上高が前年同期または前々年同期と比較して5%以上減少し、かつ、今後も売上減少が見込まれる

3.最近の決算期における純利益額または売上高経常利益率が前期または前々期と比較して悪化している

4.最近の取引条件が回収条件の長期化または支払条件の短縮化等により、0.1ヶ月以上悪化している

5.社会的な要因で一時的な業況が悪化し、資金繰りに著しい支障を来している方または来すおそれのある方

6.最近の決算期で赤字幅が縮小したが、税引前損益または経常損益で損失を生じている

7.前期の決算期において、税引前損益または経常損益で損失が生じており、最近の決算期において、利益が増加したが利益準備金及び任意積立金等の合計額を上回る繰越欠損金が発生している

8.前期の決算期で税引前損益または経常損益で損失が発生し、最近の決算期において、利益が増加したものの債務償還年数が15年以上

資金使途 設備資金及び経営基盤の強化を図るために必要な長期運転資金 設備資金及び経営基盤の強化を図るために必要な長期運転資金
融資限度額 4800万円 7億2000万円
適用利率 0.45%~3.5%(一部の条件を満たす方は特別利率を適用する) 0.6%~2%(長期運転資金なら0.6%~2.5%)

一部の条件を満たす方は基準利率が-0.4%(上限金利は2.5%)

返済期間 設備資金:15年以内(据置期間3年以内)
運転資金:8年以内(据置期間3年以内)
設備資金:15年以内(据置期間3年以内)
運転資金:8年以内(据置期間3年以内)
担保・保証人の有無 要問い合わせ 要問い合わせ
併用できる融資制度 無担保・無保証人を希望する方:担保を不要とする融資制度、経営者保証免除特例制度

設備投資に取り組む方:設備資金貸付利率特例制度(全国版)
設備資金貸付利率特例制度(東日本版)

要問い合わせ

※日本政策金融公庫 経営環境変化対応資金(セーフティネット貸付)を基に作成(2024年1月)
 

【グローバルに事業展開したい人におすすめ】海外展開・事業再編資金

海外展開・事業再編資金は、グローバルに事業を展開したい人におすすめの融資制度です。労働力不足や原材料の供給高騰、労働力不足などの事情により、海外への企業進出に悩む方でもビジネスを展開できます。
 
海外展開のために資金を調達しながら、ビジネスを促進したい人におすすめです。
 
図表4

事業規模 個人企業・小規模事業者 中小企業
利用対象者 海外展開することが経営上必要で、次の1~3の全てに該当する方

1.開始または拡大しようとする海外展開事業が、当該中小企業の本邦内における事業の延長と認められる程度の規模を有するものであること

2.本邦内において、事業活動拠点(本社)が存続すること

3.経営革新の一環として、海外市場での取引を進めようとするもので、次の(1)~(4)のいずれかに該当すること

(1)取引先の海外進出に伴い、海外展開すること

(2)原材料の供給事情により、海外進出すること

(3)労働力不足により、海外進出すること

(4)国内市場の縮小により、海外市場の開拓・確保に依らないと成長が見込めないため海外展開すること

次の1、2または3のいずれかに該当する方

1.経済の構造的変化などに適応するために海外展開することが経営上必要であり、次の(1)~(3)の全てに該当する方
(1)
開始または拡大しようとする海外展開事業が、当該中小企業の本邦内における事業の延長と認められる程度の規模を有するものであること
(2)
本邦内において、事業活動拠点(本社)が存続すること
(3)
経営革新の一環として、海外市場での取引を進めようとするもので、次の(ア)~(エ)のいずれかに該当すること
(ア)
取引先の海外進出に伴い、海外展開をすること
(イ)
原材料の供給事情により、海外進出をすること
(ウ)
労働力不足により、海外進出をすること
(エ)
国内市場の縮小により、海外市場の開拓・確保に依らないと成長が見込めないため海外展開すること

