更新日: 2024.04.18 融資

ファクタリングは危険? サービスの仕組みやビジネスローンとの違いを図解で解説

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

ファクタリングは危険? サービスの仕組みやビジネスローンとの違いを図解で解説
「ファクタリングを利用したいけど、具体的なサービス内容や利用手順がわからない」、「ファクタリングの解説サイトを読んでも、サービスの仕組みがイメージできない」このような悩みを抱えたことはありませんか?
 
ファクタリングの仕組みや概要を知ることで、安心感を持ってファクタリングを利用したいと考える人も少なくありません。
 
「ファクタリングは、売掛金を回収前に現金化できるサービス」です。ファクタリングを活用することで、収益を上げながら黒字倒産を予防できます。
 
本記事では、ファクタリングの特徴、利用時の手数料率、ファクタリングとビジネスローンの違い、ファクタリングのメリットやデメリット、利用手順などについてご紹介します。
 
本記事を参考にして、事業に必要な資金を調達しましょう。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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ファクタリングとは?

ファクタリングとは、売掛金を回収前に現金化できる資金調達方法です。また、ファクタリングには「2社間ファクタリング」と「3社間ファクタリング」の2種類があります。
 
「2社間ファクタリング」、「3社間ファクタリング」それぞれにおける手数料率の目安をチェックすることで、自社に最適なファクタリング業者を選びましょう。
 

売掛金を回収前に現金化できる

ファクタリングは、売掛金を回収前に現金化できる資金調達方法です。支払い期日より前倒しで、売掛債権の金額を調達できます。
 
例えば、長期的な入金サイトの案件を受注した場合を想定しましょう。入金までの期間が長期化することで、黒字倒産のリスクが高まります。
 
ファクタリングを活用することで、収益を上げながら黒字倒産を予防できます。売掛金をファクタリングで現金化しながら、自社ビジネスを促進しましょう。
 

ファクタリングは安全な資金調達

ファクタリングは安全な資金調達方法です。ファクタリングが危険と考えられるのは、図表1の理由があるためです。
 
図表1

ファクタリングが危険と考えられる理由 理由の詳細
各省庁がファクタリングの注意喚起を促している 「消費者庁」「金融庁」「警察庁」などが、違法なファクタリング業者の注意喚起をホームページに掲載している
違法業者が横行しやすい ファクタリング業者を装い、金銭を貸し付ける違法業者が存在する

財務局長や都道府県知事の登録が必要な給与ファクタリングに関して、未登録のヤミ金融業者が事業を行っている場合がある

3社間ファクタリングで取引先の信用が悪化する可能性がある 3社間ファクタリング利用時には、取引先の承諾を得る必要がある

また、資金繰りの悪化を懸念された場合は、今後の取引に影響する可能性がある

消費者庁 違法な貸付(ファクタリング等)や悪質な金融業者にご注意ください!/株式会社ビートレーディング 3者間ファクタリングとは?メリット・デメリットやおすすめの相談先、利用手順を解説を基に作成
 
ファクタリングを正しく理解して活用すれば、自社の入金サイトを改善することにもつながります。事業の黒字倒産を予防しながら、自社ビジネスを促進できます。
 
ファクタリングの特徴、メリットやデメリットなどを把握し、ファクタリングをビジネスに有効活用しましょう。
 

「買取型ファクタリング」と「保証型ファクタリング」の2種類がある

ファクタリングは、「買取型ファクタリング」と「保証型ファクタリング」の2種類に分けられます。
 
2種類のファクタリングにおける詳細として、図表2の点が挙げられます。
 
図表2

ファクタリングの大分類 ファクタリングの種類 ファクタリングの詳細
買取型ファクタリング 買取ファクタリング 一般的なビジネスで生じた債権を売買する
医療ファクタリング 「病院や薬局」「介護サービス事業」など、健康保険が適用される事業で、診療報酬等の支払いを現金化できる
将来債権ファクタリング 「契約期間1年」「毎月決まった金額を支払う」など、将来的に発生する売掛債権
保証型ファクタリング 保証ファクタリング 取引先が倒産や転変地変などで支払い不能になるなど、貸し倒れリスクを回避するためのファクタリング
銀行や消費者金融が取り扱うサービス
一括ファクタリング 手形割引に代わる手段として利用されているファクタリング
手形を使わず決済できる
国際ファクタリング 「日本国内の輸出業者(利用会社)」「海外の輸入業者(売掛先)」「日本国内のファクタリング業者」「売掛先の国におけるファクタリング業者」で利用される

