更新日: 2019.06.28 貯金

【相談】お金を貯めたい。効率的な貯蓄方法ってありますか?

執筆者 : 青沼英明

【相談】お金を貯めたい。効率的な貯蓄方法ってありますか?
「お金を貯めたい。効率的な貯蓄方法ってありますか?」
 
…というご質問を受けることがありますが、それに対しては、まず「その目的は何ですか?」とお尋ねしています。
 
つまり、目的によって効率的な貯蓄方法は異なるのです。
 
青沼英明

執筆者:青沼英明(あおぬま ひであき)

ハッピーライフ・未来ラボ代表、CFP(R)、日本証券アナリスト協会検定会員、 宅地建物取引士、 トータル・ライフコンサルタント(生命保険協会認定FP)、第1種証券外務員

国内外の証券会社で証券アナリスト業務に従事。2012年3月より、資産運用・財産管理コンサルティング・サービスのほか、生命保険代理店、証券仲介業、不動産・老人ホーム紹介業等を兼業。

≫≫ http://www.happylife-labo.com/index.html

お金を貯める目的を明確にしましょう

生きていくうえで、お金はあるに越したことはないかもしれません。
 
ただ、一般的には労働で稼いだお金で、生活費をはじめ、人生の三大支出と言われる住宅、教育、老後に向けた資金を賄っていくことを考えると、まず「自分の人生にどれだけのお金が必要か」という根本的な認識を持つことが必要です。
 
そのうえで、稼いだお金を有効に増やす手立てがあれば検討に値するでしょう。一般に家計収入を増やす方法は、労働収入以外に、節約で支出を抑えるか、運用することだと言われます。
 
ただ、当然のことながら、労働収入と節約によって貯蓄に向けられる資金には金利が付くわけではないため、金利が付く商品で運用するのが効率的な貯蓄方法と言えます。
 
ここで重要なポイントは、「自分の人生にどれだけのお金が必要か」という、根本的な認識の下で、お金を貯める目的を明確にすることです。目的が明確であれば、その実現に向けた優先順位や目標達成へのモチベーションが高まると同時に、妥当と考えられる運用手法もある程度決まってくるからです。
 

金利とリスクの取り方に注意を払う

無論、お金を貯める目的は、住宅購入、教育資金、結婚資金、老後資金など、詳細なものでなくても構いません。必要と思われる金額や予定時期は各人のライフプランによって異なるため、可能な限り洗い出してみましょう。
 
そうした状況を十分に検討したうえで、運用に際しては、複数の目的に応じて労働収入と節約によって貯蓄に向けられる資金を、目的別に振り分けることが最初の作業となります。
 
具体的には、大きく、(1)守るお金(生活関連・緊急予備資金→安全運用の貯蓄型商品)と、(2)育てるお金(資金的または時間的余裕が必要な投資型商品)の2つに分けましょう。
 
なお、(1)に向ける資金が当面安心できる額に達すれば、(2)に全て資金を回すようにすると良いでしょう。
 
(2)の投資型商品が、金利の付く、いわゆるお金がお金を生む運用となりますが、ここでのポイントは金利とリスクの取り方に注意を払うことです。
 
ハイリスク・ハイリターン、ミドルリスク・ミドルリターン、ローリスク・ローリターンと言われるように、リターンとリスクはトレードオフの関係にあるため、自分の許容範囲内のリスクに見合った商品を選択することです。
 

運用成果は、通貨、金利、時間の3つで決まる

投資型商品の運用成果は、通貨、金利、時間の3つで決まると言っても過言ではありません。
 
円以外にも強い通貨に焦点を合わせ、高い金利と複利効果を得る時間を味方につけることが基本です。
 
具体的な投資対象となる金融商品は、国内外の債券、株式、リート(不動産投資信託)の6種類。一般的に景気が悪くなる局面では債券の価格が上昇する傾向にあり、景気が良くなる局面では、株式とリートの価格が上昇する傾向があることを頭に入れておきましょう。
 

優遇税制が大きいつみたてNISAやiDeCoを積極活用

「投資知識がなく、購入の仕方が分からない」「まとまった資金がない」などの悩みに対しては、優遇税制が大きいつみたてNISAやiDeCoなどの積立投資を積極的に活用しましょう。
 
下記表は、それぞれの年間期待利回りが継続した場合に、60歳代世帯の金融資産平均保有額である約2000万円(※)を貯めるのに必要な期間毎の毎月の積立額となります。
 
例として、下記表の赤字部分、年間3%の利回りが見込める金融商品に投資した場合をみてみます。2000万円貯めるのに、10年間で貯めようとすれば毎月14.3万円、20年間では6.1万円、30年間では3.5万円となります。積立投資を行う際の目安としてください。
 

 
出典
(※)金融広報中央委員会 家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査] 平成30年調査結果
 
執筆者:青沼英明(あおぬま ひであき)
ハッピーライフ・未来ラボ代表、CFP(R)、日本証券アナリスト協会検定会員、 宅地建物取引士、 トータル・ライフコンサルタント(生命保険協会認定FP)、第1種証券外務員
 

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