教育費の「貯め時」はいつ? 貯められない場合の対処法はある?

配信日: 2021.09.02 更新日: 2024.10.10

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教育費の「貯め時」はいつ? 貯められない場合の対処法はある?
お金を貯めることにむいている時期、いわゆる「貯め時」というものがあります。具体的には、(1)独身でいる時、(2)結婚して子どもが生まれるまで、(3)子どもが小学生まで、そして、最後に(4)子どもが就職した後です。
 
教育費については、(3)子どもが小学生までに、高校や大学へ進学するための費用を貯めるのが理想です。しかし、現実には日々の生活費や住居費などがかさみ、教育費を十分に確保できない方もいらっしゃるでしょう。
 
一方で、私立大学に入学する際にかかる初年度の学生納付金(授業料、入学料、施設設備費)は、文科系学部で約117万円、理科系学部で約154万円、医歯系学部で約482万円となっています。
 
大学4年間ですと、毎年授業料と施設設備費が初年費用初年度に加えてその後3年間かかるとして、卒業までに文科系学部で約398万円、理科系学部で約542万円、6年間通う医歯系学部では約2357万円という金額になってしまいます。
 
今回は、教育費の「貯め時」に必要な教育費を貯められなかった場合の対処法について紹介します。
堀江佳久

執筆者:堀江佳久(ほりえ よしひさ)

ファイナンシャル・プランナー

中小企業診断士
早稲田大学理工学部卒業。副業OKの会社に勤務する現役の理科系サラリーマン部長。趣味が貯金であり、株・FX・仮想通貨を運用し、毎年利益を上げている。サラリーマンの立場でお金に関することをアドバイスすることをライフワークにしている。

親からお金を援助してもらう

ご自身の親御さんに金銭的な余裕があれば、「祖父母などから教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度」を活用すると1500万円までは贈与税がかかりませんので、親御さんにできる範囲内で援助をお願いしてみる方法があります。まずは、家族内で相談しても良いかもしれません。
 
この制度は、平成25年4月1日から令和5年3月31日までの間に、30歳未満の方(以下「受贈者」)が、教育資金に充てるため、金融機関等との一定の契約に基づき、受贈者の直系尊属(祖父母など)から、(1)信託受益権を取得した場合、(2)書面による贈与により取得した金銭を銀行等に預入をした場合、または(3)書面による贈与により取得した金銭等で証券会社等で有価証券を購入した場合(以下「教育資金口座の開設等」といいます)には、その信託受益権等の価額のうち1500万円までの金額に相当する部分の価額については、金融機関等の営業所等を経由して教育資金非課税申告書を提出することにより、受贈者の贈与税が非課税となる制度です。
 

家計を見直し、資金を捻出する

(1)家計をやりくりして費用を捻出する

即効性はありませんが、長い目で見た場合には、早晩取り組む必要があります。まずは、家計簿などで家計の収入と支出を見えるようにした上で、節約効果が高い、居住費や生命保険、自動車保険、携帯電話料金などの固定費を見直すことから始めましょう。
 
そして、こまめに電気を消したり、洗い物の水を少なくしたり、スーパーのチラシ等を見て、少しでも安いものを購入するなどの小さな節約を積み重ねて、なんとか教育費の一助にしてみてはいかがでしょうか。
 
あるいは、副業を始めたり、もし配偶者が専業主婦(夫)であったらパートに出るなどして収入を増やしたりことも1つの手段ですので、検討してみてはいかがでしょう。
 

(2)教育ローンを使う

教育ローンを利用することも一案です。日頃取引をしている銀行に相談するのもよいでしょうし、条件や金利の有利な銀行を探してもよいでしょう。
 
また、日本政策金融公庫が行っている教育一般貸付(国の教育ローン)を活用する方法もあります。必要資金や返済条件などご自分にあったものを使うのはいかがでしょう。
 

奨学金制度を活用する

奨学金とは、経済的理由で修学が困難な優れた学生に学資の貸与を行い、また、経済・社会情勢等を踏まえ、学生等が安心して学べるよう、「貸与」または「給付」する制度です。
 
「貸与型」は、お子さんが社会人になり給与などから返済しなければなりませんので、子どもの将来に負担をかけることにはなります。「給付型」であれば、授業料・入学金も免除または減額されますので、将来の負担を軽減できます。
 
詳細については、お子さんが通っている学校に相談をすると良いです。
 
出典
文部科学省「平成30年度 私立大学入学者に係る初年度学生納付金平均額(定員1人当たり)の調査結果について」
国税庁「祖父母などから教育資金の一括贈与を受けた場合の贈与税の非課税制度のあらまし」
日本学生支援機構ホームページ「奨学金制度の種類と概要」
 
執筆者:堀江佳久
ファイナンシャル・プランナー

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