アクセルファクター ファクタリングの種類/を基に作成
 

「2社間ファクタリング」「3社間ファクタリング」の2種類がある

ファクタリングは、「2社間ファクタリング」「3社間ファクタリング」の2種類があります。2社間ファクタリングとは、「利用者」「ファクタリング業者」の双方で契約を進めるファクタリングです。
 
図表3


法律相談ナビ ファクタリングとは?ファクタリングの種類と仕組み、メリット・デメリットを解説
 
3社間ファクタリングは、「利用者」「ファクタリング業者」「売掛先企業」の3社間で契約を進めるファクタリングです。
 
図表4

法律相談ナビ ファクタリングとは? ファクタリングの種類と仕組み、メリット・デメリットを解説
 
また、2社間ファクタリングと3社間ファクタリングの違いとして、図表5の点が挙げられます。
 
図表5

2社間ファクタリング 3社間ファクタリング
手数料 8%~18% 2%~9%
審査の通過しやすさ 通過しやすい 通過しにくい
売掛先における通知の有無 無し 有り
売掛金回収の流れ 利用者がファクタリング会社に売掛金を支払う 売掛先がファクタリング会社に直接売掛金を支払う

日本中小企業金融サポート機構 2者間ファクタリングとは?3者間ファクタリングとの違いとメリット・デメリットを基に作成
 
例えば、手数料率を安く抑えたいなら、3社間ファクタリングを活用することでお得に資金調達できます。他には、スピーディーに資金調達したい方は、2社間ファクタリングを活用することでスピーディーに資金調達できます。
 
目的に合わせて「2社間ファクタリング」「3社間ファクタリング」を活用することで、ビジネスの資金繰りを改善しましょう。
 

ファクタリング利用時にかかる手数料率の目安

ファクタリング利用時にかかる手数料率の目安は、前述したとおり、2社間ファクタリングでは8%~18%、3社間ファクタリングでは2%~9%です。
 
3社間ファクタリングの方が手数料率が低いため、多くの金額を資金調達できます。ファクタリングを申し込む際に、前述した手数料率の目安を参考にしながら自社に合ったファクタリング業者を選びましょう。
 

ファクタリングとビジネスローンの違い

ファクタリングとビジネスローンの違いとして、以下の3点が挙げられます。
 

●入金スピードの早さ

●オフバランス化の有無

●審査対象

3点について詳しく説明していきます。
 

入金スピードの早さ

ファクタリングとビジネスローンは、入金スピードの早さが異なります。
 
ファクタリング:最短即日

ビジネスローン:銀行ビジネスローンは3~5日間、ノンバンク系は最短即日
 
ファクタリングを利用する場合は、最短即日で資金調達できます。また、利用先のファクタリング業者によっては、最短2時間で資金調達が可能です。
 
さらに、図表6のように、利用先のファクタリング業者によって入金スピードが異なります。
 
図表6

ファクタリング業者 入金スピード
入金QUICK 最短2営業日
ビートレーディング 最短2時間
アクセルファクター 最短即日
ベストファクター 最短即日
トップ・マネジメント 最短即日
クイックマネジメント 最短30分
PMG 最短即日
PayToday 最短30分

請求QUICK 入金QUICK(ファクタリング)/株式会社ビートレーディング よくある質問/アクセルファクター 即日ファクタリング/ベストファクター/株式会社トップ・マネジメント よくある質問/クイックマネジメント/PMG株式会社 よくあるご質問/PayTodayを基に作成
 
例えば、ビートレーティングでファクタリングを申請する場合は、最短2時間で資金調達が可能です。資金調達を急いでいる場合は、最短即日で入金可能なファクタリング業者を選び、スムーズに資金調達しましょう。
 