2.海外における経済の構造的変化などに適応するために次の(1)及び(2)を満たす方
(1)
海外直接投資にかかる海外展開事業を再編(全部または一部を、移転または廃止することを含む。)することが、経営上必要であること
(2)
本邦内における事業活動は継続し、中長期的にみて発展することが見込まれること

3.海外直接投資にかかる海外展開事業の業況悪化などにより、本邦内における事業活動が影響を受けている方

資金使途 設備資金
長期運転資金
海外企業に対する転貸資金
(要問合せ)
設備資金
長期運転資金
海外企業に対する転貸資金
(要問合せ)
融資限度額 7200万円(運転資金4800万円) 直接貸付:14億4000万円
代理貸付:1億2000万円
適用利率 担保不要の基準金利
2.1%~3.3%(一部の条件を満たす方は1.45%~2.65%、1.7%~2.9%)
2.1%~3.3%(一部の条件を満たす方は1.7~2.6%)
返済期間 設備資金:20年以内(据置期間2年以内)
運転資金:7年以内(据置期間2年以内)
※例外あり
設備資金:15年以内(据置期間3年以内)
運転資金:8年以内(据置期間3年以内)
※例外あり
担保・保証人の有無 要問い合わせ 要問い合わせ
併用できる融資制度 無担保・無保証人を希望する方:新創業融資制度、担保を不要とする融資制度、経営者保証免除特例制度

創業する方:創業支援貸付利率特例制度

要問い合わせ

※日本政策金融公庫 海外展開・事業再編資金を基に作成
 

【事業を立て直したい人におすすめ】企業再建資金

企業再建資金は、経営改善に向けてまとまった資金を確保したい人におすすめの融資制度です。個人事業主の方は7200万円のまとまった資金調達を検討してもらえるため、事業の地盤を安定しながら事業の再建を目指せます。
 
銀行の融資を申し込みできず、事業を立て直すための資金調達を希望している人におすすめです。
 
図表5

事業規模 個人企業・小規模事業者 中小企業
利用対象者 1.企業再建関連
次のいずれかの機関が関与して事業を再建する方
(1)
株式会社整理回収機構
(2)
中小企業活性化協議会(旧:中小企業再生支援協議会を含む)
(3)
株式会社地域経済活性化支援機構
(4)
株式会社東日本大震災事業者再生支援機構法第59条に規定する産業復興相談センター
(5)
株式会社東日本大震災事業者再生支援機構
(6)
独立行政法人中小企業基盤整備機構が出資する投資事業有限責任組合
(7)
中小企業の事業再生等に関するガイドラインに規定する第三者支援専門家

2.民間金融機関関連
適切な再生計画を策定し、取引金融機関の支援を受けて企業再生を図る方

3.認定支援機関関連
次のいずれかに該当する方
(1)
認定支援機関の経営改善計画策定支援事業を利用して経営改善に取り組む方
(2)
過剰債務の方が経営改善計画を策定し、認定支援機関の指導や助言を受けており、同計画について関係金融機関の合意が確認できる方

4.条件変更先関連
金融機関から事業資金の借入れについて、弁済にかかる負担の軽減を目的とする条件の変更を行っている方

経営改善、経営再建等に取り組む必要がある中小企業で、1.(1)~(3)の全てに該当する、または2.に該当する方

1.
(1)
次のいずれかに該当し、早急に企業再建を行う必要がある方
イ.
借入債務などが株式会社整理回収機構に譲渡された企業と密接な取引関係を有する方

ロ.
取引先の業況悪化の影響を受けるなど一定の要件に該当する方

ハ.
過剰債務の状況に陥っている方

ニ.
中小企業活性化協議会(旧:中小企業再生支援協議会を含みます。)などの関与の下で事業の再生を行う方

ホ.
事業資金の借入金について弁済にかかる負担の軽減を目的とした条件変更を行っている方

ヘ.
第二会社方式により再生を図る方

ト.
過去延滞等により債権が譲渡されていて、再生を図る方

(2)
相応の債務償還能力が認められ、かつ、適切な企業再建計画が策定され、金融機関の協力が得られるなど関係者による支援体制が構築されていて、自助努力により企業再建が見込まれる方

