40代子育て世帯の平均貯蓄額は?30代の頃より増えてる?
配信日: 2022.02.06 更新日: 2024.10.10
「そのような悩みを抱えているのはわが家だけ?」と心配になるかもしれませんが、そんなことはありません。実は30代と比べて、40代の子育て世帯の貯蓄額はそれほど大きくは殖えていないのです。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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30代と40代の平均貯蓄額
年齢ごとの一世帯あたりの平均貯蓄額については、厚生労働省が毎年公表している国民生活基礎調査の概要をみることで確認できます。
それによると平成19年の調査結果では、30代の世帯の平均貯蓄額が約516万円であるのに対して、40代が約887万円となっており、両者の差は約370万円もありました。
これが令和元年の調査結果では、30代の世帯の平均貯蓄額が約530万円と微増したのに対して、40代は約651万円と200万円以上も減っており、両者の差はわずか120万円ほどにまで縮まっているのです。
これだけをみても、30代から40代にかけての貯蓄残高の増加率は非常に低い水準にとどまっているという状況がみて取れるでしょう。
子どもの成長に伴って育児費用が増加
では、40代の子育て世帯の平均貯蓄額が伸び悩んでいる背景には何があるのでしょうか?まず、晩婚化に伴って、子ども30代は子どもがまだ小さく、それほどかからなかった育児費用が、40代になって大きくのしかかるようになってきているということです。
また、少子化によって一世帯あたりの子どもの数は減っているものの、その分、習い事を掛け持ちするようになり、それが育児費用を増加させる要因にもなっています。このように、晩婚化と少子化という2つによって、40代の平均貯蓄額の増加が抑えられているというわけです。
住居費や生活費も増加傾向
育児費用に加えて、40代になると住居費も何かとかさんできます。
子どもが大きくなって自分の部屋を欲しがるようになると、より広い家に住み替える必要がありますし、マンションや一戸建てなどのマイホームを購入する方も増えてきます。30代までにためたお金を頭金にして住宅ローンを組むケースも少なくありません。
このように、住居費用が増加する傾向にあることに加えて、それを貯蓄を取り崩してまかなう場合があるというのも、40代の子育て世帯が貯蓄を増やしにくい要因の1つであるといえるでしょう。
加えて、子どもの成長に伴って、食費をはじめとした生活費も何かと必要になってきます。お小遣いをあげたり、少し良い服を買おうとするだけでも、出費は一気に膨らんでしまいます。
細かなところでは、小学生になると、電車やバスなどの運賃がかかるようになるなど、交通費の増加もばかになりません。
収入の増加は緩やか
支出が増えても、それ以上に収入が増えれば貯蓄はできるはずですが、実際にはそううまくはいきません。
かつてのように、年功序列が当たり前であった時代には、年齢とともに収入が増えたため、支出が増えても大きな問題にはならなかったのですが、現在ではそのような状況は遠い過去のものとなっています。
すなわち、年功序列の給与体系を廃止して、成果主義を取り入れる企業が相次いだ結果、年齢を重ねても簡単には収入を増やすことができないようになっているのです。
年齢を重ねるにつれて支出は増える一方であるのに対し、収入は横ばいか、場合によっては減ることすらあるため、いくら頑張って節約しようとしても、なかなか思うように貯蓄は殖えていきません。40代の子育て世帯の多くは、このようなシビアな現実に直面しているのです。
40代の子育て世帯の貯蓄額は殖えにくい
ここまで読んで、40代の子育て世帯がいかに貯蓄額を増やしにくい状況に置かれているかが分かったのではないでしょうか。
老後になって「貯蓄が足りない!」という事態に陥らないようにするためにも、40代になると思った以上に貯蓄が増えにくくなるという点をしっかりと頭に入れて、生活設計をするようにしなければなりません。
出典
厚生労働省 平成19年国民生活基礎調査の概況より「5 貯蓄、借入金の状況」
厚生労働省 2019年国民生活基礎調査の概況より「各種世帯の所得等の状況」
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
監修:高橋庸夫
ファイナンシャル・プランナー