オフバランス化の有無

ファクタリングを利用することで、事業のオフバランス化を実現できます。ファクタリングにおける資金調達は借入金に計上されず、売掛金として計上されるためです。
 
一般的な融資とファクタリングにおいては、事業資金における内訳が異なります。
 
ファクタリング:売掛金

ビジネスローン:借入金

例えば、資金調達が借入金に計上された場合は負債が多い印象を受けることで、投資家が事業の将来性に不安を抱くケースがあります。一方で、ファクタリングを活用する場合は負債として計上しないため、事業の資金繰りが悪化しているというイメージを抱かれません。
 
ファクタリングを活用し、事業の影響を気にせず資金調達しましょう。
 

審査対象

「ファクタリング」「ビジネスローン」の資金調達方法において、審査対象が異なります。
 
ファクタリング:売掛先企業

ビジネスローン:申し込み事業者

ファクタリングを利用する際は、売掛先企業の信用力を重視します。例えば、自社の資金繰りが悪化していても、売掛先企業の信用力が高ければファクタリングで資金調達が可能です。
 
一方で、ビジネスローンは、申し込み事業者の返済能力が重視される資金調達方法です。資金繰りが悪化している事業者なら、審査に通過できず融資を受けられないケースもあります。
 
資金調達で審査の通過に自信が持てない人は、ファクタリングを利用して資金を調達しましょう。
 

ファクタリングに向いている業種

ファクタリングに向いている業種として、以下4つの事業が挙げられます。
 

●運送業

●建設業

●医療・介護業

●IT関連業

 
上記の業種がファクタリングに向いている理由は、以下のとおりです。
 

●売掛債権を回収するまでの入金サイトが長期化しやすい

●IT関連業は担保物件がないことで他の融資を受けににくい

●経費の先払いや突発的な支払いが発生しやすい

具体的には、図表7のようなケースが該当します。
 
図表7

ファクタリングに向いている理由 理由の詳細
売掛債権を回収するまでの入金サイトが長期化しやすい 医療・介護業:診療報酬や介護報酬が支払われるのは2ヶ月後になる

建設業:天候や作業トラブルで工事が長引く場合は資金繰りが悪化する

IT関連業は担保物件がないことで他の融資を受けにくい IT関連業:リモートワーク化により、車両や在庫を保有していない企業もある

担保を設定できないIT関連業なら、金融機関から融資を受けにくい

経費の先払いや突発的な支払いが発生しやすい 運送業:燃料費の高騰や車両の事故など、急な出費が発生しやすい

建設業:大型案件を受注後は、材料費などの初期投資が大きくなる

株式会社ビートレーディング ファクタリングに向いている業種4つ、不向きな業種2つを徹底解説!を基に作成
 
基本的にどのような職種でもファクタリングを活用できますが、向いている業種に該当する事業なら資金繰りを改善しやすくなります。
 

ファクタリングを利用する際のメリット

ファクタリングを利用するメリットとして、以下の5点が挙げられます。
 

●最短即日で資金調達できる

●柔軟な独自審査で資金調達を受けられる

●自社の業績が悪化しても資金調達が可能

●売掛先企業が倒産してもリスクを回避できる

●担保や保証人が不要

5点について詳しく説明していきます。
 

最短即日で資金調達できる

ファクタリングは、最短即日で資金調達できるサービスです。利用先のファクタリング業者の入金スピードが早い場合は、最短2時間で資金調達が可能なファクタリング業者も存在します。
 
入金まで短期間で資金調達できるファクタリング業者を選ぶことで、スムーズに資金繰りを改善しましょう。

 

柔軟な独自審査で資金調達を受けられる

ファクタリングは柔軟に独自審査を実施しているため、審査に不安を感じる人でも資金調達が可能なサービスです。例えば、銀行に融資を断られて資金繰りに悩んでいる方でも、ファクタリング業者に申し込むことで資金調達できるケースがあります。
 