(3)
当公庫が融資後も継続的に企業再建に対する経営指導を行うことで、円滑な企業再建の遂行が可能な方

2.次のいずれかに該当する方
(1)
認定支援機関による経営改善計画策定支援事業を利用し、経営改善に取り組んでいる

(2)
過剰債務の状況に陥っていて経営改善計画の策定を行い、認定支援機関の指導及び助言を受けており、かつ、同計画に対する関係金融機関の合意が確認できる

資金使途 企業の再建に必要な設備資金及び運転資金 企業再建計画や経営改善計画を基に、企業再建で必要な設備資金及び長期運転資金
融資限度額 7200万円(うち運転資金4800万円) 7億2000万円
適用利率 利用対象者の1.に該当する方は1.2%~2.4%を適用

利用対象者の2.に該当する方は2.1%~3.3%、または1.7%~2.9%のいずれかを適用

利用対象者の3.に該当する方は、1.45%~2.65%を適用

利用対象者の4.に該当する方 は、2.1%~3.3%を適用

(1)利用対象者の1.に該当する方
基準利率を適用(上限2.5%)
なお、(1)のニ.の要件を満たす場合は2億7000万円の融資を限度に特別利率③の低利率を適用(上限2.5%)

(2)利用対象者の2.に該当する方
2億7000万円を限度に 特別利率②(上限2.5%)、基準利率(上限2.5%)を適用

※信用リスクや融資期間に応じた利率を適用する。また、「利用対象者」の1(1)二または2に該当し、担保を徴しない場合は利率の引き下げ措置が適用される。

返済期間 設備資金:20年以内(据置期間2年以内)
運転資金:15年以内(一定の要件を満たす場合は20年以内、据置期間2年以内)
設備資金:15年以内(据置期間3年以内)
運転資金:8年以内(据置期間3年以内)
※例外あり
担保・保証人の有無 要問い合わせ 要問い合わせ
併用できる融資制度 無担保・無保証人を希望する方:担保を不要とする融資制度、経営者保証免除特例制度

設備投資に取り組む方:設備資金貸付利率特例制度(全国版)
設備資金貸付利率特例制度(東日本版)

要問い合わせ

※日本政策金融公庫 企業再建資金、事業再生・企業再建支援資金(企業再建・経営改善支援関連)を基に作成
 

【自然災害を受けて設備を再購入したい人におすすめ】災害貸付

災害貸付は「地震」「台風」「豪雨」など、自然災害が発生した場合に融資を受けられる制度です。日本政策金融公庫が取り揃えている他の融資制度と併用しながら、事業資金を調達できます。
 
設備の再購入など、災害時にまとまった資金が必要な方は災害貸付を活用しましょう。
 
図表6

融資の種類 一般貸付・特別貸付 生活衛生貸付
特徴 各融資制度と併用する(各融資制度の融資限度額に、災害貸付の融資額を加える)
利用対象者 地震、台風、豪雨などの災害で被害を受けた事業者で、以下のいずれかに該当する方

1.災害で直接被害を受けた方

2.前1以外で、直接被害を受けた事業者との取引による売上の減少、売掛金債権の固定化などで間接的な被害を受けたと認められた方

地震、台風、豪雨などの災害で被害を受けた生活衛生関係の事業者または生活衛生同業組合等で、次のいずれかに該当する方

1.災害で直接被害を受けた方

2.前1以外で、直接被害を受けた事業者との取引による売上の減少、売掛金債権の固定化などで間接的な被害を受けたと認められた方

3.前1、2に該当する方の営業復旧・再開のため共同購入事業を行う組合等

資金使途 被災で生じた損害を復旧するための「運転資金」「設備資金」 被災で生じた損害を復旧するために必要な「運転資金」「設備資金」

被災した生活衛生関係の事業を営む方の営業復旧・再開に組合等が必要な共同購入運転資金

融資限度額 各融資制度の融資限度額に1災害につき3000万円を加えた額 一般貸付または振興事業貸付の融資限度額に1災害につき3000万円(組合等は5000万円)を加えた額
適用利率 各融資制度に定められた利率
返済期間 一般貸付
運転資金:10年以内(うち据置期間2年以内)
設備資金:10年以内(うち据置期間2年以内)

