更新日: 2022.02.02 家計

「タンス預金」がある人は注意!? 税務署に見つかった場合って?

執筆者 : 飯田道子

「タンス預金」がある人は注意!? 税務署に見つかった場合って?
銀行に預けていても金利は低いし、万一、銀行が破綻したら1行あたり1000万円とその利息しか預金保険機構に保証されないからと、「タンス預金」をしているという方がいらっしゃるかもしれません。
 
自宅にあれば、必要なときにいつでもお金を準備できますし、銀行に行く手間も省けて一石二鳥と思うかもしれません。ただし、デメリットもあります。いったいどのようなデメリットがあるのか、解説します。
 
飯田道子

執筆者:飯田道子(いいだ みちこ)

日本ファイナンシャル・プランナーズ協会

金融機関勤務を経て96年FP資格を取得。各種相談業務やセミナー講師、執筆活動などをおこなっています。
どの金融機関にも属さない独立系FPです。

https://paradisewave.jimdo.com/

タンス預金のメリット・デメリット

タンス預金は法律で禁止されているわけではないものの、利用方法を間違うと大きなリスクを背負い込むことになります。まず、タンス預金にどのようなメリット・デメリットがあるのか確認してみましょう。
 
メリットとしては、いくら資産があるのか把握することができ、手元にあるのでいつでも自由に使えること。銀行に行く手間が省けるということがあります。
 
その他の理由として、税務署に財産の流れを把握されにくい、贈与税や相続税が発生するのが防げるかもしれないと考える方もいらっしゃるかもしれません。しかしこれは、後述しますが、必ず発覚しトラブルになる行為です。
 
デメリットとしては、手元にあるため利息がつかず、災害や盗難にあったときには被害を訴えることができなないため、本来であれば受けられる保障が受けられない、そもそも置いた場所を忘れてしまい、間違って廃棄してしまうこともあるかもしれません。
 
また、相続が発生したときに相続財産として申告しない場合には、通常より重い税金である、重加算税が加算されることがあります。
 
(出典:国税庁「無申告事案における重加算税の賦課案件」(※))
 

税務署の驚くべき調査能力を侮らないこと

「タンス預金」をしていても、純粋にお金を手元に置いておきたい、目の届くところに置いておきたいという人もいるかもしれません。
 
仮に親族にお金をあげたときには、もらった親族が贈与税の申告をする。また、相続が発生したときには、相続をした親族が必ず相続税を申告する必要があります。問題は、各種税金を逃れるために、「タンス預金」を行っている場合です。
 
銀行を通さずにお金のやり取りをしなければ、税務署には分からないと思っている人がいらっしゃるかもしれません。
 
ただし、ビジネス関連のお金であれば、取引の相手も「タンス預金」をしている可能性は低くなるため、双方のお金の流れの中でつじつまがあわなくなり、税務署に分かってしまうことがあります。
 
その場合は、脱税をしていると疑われることがあり、預金するように指導を受けたり、最悪のときには重加算税が加算された金額を納税するようにと指導を受けたりすることが考えられます。
 
相続の申告の場合の重加算税は、最大で40%にもなります。加えて延滞税なども追加されるため、50%近い金額を上乗せして納税しなければならないことがあるのです。
 
相続は親族のみだから分からないと思うかもしれませんが、相続する人全員が同じ考えでいるとは限りません。税務署の担当者の方に取材したところ、相続時の申告財産漏れの指摘は、身内や申告者に近い人からの密告が多いのだそうです。
 
いずれにしても、「タンス預金」を不正のために利用するのはNGであると心得るべきでしょう。
 

うっかりしていただけでも危険?!

税務署をだますつもりはなく、贈与税や相続税などを「うっかり申告するのを忘れただけ」というケースもあるかもしれません。うっかりしただけだから、重加算税は理不尽だと思うかもしれません。
 
ただ、税務署から指摘されるまで気づかないというのは、故意に隠していると思われても仕方ありません。
 
もし、うっかりして申告するのを忘れてしまったときには、忘れていた部分がある旨を税務署に申告し、修正申告をしてください。指摘される前に申告することが大切です。
 
しかし、ある程度は「タンス預金」は続けたいと考えている人もいらっしゃるでしょう。そもそも「タンス預金」そのものが悪いのではなく、結果的に脱税になってしまう、災害時などにリスクがあることが問題なのです。
 
リスクを回避するためには、銀行などへ預金する方が無難です。手元に置くお金は銀行から引き出し、お金の流れを明確にすること、必要以上に手元に置かないことを心がけてください。
 
出典
(※)国税庁「無申告事案における重加算税の賦課案件」
 
執筆者:飯田道子
日本ファイナンシャル・プランナーズ協会

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