なぜなら、ファクタリングは売上先企業の信用力を基にして資金調達できるためです。資金繰りの際ご審査に自信が持てない人でも、ファクタリングで資金調達ができないか試してみることがおすすめです。
 

自社の業績が悪化しても資金調達が可能

ファクタリングは、自社の業績が悪化していても資金調達が可能なサービスです。赤字決算の場合でも、ファクタリングを利用することで資金調達できます。
 
一例として、「ビートレーディング」「PMG」などのファクタリング業者において、赤字決算でも資金調達が可能な点について記載されています。赤字決算でも資金調達できるファクタリング業者を選び、資金繰りを改善しましょう。
 

売掛先企業が倒産してもリスクを回避できる

ファクタリングは、売掛先企業が倒産しても返済リスクを回避できます。売掛債権が未回収の状態でも、ノンリコースという返済が不要な仕組みがあるためです。
 
ノンリコースは売掛債権を売却後に取引先企業が倒産した際に、資金調達した金額の返金を請求されない権利です。また、ファクタリングには図表8のように、「ノンリコース」「ウィズリコース」の2種類があります。
 
図表8

ファクタリングにおける償還請求権の有無 詳細
ノンリコース 償還請求権がない
売掛先企業が倒産した場合は、売掛金を回収できない
ウィズリコース 償還請求権がある
ファクタリング業者が得られる利益が少ない

株式会社No.1 「ファクタリングは原則ノンリコース」ってどういうこと? ノンリコースファクタリングを徹底解説を基に作成
 
数多くのファクタリング業者は、ノンリコースを採用しています。ウィズリコースは、賃金業に該当する企業のみ利用できるためです。
 
さらに、ウィズリコースは利率の設定などの規制が厳しいため、ファクタリング業者が得られる利益も減少します。ファクタリング利用時には、取引先企業の経営状況を気にせず資金調達することができます。
 

担保や保証人が不要

ファクタリングは担保や保証人が不要で資金調達できるサービスです。事業における資金調達の方法によっては、図表9のように担保や保証人の有無が異なります。
 
図表9

資金調達方法 担保や保証人の有無
ファクタリング 不要
銀行や消費者金融の融資 必要なケースがある
クラウドファンディング 不要
リースバック 必要なケースがある
補助金や助成金 必要なケースがある

買速 ファクタリングに保証人は不要? 銀行融資との違いやおすすめなケースをご紹介/会社設立ひろば大阪 借入時は担保や連帯保証人は必要か?/創業融資を自分でやる! クラウドファンディングQ&A/リアルエステートの不動産相談室 【リースバック検討者必見!】保証人は必要なのか? その手続きとは/福岡県信用保証協会 【協会制度】 補助金活用支援保証を基に作成
 
例えば、銀行や消費者金融の融資を受ける場合には、担保や保証人が必要なケースがあります。担保や保証人の設定で悩んでいる方は、ファクタリングでスムーズに資金調達しましょう。
 

ファクタリングを利用する際のデメリット

ファクタリングを利用する際のデメリットとして、以下の3点が挙げられます。
 

●手数料が発生する

●資金調達の金額は売掛債権の範囲内

●債権譲渡通知が必要な場合がある

3点について詳しく説明していきます。
 

手数料が発生する

ファクタリングは、資金調達の際に「手数料」が発生する点に留意しましょう。各ファクタリング業者が設定している手数料率が発生し、手数料率を差し引いた金額を資金調達できます。
 
また、図表10のように、利用先のファクタリング業者によっては、設定されている手数料率が異なります。
 
図表10

ファクタリング業者 手数料率
入金QUICK 0.5%~9%
BtoB早払い 1%~12%
ビートレーディング 2社間:4%~12%程度
3社間:2%~9%程度
アクセルファクター 2%~10%
ベストファクター 2%~
トップ・マネジメント 2社間ファクタリング:3.5%~12.5%
3社間ファクタリング:0.5%~3.5%
クイックマネジメント 非公開
PMG 非公開
PayToday 1%~9.5%