特別貸付
各融資制度に定められた返済期間内(据置期間は各融資制度に定められた期間内)

運転資金:10年以内(据置期間は各融資制度に定められた期間内)

設備資金:各融資制度に定められた返済期間内(うち据置期間2年以内)
※例外あり

担保・保証人の有無 要問い合わせ
併用できる融資制度 無担保・無保証人を希望する方:経営者保証免除特例制度

創業期の方:創業支援貸付利率特例制度

※日本政策金融公庫 災害貸付(各融資制度と併用いただく融資制度です)を基に作成
 

日本政策金融公庫の融資実績

日本政策金融公庫の融資実績は、図表7のとおりです。
 
図表7

貸付の種別 普通貸付 生活衛生貸付
1月貸付件数 1万239件 462件
1月貸付金額 765億481万円 27億4306万円
2月貸付件数 1万2140件 546件
2月貸付金額 889億1713万円 3億821万円
3月貸付件数 1万6730件 727件
3月貸付金額 1324億9417万円 45億3839万円
4月貸付件数 1万4416件 624件
4月貸付金額 1084億1118万円 35億5134万円
5月貸付件数 1万4271件 572件
5月貸付金額 1067億7600万5000円 32億4799万円
6月貸付件数 1万6750件 684件
6月貸付金額 1318億6249万円 43億791万円
7月貸付件数 1万5213件 677件
7月貸付金額 1240億1655万円 37億1958万円
8月貸付件数 1万6380件 678件
8月貸付金額 1348億7692万円 36億9803万円
9月貸付件数 1万5584件 666件
9月貸付金額 1277億8499万円 39億5974万円
10月貸付件数 1万7942件 745件
10月貸付金額 1530億3655万円 44億円6734万円
本年度貸付件数(令和5年1月から10月までの合計数) 11万0556件 4646件
本年度貸付金額(令和5年1月から10月までの合計額) 8867億6468万5000円 269億5193万円

※日本政策金融公庫 融資実績・残高(令和5年1月~10月)を基に作成
 
日本政策金融公庫は、普通貸付で毎月1万件以上の貸付を実施しています。また、貸付金額も多額となっていて、融資実績も豊富です。
 

日本政策金融公庫を利用するメリット

日本政策金融公庫を利用するメリットとして、以下の4点が挙げられます。
 

●まとまった金額の融資を検討してもらえる
 
●「スタートアップ資金」「災害貸付」などニーズに合った融資制度が選べる
 
●金融機関より低金利で融資を受けられる
 
●一時的な業績悪化の融資も対応している

 
4点について詳しく説明していきます。
 

まとまった金額の融資を検討してもらえる

日本政策金融公庫は、1億円規模のまとまった融資を検討してもらえる事業です。申し込み対象者が中小企業の場合は図表8の融資制度を申し込むことで、数億円規模の融資を検討してもらえます。
 
図表8

融資制度 個人事業主向け制度の融資金額 中小企業向け制度の融資金額
経営環境変化対応資金(セーフティネット貸付) 4800万円 7億2000万円
海外展開・事業再編資金 7200万円(運転資金4800万円) 直接貸付:14億4000万円
代理貸付:1億2000万円
企業再建資金 7200万円(うち運転資金4800万円) 7億2000万円

※日本政策金融公庫 経営環境変化対応資金(セーフティネット貸付)、海外展開・事業再編資金、企業再建資金、事業再生・企業再建支援資金(企業再建・経営改善支援関連)を基に作成
 
