更新日: 2021.09.01 貯金

共働き夫婦、お財布をひとつにしたい! おさえておきたい3つのポイント

執筆者 : 飯田道子

共働き夫婦、お財布をひとつにしたい! おさえておきたい3つのポイント
100組の夫婦がいれば100通りの、夫婦のためのルールがあります。
そのルールにはお金についても、さまざまな内容があるのではないでしょうか? 

夫婦でお財布を別にしている場合、デメリットの一例として挙げられるのは、家計を一元管理できないため、お金が貯まりにくくなってしまう可能性があるということです。
夫婦のお財布を1つにしたいと考えたときには、どのようなことから取り組んでいくと良いのでしょうか。
飯田道子

執筆者:飯田道子(いいだ みちこ)

ファイナンシャル・プランナー(CFP)、海外生活ジャーナリスト

金融機関勤務を経て96年FP資格を取得。各種相談業務やセミナー講師、執筆活動などをおこなっています。
どの金融機関にも属さない独立系FPです。

https://paradisewave.jimdo.com/

(1)ルールの見直しが必要?

共働きの場合、夫婦それぞれに収入があるためお財布は別々にしておき、夫婦で決めたルールにのっとってお互いがお金を出すというケースもあるでしょう。例えば、家賃や住宅ローンは6:4で案分する。生活費は妻が負担し、マイホーム関連の費用は夫が負担する。共通のお財布にそれぞれが決めた金額のお金を入れ、そのなかから家計にまつわるすべてのお金を負担する、などがあります。
 
このルールは、結婚する前もしくは結婚したばかりのときに決めたルール、ということもあるでしょう。
収入額の変化や転勤または転職など、結婚したばかりのときとその後では、夫婦がまったく同じ状況で働き続けていないということがあります。また、共働きを続けていた場合でも子どもが生まれた、親と同居を開始した等で、家族構成や生活環境が変化することもあるでしょう。
 
夫婦でお金に対してルールを決めることは必要なことです。とはいえ、ルールを決めた当時と状況や環境が変わっているのなら、最低限のルールの見直しは必要になるのではないでしょうか。
 

(2)ルールを作るなかで、お互いの気持ちも尊重する

お財布を別々にしたいという夫婦のなかには、自分の収入がいくらあるのか配偶者に知られたくない。何にいくら使っているなどを探られたくない、という気持ちをお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。しかし、夫婦それぞれの収入が安定している場合は良いのですが、収入が減ってしまった、不安定になってしまった場合は要注意です。
 
相手のお金の流れが分からない場合、相手に対して不信感を抱いたり、自分だけが損をしているのではないのかと感じたりすることが出てきてしまう可能性があります。このような思いは感情がすれ違う原因にもなりますので注意してください。
 
まずは、お互いがいくら稼いでいるのか知らせておき、そのなかからいくら生活費として捻出するのか、貯金するのかを決めておき、これだけは譲れないという趣味があるときには、あらかじめ予算を立てておき、個別で確保するルールとするとよいでしょう。
 
このようなケースの場合、お金の流れに不明瞭な部分はありますが、最低限、個人ベースでの貯蓄はできていますし、おのおのが自由にお金を使える部分が残っていることで、ストレスも軽減できるかもしれません。
 

(3)段階をたてお財布を1つにしてみる

(1)、(2)と段階を経てくると、お互いにいくら稼いでいて、何にいくら使っているのか、個人ベースの貯蓄額も把握できる頃かもしれません。
そうすると、家計を1人で管理することが負担になってしまうかもしれません。また、子どもがいる場合は子どもの成長とともにかかる費用が変わってくるため、その都度、見直しすることも必要になってきます。自分1人で管理するのが面倒だな……と感じたときは、思い切って夫婦のどちらかが代表して、お金を管理することも選択肢の1つです。
 
夫婦のお財布を1つにした場合であっても、(2)で決めた譲れない趣味などがある場合には、しっかりと確保しておくとストレスは感じにくくなりますよ。
 
家庭を会社に例えて考えてみると……財務担当者が複数いて連携が取れていなければ、そもそも経営はうまくいきませんし、同じモノを買ってしまったり、貯蓄効率が悪くなってしまったりすることもあるかもしれません。
 
お金を一元管理することができれば、毎月の不足額や緊急事態で足りないこと等、夫婦で話し合うことができ、双方の心理的な負担は軽減されるかもしれません。また、家庭のイベントを見据えて長期的な貯蓄計画を立てることもできるようになるため、必然とお金が貯まりやすい環境が整っていく可能性もあります。
 
いきなりお財布を1つにするのに抵抗があるなら、少しずつ段階を経ながら試みてみましょう。
 
執筆者:飯田道子
ファイナンシャル・プランナー(CFP)、海外生活ジャーナリスト

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