請求QUICK 入金QUICK(ファクタリング)/GMOペイメントゲートウェイ GMO BtoB早払い/
株式会社ビートレーディング よくある質問/アクセルファクター/ベストファクター/株式会社トップ・マネジメント 商品案内/クイックマネジメント/ PMG よくあるご質問/PayTodayを基に作成
 
利用時における手数料率をチェックした上で、自社に最適なファクタリング業者で資金調達しましょう。
 

資金調達の金額は売掛債権の範囲内

ファクタリング業者で資金調達できる範囲は、売掛債権の範囲内に限られます。例えば、100万円の売掛債権を保有している場合をイメージしましょう。
 
150万円の資金調達を希望していても、売掛債権の範囲内である100万円以内の資金調達に限定されます。ファクタリング利用時には、資金調達できる金額が売掛債権の範囲内に限られる点に留意しましょう。
 

債権譲渡通知が必要な場合がある

利用先のファクタリング業者によっては、「債権譲渡通知」が必要な場合があります。債権譲渡通知とは、売掛債権における所在の有無を明確にする手続きです。
 
例えば、A社とB社に同じ売掛債権を売却した場合を想定しましょう。どちらの業者が売掛債権の権利を持っているのか明確になっていないことで、売掛債権の所有についてトラブルへと発展するケースもあります。
 
しかし、債権譲渡通知が行われることで、現在の売掛債権の所有者か明示されます。先ほどのトラブルが予防できることで、売掛債権の二重譲渡を予防できます。
 
ただし、債権譲渡通知を完了する場合には、売掛先企業が登記簿を調べた場合にファクタリングの利用を知られる可能性があるため注意しましょう。ファクタリングの利用を知られることで、自社ビジネスにおいて、取引の減少や最悪の場合、中止を打診されるケースがあります。
 
一般的には、2社間ファクタリングと3社間ファクタリングで、図表11のように売掛債権の債権譲渡通知の有無が異なります。
 
図表11

ファクタリングの形態 売掛債権の債権譲渡通知の有無
2社間ファクタリング 償還請求権がない
利用者がファクタリング業者に売掛金を支払う
売掛先企業が倒産した場合は、売掛金を回収できないA
3社間ファクタリング 償還請求権がある
売掛先企業がファクタリング業者に売掛金を支払う

資金調達ジャーナル 2社間と3社間ファクタリングの違いは?それぞれの使い分けについて解説を基に作成
 
「2社間ファクタリング」は売掛金の未回収リスクが高いため、債権譲渡通知を求められるケースがあります。ビジネスへの影響が気になる方は、ファクタリング業者の債権譲渡通知の有無についてチェックした上でファクタリング業者へ申し込みましょう。
 

ファクタリングを利用する際の注意点

ファクタリングを利用する際の注意点として、以下の3点が挙げられます。
 

●手数料は審査後でなければわからない

●売掛金は一括払い

●売掛金の支払い期限を守る
 

 
3点について詳しく説明していきます。
 

手数料は審査後でなければわからない

ファクタリング利用時の手数料率は、審査後に明確な手数料率をチェックできます。公式サイトに手数料率の目安は記載されていますが、審査結果によって柔軟に手数料率を設定しているためです。
 
具体的には、複数のファクタリング業者の審査を受けて、利用可能額や手数料率などの見積もりを提示してもらいましょう。利用可能額や手数料率などを確認し、自社が納得して資金調達できるファクタリング業者を選ぶことが大切です。
 

売掛金は一括払い

ファクタリング利用時の売掛金は、一括払いのみということに留意しましょう。ファクタリングは賃金業に該当しないため、賃金業が利用できる分割払いが適用されないためです。
 
分割払いは賃金業のみ設定できる支払い方法です。ファクタリングで資金調達する場合は、一括払いの支払い方法について確認した上で、無理のない範囲で資金調達しましょう。
 

売掛金の支払い期限を守る

ファクタリング利用時の売掛金について、支払い期限を守りましょう。支払い期限を守らず延滞した場合には、売掛先企業に直接連絡されるケースがあるためです。
 
例えば、売上先企業に連絡されることで、自社がファクタリングを利用していることが知られます。自社の資金繰りが悪化していると受け止められることで、今後の取引に影響する可能性もあります。
 