中小企業の方で1億円以上のまとまった融資を検討をしたい方は、日本政策金融公庫を活用しましょう。
 

「スタートアップ資金」「災害貸付」などニーズに合った融資制度が選べる

日本政策金融公庫は、「スタートアップ資金」「災害貸付」「新規事業資金」など、ニーズに合った融資制度が選べる組織です。具体的には、図表9のような融資制度を取り揃えています。
 
図表9

融資制度 融資限度額 適用利率
新規開業資金 7200万円 1.2%~3.3%
一般貸付 運転資金:4800万円
設備資金:4800万円
特定設備資金:7200万円
2.2%~3.3%
経営環境変化対応資金(セーフティネット貸付) 個人事業主:4800万円
中小企業:7億2000万円
個人事業主:0.45%~3.5%(一部の条件を満たす方は特別利率を適用する)

中小企業:0.6%~2%(長期運転資金なら0.6%~2.5%)
一部の条件を満たす方は基準利率が-0.4%(上限金利は2.5%)

海外展開・事業再編資金 個人事業主:7200万円(運転資金4800万円
中小企業:直接貸付(14億4000万円)、代理貸付(1億2000万円)
個人事業主:2.1%~3.3%(一部の条件を満たす方は1.45%~2.65%、1.7%~2.9%)

中小企業:2.1%~3.3%(一部の条件を満たす方は1.7~2.6%)

企業再建資金 個人事業主:7200万円(うち運転資金4800万円)
中小企業:7億2000万円
個人事業主:1.2%~3.3%(一部の利用対象者に該当する方は別の利率を適用)

中小企業:上限2.5%まで(信用リスクや融資期間に応じて所定の利率を適用)

※日本政策金融公庫 新規開業資金、一般貸付、経営環境変化対応資金(セーフティネット貸付)、海外展開・事業再編資金、企業再建資金、事業再生・企業再建支援資金(企業再建・経営改善支援関連)を基に作成
 
例えば、新規事業を検討している事業主の方は、新規開業資金の融資制度を申し込み可能です。他には、海外事業の展開を検討している事業者なら、海外展開・事業再編資金を活用することで資金調達できます。事業の状況に応じて、最適な融資制度を選びましょう。
 

金融機関より低金利で融資を受けられる

日本政策金融公庫は、金融機関より低金利で融資を受けられます。日本政策金融公庫と金融機関において、図表10のように適用利率が異なります。
 
図表10

融資の申し込み先 適用利率の目安
日本政策金融公庫 2%~3%程度
銀行融資 1%~15%程度

※株式会社ビートレーディング 銀行借入金利の相場は1%~15%!計算方法と低金利で借入れるコツを基に作成
 
日本政策金融公庫は、一般的な金融機関の融資を受ける場合より低金利で融資を受けられます。融資の適用利率を低く抑えたい人は、日本政策金融公庫で融資を受けるのがおすすめです。
 

一時的な業績悪化の融資も対応している

日本政策金融公庫は、一時的な業績悪化における融資も対応しています。具体的には、経営環境変化対応資金(セーフティネット貸付)の融資制度を利用するとよいでしょう。(詳細は図表3に記載しています。)
 
一時的な業績悪化で融資を受けられるのが不安な方は、日本政策金融公庫の経営環境変化対応資金(セーフティネット貸付)を活用しましょう。
 

日本政策金融公庫を利用するデメリット

日本政策金融公庫を利用するデメリットとして、以下の2点が挙げられます。
 

●融資まで2週間程度かかる
 
●資金使途が設備資金や運転資金に限られる融資制度が多い

 
2点について詳しく説明していきます。
 

融資まで2週間程度かかる

日本政策金融公庫から融資を受ける際には、融資まで2週間程度の期間がかかる点について留意しましょう。利用先の融資制度によっては、図表11のように融資までにかかる期間が異なります。
 
図表11

資金調達方法 資金調達までにかかる期間の目安
日本政策金融公庫の融資制度 2週間程度
不動産担保ローン 3日間~7日間程度
ビジネスローン 最短即日
ファクタリング 最短即日

