更新日: 2022.02.07 貯金

50代会社員で子ども2人。どのくらい貯蓄している?

執筆者 : 柘植輝

50代会社員で子ども2人。どのくらい貯蓄している?
定年や老後の年金生活が近づく50代ですが、中には子育ての真っ最中という世帯もあることでしょう。
 
そんな子育て中の50代の世帯は、どれくらい貯蓄ができているのでしょうか。一般的な50代会社員で、子どもが2人という世帯を仮定して考察していきます。
柘植輝

執筆者:柘植輝(つげ ひかる)

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

50代の平均貯蓄額は?

金融広報中央委員会が実施している「家計の金融行動に関する世論調査」の2020年の調査結果によると、世帯主が50歳代の2人以上世帯の平均貯蓄額は392万円でした。
 

児童がいる世帯の平均貯蓄額は?

厚生労働省の「国民生活基礎調査の概況」(2019年)によれば、児童がいる子育て世帯において貯蓄があるという世帯が84.4%という一方で、貯蓄がないという世帯は11.6%となっています。
 
平均貯蓄額は1世帯当たり723万8000円で、最も多い貯蓄帯としては500万円以上から700万円未満で全体の10.6%、次いで100万円以上から200万円未満の10.1%でした。
 

50代会社員で子どもが2人いる世帯の平均貯蓄額を推測

前述した50代の平均貯蓄額、そして児童がいる世帯の平均貯蓄額から、50代会社員で子どもが2人いる世帯の平均貯蓄額は、550万円前後なのではないかと推測できます。
 
具体的な金額は、子どもが大学生であるか、高校生以下で通っている学校が公立か私立かなど、個別の事情によって大きくが差が出ることも想定されます。
 
例えば、子どもが2人とも私立大学生というような場合は、貯蓄は平均より少なくなって100万円から200万円程度という世帯もあれば、貯蓄が全くないという世帯もあると思います。しかし平均としては、やはり550万円前後と考えられるではないでしょうか。
 

どれくらい貯蓄があれば安心できる?

では実際のところ、50代会社員で子どもが2人いる世帯は、どれくらい貯蓄があれば安心できるのでしょう。
 
貯蓄は多ければ多いほどよいのですが、最低限安心できる金額としては、万が一、収入が途絶えても1年から2年程度は生活できるだけの金額、目安としては700万円ほどあれば、不測の事態が起こっても家族が生活できるのではないでしょうか。
 
児童がいる世帯の平均貯蓄額の最も多い金額帯が500万円以上から700万円未満であることからも、700万円を1つの目安として考えてもよさそうです。
 
しかし、間近に迫った老後の資金についても考えた場合、700万円の貯蓄だけでは心もとないため、子育てと並行して老後を見据え、自分たちの将来の生活にいくら必要なのか考えながら老後資金の分も貯蓄を増やしていくことが求められます。
 

老後資金はどう作っていくべき?

50代会社員で、まだ独立していない子どもがいる場合は老後資金の確保が課題となります。
 
例えば30代中盤以降に子どもが生まれた場合、大学卒業までの教育費などを考えると、老後資金の準備を本格的に始めることができるのは50代後半など、60歳近くになってからとなります。
 
この場合、それまでの貯畜額にもよりますが、基本的に子どもの独立後は余った資金の全額を老後資金に回すくらいの方針にしていく必要もあるでしょう。
 
また、子どもが独立する前でもできる限り老後に備えた貯蓄をしておき、ボーナスなどの臨時収入も貯蓄に充てるほか、つみたてNISAやiDeCoなど老後のための資産形成の制度も積極的に活用するようして、効率よく老後資金を作っていく必要があります。
 

まとめ

50代会社員で子どもが2人いる場合、平均的な貯蓄額は多くの家庭で550万円前後になるのではないかと想定できます。
 
しかしながら、万が一の事態や老後資金まで含めて考えると、550万円では不足するため、50代の子育て世帯では少なくとも550万円から700万円程度の貯蓄をしつつ、子どもの教育費用と並行して可能な限り老後資金も準備していくようにしてください。
 
出典
金融広報中央委員会「知るぽると」 家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査] 令和2年調査結果
厚生年金 2019年 国民生活基礎調査の概況
 
執筆者:柘植輝
行政書士