ファクタリング利用時には、売掛債権の支払い期限をしっかり守れる範囲を理解した上で利用しましょう。
 

ファクタリング利用時に必要な可能性のある書類

ファクタリング利用時には、図表12のような書類が必要となる可能性があります。
 
図表12

ファクタリング利用時の必要書類 必要書類の詳細
商業登記簿謄本 会社の設立から現在までの履歴を把握できる書類
印鑑証明書 法務局に届け出をしている会社の実印が本物であることを証明する書類
預金通帳のコピー 過去3ヶ月分程度の取引内容を確認できるページが必要
決算報告書または確定申告書 直近の3期分
取引先企業との契約書や発注書 契約書や請求書・発注書などの、売掛債権の発生要因が把握できる書類
試算表 事業状況を1か月単位にまとめたもの
身分証明書 顔写真入りの書類:1点必要(パスポートは除く)
顔写真がない書類:2点必要

筆者作成
 
また、利用先のファクタリング業者によって、提出を求められる必要書類も異なります。ファクタリング業者の申し込み前に、必要書類をチェックしましょう。
 

ファクタリングの利用手順(流れ)

ファクタリングの利用手順は、「2社間ファクタリング」と「3社間ファクタリング」で異なります。2社間ファクタリングの利用手順は、以下のとおりです。
 

<2社間ファクタリング>

1.ファクタリング業者に2社間ファクタリングを申し込む

2.必要書類を提出する

3.ファクタリング業者の審査を受ける

4.審査完了後、提示条件に同意してファクタリング契約を結ぶ

5.ファクタリング業者から売掛債権の買取代金を受け取る

6.利用会社はファクタリング業者へ売掛金を支払う

 
3社間ファクタリングの利用手順は、以下のとおりです。
 

<3社間ファクタリング>

1.3社間ファクタリングの利用について売掛先企業(取引先企業)に相談して承諾を得る

2.ファクタリング業者で3社間ファクタリングを申し込む

3.必要書類を提出する

4.ファクタリング業者の審査を受ける

5.審査完了後に提示条件に同意し、利用会社とファクタリング業者でファクタリング契約を結ぶ

6.売掛先企業に債権譲渡通知を行い、承諾を得る

7.ファクタリング会社から売掛債権の買取代金を受け取る

8.売掛先企業(取引先企業)はファクタリング会社に売掛金を支払う

 
3社間ファクタリングの方が、売掛先企業の承認などの利用手順が多く発生します。利用手順の流れをイメージしながら、ファクタリングでスムーズに資金調達しましょう。
 

【スムーズに資金繰りを改善したい人向け】即日ファクタリング5選

スムーズに資金繰りを改善したい人向けに、以下5つのファクタリング業者をご紹介します。
 

●アクセルファクター

●株式会社No.1

●ビートレーディング

●事業資金エージェント

●ベストファクター

 
今回ご紹介した5社を参考にして、自社に最適なファクタリング業者を選びましょう。
 

アクセルファクター

アクセルファクターは、最短即日で資金調達できるファクタリング業者です。下限は30万円となっていて、まとまった金額の売掛債権を資金調達できます。
 
また、これまでに約半数以上の企業の資金調達に即日で対応しています。まとまった売掛資金をスピーディーに資金調達したい人は、アクセルファクターを活用しましょう。
 

株式会社No.1

株式会社No.1が行っているファクタリングでは、最短即日で資金調達できます。売掛先企業1社当たりでは、最大5000万円の資金調達が可能です。
 
また、コンサルティングのスタッフが所属しているため、資金繰りの改善に向けて適切なアドバイスを受けられます。資金繰りの相談をしながら、最短即日でまとまった資金を調達したい人におすすめです。
 