※アサックス 「事業者向け」不動産担保ローン/SMBCモビット LOAN NOTE ビジネスローンとは?事業・法人向けローンの特徴をわかりやすく解説/ベストファクター ファクタリングの入金までにかかる日数を基に作成
 
例えば、申込みから3日間程度で融資を受けたい方なら、不動産担保ローンを申し込むことで比較的早いタイミングで資金調達できます。一方で、資金調達に2週間程度のゆとりがあり、低金利でまとまった金額を受け取りたいなら日本政策金融公庫を利用するのがおすすめです。
 
融資までの日数をイメージし、資金繰りが必要なタイミングで融資を受けられる資金調達方法を選びましょう。
 

資金使途が設備資金や運転資金に限られる融資制度が多い

日本政策金融公庫は、資金使途が設備資金や運転資金に限られている点について留意しましょう。具体的には、図表12の融資制度を活用する際には、資金使途が限定されています。
 
図表12

融資制度 資金使途
新規開業資金 設備資金
運転資金
一般貸付 設備資金
運転資金
特定設備資金
経営環境変化対応資金(セーフティネット貸付) 設備資金
運転資金
海外展開・事業再編資金 設備資金
運転資金
海外企業に対する転貸資金
企業再建資金 設備資金
運転資金

※日本政策金融公庫 新規開業資金、一般貸付、経営環境変化対応資金(セーフティネット貸付)、海外展開・事業再編資金、企業再建資金、事業再生・企業再建支援資金(企業再建・経営改善支援関連)を基に作成
 
例えば、日常的な生活費を捻出したい方は、別の事業者向けの融資やカードローンを検討するのも一案です。申し込み前に、資金使途が限定されている点について留意しましょう。
 

日本政策金融公庫を活用してビジネスを展開しよう

今回は日本政策金融公庫の概要、日本政策金融公庫の融資実績、日本政策金融公庫のメリットやデメリット、おすすめの人についてご紹介しました。
 
日本政策金融公庫は、個人事業主や中小企業などの事業者を対象として融資している組織です。「一時的な資金不足」「災害時の設備資金」「新規事業の運転資金」など、幅広いニーズに応じて必要な金額の融資を受けられます。
 
日本政策金融公庫の融資制度を活用して、ビジネスを促進しましょう。
 

出典

日本政策金融公庫 よくあるご質問
日本政策金融公庫 新規開業資金
日本政策金融公庫 一般貸付
日本政策金融公庫 経営環境変化対応資金(セーフティネット貸付)国民生活事業
日本政策金融公庫 経営環境変化対応資金(セーフティネット貸付)中小企業事業
日本政策金融公庫 海外展開・事業再編資金 国民生活事業
日本政策金融公庫 海外展開・事業再編資金 中小企業事業
日本政策金融公庫 企業再建資金 国民生活事業
日本政策金融公庫 企業再建資金 中小企業事業
日本政策金融公庫 事業再生・企業再建支援資金(企業再建・経営改善支援関連)国民生活事業
日本政策金融公庫 事業再生・企業再建支援資金(企業再建・経営改善支援関連)中小企業事業
日本政策金融公庫 災害貸付(各融資制度と併用いただく融資制度です)
日本政策金融公庫 融資実績・残高(令和5年1月)
日本政策金融公庫 融資実績・残高(令和5年2月)
日本政策金融公庫 融資実績・残高(令和5年3月)
日本政策金融公庫 融資実績・残高(令和5年4月)
日本政策金融公庫 融資実績・残高(令和5年5月)
日本政策金融公庫 融資実績・残高(令和5年6月)
日本政策金融公庫 融資実績・残高(令和5年7月)
日本政策金融公庫 融資実績・残高(令和5年8月)
日本政策金融公庫 融資実績・残高(令和5年9月)
日本政策金融公庫 融資実績・残高(令和5年10月)
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執筆者:FINANCIAL FIELD編集部