更新日: 2021.03.29 その他家計

新型コロナで所得が減った女性は3割。自分の経済状況を不安視する声も

新型コロナで所得が減った女性は3割。自分の経済状況を不安視する声も
2020年はコロナ禍で外出が減り、意外とお金を使わなかったという人も多いでしょう。一方、勤務先の業績が悪化し、収入減となってしまった人も少なくないかもしれません。
 
フィデリティ投信株式会社は、男女約2000人を対象に本年1月に「女性とお金(Women & Money)」に関する調査結果を実施しました(※)。コロナが女性の収入にどのような影響を与えたのかの他に、お金に関する意識を聞いていますので、結果を見ていきましょう。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

コロナで所得が減った女性が3割。4割以上が収入減で生活必需品以外の消費を減らした

2020年においての新型コロナによる女性の個人所得への影響について聞くと、女性の3割が「所得が減少した」と回答しました。特に既婚女性の37%が「世帯所得が減少した」と回答しており、家庭を持つ女性にコロナがより大きな影響を与えていることがわかりました。
 
収入が減少したため、「生活必需品以外の消費を減らした」と回答したのは男性が39%だったのに対し、女性は44%にのぼりました。貯蓄にも影響を及ぼしており、女性の29%が収入が減ったため貯蓄を取り崩し、また19%が貯蓄額を減らしていました。
 

コロナで7割の女性が自分の経済状況を不安視。男性より危機意識が高い

コロナが与えたマイナスの影響を見ると、「心の健康」が45%と最も大きいことがわかりました。いつ終わるかわからない感染予防対策や収入減で疲弊してしまいますね。次いで「カラダの健康」(29%)、「キャリア」(26%)、「貯蓄と投資余力」「介護」(いずれも19%)など、2020年は経済的な面以外にもさまざまな分野で女性にマイナスの影響を与えました。
 
女性の69%が自分の経済状況を不安視しており、男性の63%に比べ、危機意識は女性の方が高い結果となりました。女性の方がパートやアルバイトなど非正規雇用が多かったり、専業主婦で夫の収入に頼る人が多いからであるからと考えられます。また、お金の管理能力についても女性では54%、男性では49%が「自信がない」と答えました。
 

女性は自分のお金は「自分のもの」、男性は自分のお金は「家族のもの」と考えている?

既婚者に、家計管理について聞いてみたところ、「家計をすべて管理している」と回答した割合は女性が51%で、男性(22%)の2倍以上であることがわかりました。
 
また、自分の貯蓄を誰のものと考えているかと尋ねたところ、既婚女性では64%が「自分のもの」と考えており、「パートナー・配偶者」「家族のもの」と考えているのは合わせて30%でした。一方、男性では「自分のもの」が45%であるのに対し、「パートナー・配偶者」「家族のもの」は合わせて48%という結果となりました。女性の6割以上が自分の貯蓄は「自分のもの」と考える一方で、男性は「配偶者または家族のもの」と考えている人が多いことがわかりました。
 
投資や年金に関しても同様の傾向が見られ、投資については「自分のもの」と考える割合が女性で62%、男性で49%、「配偶者または家族のもの」が女性で29%、男性では45%という結果に。年金については「自分のもの」と考える女性の割合が67%と、投資よりさらに高く、男性では逆に低い41%に。一方、「パートナーまたは家族のもの」は女性29%、男性46%となりました。総じて女性は自分のお金は自分のもの、男性は自分のお金は家族のものという意識のようです。
 

老後のお金の心配はしたくないが、実際に必要な老後資金のことを考えることは少ない

老後のお金の準備について聞いてみたところ、現役世代で、「老後に金銭的な心配をしたくない」と考える人は全体で55%、さらに女性では58%にのぼりました。自分が定年を迎える年齢について女性は平均で63歳、男性は66歳と予想。
 
一方で、定年後に何年生きるか、そのための老後資金がいくら必要か考えたことがあるか聞いたところ、「ある」と回答したのは女性で27%、男性29%にとどまりました。また、女性53%、男性の54%は、彼らが退職後に望む「十分な年金はない」と考えていました。老後資金に関しては男女の意識の違いはそれほどないようです。
 
また、まだ現役世代の夫婦のうち、夫婦のどちらかが先に亡くなった場合の金銭的な準備について話し合ったことがあるか聞いたところ、「ある」と答えたのはわずか26%で、実際にそのために「必要な金銭的な準備をしている」と答えたのは1割にとどまりました。このように、老後にお金の心配はしたくないという割には、老後資金のことを考えたり、夫婦で話し合うことはあまりしていないようです。
 
以前、老後資金2000万円問題が話題になりましたが、今後の年金が不透明な今、自力で老後資金を用意すべきと思われます。コロナでさらに先行き不安な今こそ、少しずつ資産形成に取り組んだ方がいいでしょう。
 
[出典]
※フィデリティ投信株式会社「『女性とお金』に関する調査を発表」(株式会社 PR TIMES)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

ライターさん募集