ビートレーディング

ビートレーディングは、最短2時間で資金調達が可能なファクタリング業者です。5.2万社以上の取引実績があるため、実績が豊富で安心感を持って申し込みできます。
 
また、月間契約数は1000件以上となっていて、数多くの事業者が利用しています。即日の可能な限り早い時間で資金調達したい人は、ビートレーディングを活用しましょう。
 

事業資金エージェント

事業資金エージェントは、最短で資金即日調達できるファクタリング業者です。手数料率は1.5%から審査を実施していて、低利率で多くの金額を基金調達できます。
 
また、売上債権は10万円の下限から買取可能となっています。少額の売掛債権を即日の早いタイミングで資金調達したい人は、事業資金エージェントがおすすめです。
 

ベストファクター

ベストファクターは、最短即日で資金調達できるファクタリング業者です。手数料率の下限は2%からとなっていて、低利率で多くの金額を受け取れます。
 
また、利用前の無料相談も実施しているため、相談からはじめて事業の資金繰りを改善したい人におすすめです。
 

ファクタリングに関するQ&A

ファクタリングに関するQ&Aをご紹介します。抱えているお悩みと同じ項目を見つける際には、参考にしてみてください。
 

おすすめの大手ファクタリング業者は?

おすすめの大手ファクタリング業者として、「ビートレーディング」「株式会社No.1」が挙げられます。「ビートレーディング」「株式会社No.1」の特徴やメリットとして、図表13の点が挙げられます。
 
図表13

ファクタリング 特徴 メリット
ビートレーディング 最短即日で資金調達が可能
5.2万社以上の取引実績がある
即日の可能な限り早い時間帯で資金調達できる

株式会社No.1 売掛先企業1社当たりでは、最大5000万円の資金調達が可能 コンサルティングのスタッフが所属しているため、資金繰りの改善に向けて適切なアドバイスを受けられる

株式会社ビートレーディング/株式会社No.1を基に作成
 
今回紹介したファクタリング業者を参考にして、自社に合ったファクタリングを選びましょう。
 

ファクタリングについて簡単に説明してもらえる?

ファクタリングとは、保有している売掛債権を期日前に買取してもらえるサービスです。ファクタリングを活用することで、黒字倒産や資金繰りの悪化などの状況を改善できます。
 
また、ファクタリングは「買取型ファクタリング」「保証型ファクタリング」の2種類に大別されます。保証型ファクタリングは取引先が倒産した際に貸し倒れリスクを回避できる「保証ファクタリング」や、定期的な取引で手形として活用できる「一括ファクタリング」などがあります。
 
請求書の買取りやリスクの回避、定期的な取引における利便性の向上など、ビジネスに活用することで効率的に事業を展開しましょう。
 

ファクタリングを活用してビジネスを展開しよう

今回はファクタリングの特徴、利用時の手数料率、ファクタリングとビジネスローンの違い、ファクタリングのメリットやデメリット、利用手順などについて解説しました。
 
ファクタリングを活用することで、収益を上げながら黒字倒産を予防できます。
 
本記事を参考にして、事業に必要な資金を調達しましょう。

出典

消費者庁 違法な貸付(ファクタリング等)や悪質な金融業者にご注意ください!
株式会社ビートレーディング 3者間ファクタリングとは?メリット・デメリットやおすすめの相談先、利用手順を解説
アクセルファクター ファクタリングの種類
法律相談ナビ ファクタリングとは?ファクタリングの種類と仕組み、メリット・デメリットを解説
一般社団法人日本中小企業金融サポート機構 2者間ファクタリングとは?3者間ファクタリングとの違いとメリット・デメリット
ベストファクター 法人が即日資金調達する方法とは?ビジネスローン・ファクタリング・手形割引を解説
Money Forward Early Payment ビジネスローンとファクタリングの違いについて
株式会社ROBOT PAYMENT(ロボットペイメント) ファクタリングとビジネスローンはどちらがおすすめ?共通点と違いを解説!
請求QUICK 入金QUICK(ファクタリング)
株式会社ビートレーディング よくある質問
アクセルファクター 即日ファクタリング
ベストファクター
株式会社トップ・マネジメント よくある質問
クイックマネジメント
PMG株式会社 よくあるご質問
PayToday
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買速 ファクタリングに保証人は不要?銀行融資との違いやおすすめなケースをご紹介
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株式会社No.1
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執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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