更新日: 2019.06.14 家計の見直し

「また無駄遣いしちゃった…」ダメ消費を賢い消費に変えるコツ

執筆者 : 宮﨑真紀子

「また無駄遣いしちゃった…」ダメ消費を賢い消費に変えるコツ
買い物をした後で、「また無駄遣いをしてしまった」と後悔することがあります。
 
でも実は、挽回が可能なことも多いのです。“ダメな消費”を“賢い消費”にする事例を考えてみます。
 
宮﨑真紀子

執筆者:宮﨑真紀子(みやざき まきこ)

ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、相続診断士

大阪府出身。同志社大学経済学部卒業後、5年間繊維メーカーに勤務。
その後、派遣社員として数社の金融機関を経てFPとして独立。
大きな心配事はもちろん、ちょっとした不安でも「お金」に関することは相談しづらい・・・。
そんな時気軽に相談できる存在でありたい~というポリシーのもと、
個別相談・セミナー講師・執筆活動を展開中。
新聞・テレビ等のメディアにもフィールドを広げている。
ライフプランに応じた家計のスリム化・健全化を通じて、夢を形にするお手伝いを目指しています。

全部、使い切ることができるか

<ケース1>
無駄遣いを矯正する手段として、レシートを色分けする方法があります。やり方はシンプルです。まず準備として、スーパーなどで買い物をした時のレシートを捨てないで持ち帰ります。レシートに印字された品目を3つに分けます。
 
3つとは(1)必要なもの(need) (2)必要ではないが欲しいもの(want) (3)その他、です。
 
お米や肉、魚、野菜などは(1)になります。お菓子やアルコール類は多くが(2)でしょうか。“今、必要ではない”“すごく欲しいと思ったわけではない”けれど、“お買い得だった”“気になった”の理由で買ったものは(3)に入ります。
 
「お金が貯められない」と悩んでいる人は(2)の多さに驚き、「原因はここにあるので必要なものだけを買うようにしなくては」と自分を戒めます。通常は「全部を我慢する必要はありません」とアドバイスしています。
 
私は頻度を減らすだけで十分だと思っているからです。お菓子やアルコール類は、在庫として家にあると、あるだけ全部を消費してしまいます。ダイエットと同じで3つ買っていたものをゼロにするとストレスになり、リバウンドしてしまう可能性があります。3→2→1と徐々に減らすことを意識すれば、節約に繋がります。
 
(3)については、どうでしょう。一番の曲者はこれだと考えています。何となく買ったモノは、結局無駄になる確率が高いからです。特に食料品は消費期限があります。冷蔵庫の奥で未開封のままの調味料はありませんか。
 
無駄なく使い切ることで、この買い物は“ダメな消費”にならずに済むことが出来ます。お買い得商品だった場合は、“賢い消費”に格上げも可能です。
 

その買い物で満足感は得られるか

<ケース2>
「夏物のバッグが欲しい」と買い物に出掛けて、見つけた品物が5万円だったとします。当初の予算は3万円。2万円もオーバーです。そこで、諦めて他のモノを買うか否かは迷うところです。このような時は、使用頻度と満足度を考えます。
 
手持ちの洋服に合わせやすく使う場所を選ばない、となると使用頻度が高くなります。5万円でも100回使えば、1回500円です。使う回数が増えるほど、コストパフォーマンスが良くなります。
 
長く使える、飽きが来ない、愛着が持てるといったことは、購入した後の使い方によって変わります。満足度の高い買い物=賢い消費 と考えられるのではないでしょうか。
 

自己投資により、将来の価値を高められるか

<ケース3>
人生100年時代になり、「65歳以上も働く」ことが一般的になりそうです。長く働くためには自己投資が必要と言われています。「投資」とは、将来、今以上の価値が見込めるものに資金を投じることをいいます。
 
自己投資は自分の価値を高めるためのものです。今後は「学び直し」の機会も増えそうです。
 
例えば、資格を取得するための講座に通うとします。資格を取得することが出来た→ステップアップして仕事の幅が広がった→収入が増えた 図式通りの成果が上がれば、この自己投資は成功と考えられます。
 
では、資格を取れなかった場合や、仕事に活かせなかった場合は失敗でしょうか。無駄金になったとは言えません。途中で得た“気づき”や“人脈”により新たな道が開けることもあります。
 
「転んでもただでは起きぬ」の諺があります。“失敗したお金の使い方をした”と思うことがあっても、それを無駄にせず活かすことで、“ダメな消費”から“賢い消費”に挽回することは可能です。前向きに視点を変えることは大切です。
 
以上3つのケースを見てきました。買った直後の価値だけでなく、少し長いスパンでコストパフォーマンスを考えることが必要ではないでしょうか。
 
執筆者:宮﨑真紀子(みやざき まきこ)
ファイナンシャルプランナーCFP(R)認定者、相続診断士