「危険な家計」とはどんな家計? FPが詳しく解説

配信日: 2021.05.28 更新日: 2024.10.10

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「危険な家計」とはどんな家計? FPが詳しく解説
家計の中には一見正常に見えても、その実、危険な状態にある家計もあります。しかし、家計の状態を見極めるのは意外と難しいもの。今回はそんな状態を見極められるよう、危険な家計について詳しく解説していきます。
柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

危険な家計とは

危険な家計とは、いわば安定性に欠けるような家計です。一見して危険だと分かる家計もあれば、危険な状態だと分かりづらい家計もあります。危険な家計としては下記のような例があります。
 

ボーナスや残業代頼りの家計

まず知っていただきたいのが、残業代やボーナスありきの家計は危険な家計であるということです。例えば、毎月の収支が基本給だけではギリギリ黒字、または赤字であるが、ボーナスや残業代で黒字になっているような場合です。
 
ボーナスや残業代は基本給とは異なり、支給が確定しているものではありません。社会情勢や会社の状況によっては大幅減やカットも起こり得るからです。会社の業績が傾き、今月から急に残業が0に、来期のボーナスが0に、といったことも決して珍しいことではないのです。
 

年間の貯蓄額より支払う保険料が多い家計

いざというときのため、将来のために、といくつか保険に加入している方は年間の貯蓄額と保険料を確認してみてください。もし保険料の方が多いという場合は、保険の内容を見直す必要があります。保険はいざというときに役立ったり、将来の生活を支えたりするものではありますが、今を豊かにはしません。
 
また、保険は適用範囲から少しでも外れたことが起こると保障が利きません。保険が充実していても貯蓄が不足していては、予想外のことが起きたとき、途方に暮れる可能性もあります。理想としては、保険は必要な範囲に抑え、貯蓄額をなるべく確保するように心がけたいところです。
 

返済が定年後も続くローンのある家計

定年退職の後まで続くローンや借り入れがある場合も危険な家計といえます。定年後、多くの場合は収入が落ち込むことになるため、現役時代と同様の条件でローンの返済をしていくのは想像以上に大変になります。
 
病気やけがなど予定外の支出についても考えなければなりませんし、老後の暮らしもあります。定年後もローンの返済が続く場合、収入が減少しても無理なく返せるのか再確認しておくべきです。
 

給料日前にカツカツとなる家計

毎月黒字であっても、給料日前にカツカツとなるのは危険な家計であるといえます。給料日前に余裕がなくなる理由の多くは、支出がギリギリに設定されていたり、お金があればある分だけ使ってしまうという状況が家計に反映されているからです。
 
特に十分な収入があるはずなのに、気づけばいつもお金が足りないという場合は生活費の見直しが必要です。
 

家計を危険にさらさないためにはどうする?

家計を危険な状態にしないためには、収支が赤字か黒字かといった数値だけで判断しないことです。収支は黒字が続いていたとしても、ちょっとした変化が起こるだけで突然、家計が火の車となることも起こり得ます
理想の家計管理としては、収支を確認した上で、その状況が本当に安定しているか確認し、不安定になりそうな要素があれば可能な限り改善していくといったものになります。
 
家計を一気に改善しようとすると負担が大きく、時間もかかります。まずは改善できるところから1つずつ順を追って改善を進めていきましょう。そうすることで結果的に少ない負担で、早期に危険な家計から脱却することができます。
 

家計は収支だけでなく本質を見極めて

家計にはさまざまな危険が潜んでおり、一見安定している家計に見えても、実は危険な家計となっていることもあります。特に「うちは赤字じゃないから、まぁ大丈夫でしょ」と思っている方ほど注意が必要です。
 
家計が危険な状態にあっても、当事者から見るとなかなか気づけないことも多いものです。現在の家計が気になったり、収入に対して家計が最適化されているかなど、家計についての悩みがあれば、ぜひファイナンシャルプランナーに相談してみてください。
 
執筆者:柘植輝
行政書士

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