年間の収支が黒字か、赤字かを簡単に知る方法 ライフプラン・キャッシュフロー表のフォローの仕方 その2

配信日: 2021.10.23 更新日: 2024.10.10

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年間の収支が黒字か、赤字かを簡単に知る方法 ライフプラン・キャッシュフロー表のフォローの仕方 その2
前回「その1」ではキャッシュフロー表の構成と、キャッシュフロー表をフォローする目的について説明しました。今回は、年間収支を簡単に算出する方法について解説していきます。
浦上登

執筆者:浦上登(うらかみ のぼる)

サマーアロー・コンサルティング代表 CFP ファイナンシャルプランナー

東京の築地生まれ。魚市場や築地本願寺のある下町で育つ。

現在、サマーアロー・コンサルティングの代表。

ファイナンシャル・プランナーの上位資格であるCFP(日本FP協会認定)を最速で取得。証券外務員第一種(日本証券業協会認定)。

FPとしてのアドバイスの範囲は、住宅購入、子供の教育費などのライフプラン全般、定年後の働き方や年金・資産運用・相続などの老後対策等、幅広い分野をカバーし、これから人生の礎を築いていく若い人とともに、同年代の高齢者層から絶大な信頼を集めている。

2023年7月PHP研究所より「70歳の現役FPが教える60歳からの「働き方」と「お金」の正解」を出版し、好評販売中。

現在、出版を記念して、サマーアロー・コンサルティングHPで無料FP相談を受け付け中。

早稲田大学卒業後、大手重工業メーカーに勤務、海外向けプラント輸出ビジネスに携わる。今までに訪れた国は35か国を超え、海外の話題にも明るい。

サマーアロー・コンサルティングHPアドレス:https://briansummer.wixsite.com/summerarrow

年間収支を簡単に算出する方法

「その1」で述べたように、年間収支は「収入」-「支出」+「金融資産の運用損益」で、その年が黒字か、赤字かを判断する指標になります。黒字であればいいのですが、赤字の場合は対策を考える必要があります。
 
それでは、年間収支を簡単に算出するには、どうしたらよいのでしょうか。
 
臨時収入も含めて収入の変化を細かくチェックしたり、家計簿をつけて生活費の増減を把握する場合、パソコンやスマホのアプリを利用したとしても、データの入力だけでもかなりの労力を使うことになるでしょう。コツは、結果を大づかみにすることです。
 
銀行、証券会社、保険会社の口座における各年末の残高を集計することにより、年末における金融資産残高を確認します。これは、ファイナンシャルプランナーが作成するキャッシュフロー表の「年末の金融資産残高」に相当するものとなります。
 
前年末と今年末の金融資産残高を比較することで、今年が黒字であったか、赤字であったか、すなわち今年の「成績」である年間収支が分かります。これを年ごとに比較していくことにより、それぞれの年の年間収支を把握できるという仕組みです。
 
サンプルとして、以下の表(金融資産残高変化)を作成してみました。
 
表を見て分かるように、銀行の場合は定期預金、普通預金、外貨預金、証券会社の場合は株式、投資信託、国債等の債券に分類しています。銀行や証券会社ごとに年末の残高を調べ、それを集計するだけでこのような表は作成できます。
 
表の「増減額」を見ると、その年の成績、すなわち年間収支が分かることになります。
 

※筆者作成
 

キャッシュフロー表をフォローする方法

上記の結果に基づいてキャッシュフロー表をフォローするには、ファイナンシャルプランナーが作成したキャッシュフロー表の年末金融資産残高と、実際の年末金融資産残高を比較すればよいことになります。
 

対象年 2021年 2022年 2023年 2024年
キャッシュフロー表の年末金融資産残高 550万円 700万円 800万円 850万円
実際の年末金融資産残高 550万円 650万円 510万円 480万円

※筆者作成
 
上記のようなキャッシュフローを想定すると、2年目の2022年から計画どおりにいかず、3年目の2023年には明らかに計画から外れていることが分かります。こうした状況を確認できたら、収入の減少によるものなのか、それとも支出が増加しているのか、その原因を突き止める必要があります。
 
収入の項目はそう多くないので分かりやすいと思いますが、支出の場合は項目が多いので、生活費が増えているのか、または学費や住宅費が増加したためなのか、その原因を見つけて改善策を考える必要があります。
 
これを迅速に行い、改善策を講じることこそ、キャッシュフロー表を作る目的ということができます。
 

まとめ

今回は、銀行口座や証券口座の年末残高を確認することにより、その年の成績である年間収支を算出し、それをキャッシュフロー表のフォローに役立てる方法を紹介しました。
 
次回「その3」では、さらに細分化したフォローができる方法を紹介したいと思います。
 
執筆者:浦上登
サマーアロー・コンサルティング代表 CFP ファイナンシャルプランナー

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